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LSO次期音楽監督ラトルによる最大の話題盤。万全のキャストで臨んだシューマン「楽園とペリ」

ラトル&ロンドン交響楽団~シューマン:楽園とペリ

2017/18年シーズンよりロンドン響の音楽監督に就任するサー・サイモン・ラトルが、これに先駆けてLSOLiveに堂々の初登場を果たします。
大注目のプログラムはシューマンの大作「楽園とペリ」。2015年1月に本拠バービカンで行なわれたばかりの公演をライヴ収録したもので、SACDハイブリッド盤2枚組に加えて、ピュア・オーディオ・ブルーレイ・ディスクも同梱されるという、たいへん力の入ったつくりとなっています。
1843年に完成したシューマンの「楽園とペリ」は、ペルシャ神話のエキゾチックで色彩豊かな物語から、アイルランドの詩人トマス・ムーア(1779-1852)が生み出した叙事詩「ララ・ルーク」に基づく作品で、19世紀のオリエンタリズム(東洋趣味)の大流行を反映しています。この世俗オラトリオでは、罪をおかした妖精ペリが楽園から追放され、数々の試練を乗り越えた末にやがてふたたび楽園へと救済される過程を描いてゆきます。
シューマンが友人に宛てた手紙によると、
「私は今、大きな計画に夢中です。今までで最も大きいものですが、オペラではありません。それがほとんど新しいジャンルだと私は確信しています。」
この自信に満ちた言葉そのままに、この曲はシューマンの時代に作曲されたいかなるオラトリオとも異なるものです。
「(「楽園とペリ」は)あなた方がこの曲を聴くまで耳にしたことがなく、今でも、他にほとんど存在しないようなレベルの大傑作です...。考えてもみてください。これはまさにすごいことで、全く例外的なことなのです。この曲は、シューマンの生涯において、それまでに作曲した作品の中で最も人気があり、際限なく演奏されました。あらゆる作曲家がこの作品を愛しました。ワーグナーは、シューマンが成し遂げたことについて、自分がやってみたかったこの主題を奪ったことについて、どれほど嫉妬したか、それが、どれほど特別なことであったことかを書き記しています。それは、作曲家にとっての競いの場であり、作品は特別なものでした。」
このように熱く語るラトルは「楽園とペリ」に心底魅了されたひとり。ラトルはすでにベルリン・フィルの2009年2月の定期公演でもこの曲を取り上げていますが、鍵を握る声楽陣については、このたびほぼ同一のキャストというのも興味深いポイントといえそうです。併せて、ベルリン・フィルによる「マタイ」&「ヨハネ」の福音史家役で絶大なる存在感を示してラトルの信頼厚いパドモアを筆頭に、ベッシュ、合唱とここであらたに参加した強力な顔触れをみても、このたびのレコーディングに万全の布陣で臨むラトルの意気込みのほどがうかがえます。
なにより、ラトルに応えるロンドン響のみずみずしい響きと、三部構成演奏時間一時間半近い長丁場を持続するテンションの高さからは、英国の誇る巨匠を迎えて音楽する歓びがひしと伝わってくるようです。
ラトル=シューマンといえば、2013年にベルリン・フィルを指揮してライヴ収録した交響曲全曲の高評価も未だ記憶に新しいところ。ロンドン響との門出に選ばれた「楽園とペリ」は、ラトルが「家に帰るようなもの」とコメントした新たなパートナーとの輝かしい今後に期待をつなぐリリースといえるでしょう。
(キングインターナショナル)

サイモン・ラトル(指揮)&ロンドン交響楽団

【収録曲】
シューマン:オラトリオ「楽園とペリ」op. 50 (1843)
【演奏】
サリー・マシューズ(ソプラノ:ペリ)
マーク・パドモア(テノール:語り)
ケイト・ロイヤル(ソプラノ)
ベルナルダ・フィンク(アルト)
アンドルー・ステイプルズ(テノール)
フローリアン・ベッシュ(バス・バリトン)
ロンドン・シンフォニー・コーラス
サイモン・ハルシー(合唱指揮)
サー・サイモン・ラトル(指揮)
ロンドン交響楽団
【収録】
2015年1月11日 ロンドン、バービカン・ホール(ライヴ)
プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン
エンジニアリング、エディティング、ミキシング&マスタリング:Classic Sound Ltd
[SACD:DSD5.1 surround stereo / 2.0 stereo]
[Pure Audio Blu-ray:5.1DTS-HD Master Audio(24bit/192kHz), 2.0LPCM(24bit/192kHz)]

左:ベルナルダ・フィンク(アルト)、右:マーク・パドモア(テノール:語り)