ECM40周年

 キース・ジャレットとヤン・ガルバレクのニュー・アルバムが同時発売

　レーベル創立30周年を祝福したばかりなのに、もはや40周年を迎えてしまった。過去10年の間にECMは、30年の歴史に何を付け加えたのだろう。北欧サウンド、透明度の高い響きなどなど、ECMのパブリックイメージは、揺らぐことはなかった。多少の温暖化、多少の南米化？はあったのか。そういえばこの10年の間にエグベルト・ジスモンチが三度も来日、ブラジルらしい、混沌とした美しい音楽を聞かせた。
　40周年を記念してキース・ジャレットとヤン・ガルバレクがアルバムをリリースした。別々に、だ。ファンが望んでいるのは、このふたりの共演、ヨーロピアン・カルテットの復活だ。あるいはジョシュア・レッドマンを加えたアメリカン・カルテットの再演か。いずれにしてもそんな普通のお願いなどまったく気にも留めないこのレーベルは、淡々と40周年を向かえ、そしていつの間にか50年目を迎えるのだろう。

TEXT：高見一樹

Keith Jarrett『テスタメント』[UCCE-1120]  3CD
Jan Garbarek Group『ドレスデン』[UCCE-7005] 2CD

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