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“鍵盤上のヴァルキューレ”モニク・ドゥ・ラ・ブリュショルリ生誕100周年記念録音集(9CD+DVD)

Meloclassic Labelによるプロモーション映像

彼女はヴァルキューレとなり、グランド・ピアノは軍馬となり、いまオクターヴ征討の戦いに進発する
(ヨアヒム・カイザー著、吉田仙太郎訳『現代の名ピアニスト』白水社刊)

往年のフランスの名手、モニク・ドゥ・ラ・ブルショルリ(1915~72)は、その圧倒的なピアニズムで1960年代にヨーロッパ楽壇で一世を風靡した存在でした。ところが1966年のルーマニアへの演奏旅行中に交通事故にあい、51歳で引退を余儀なくされた悲劇のピアニストでもありました。

彼女の商業録音はLP初期の米VOXやオイロディスクのものが有名で、それぞれ国内発売されCD時代にも再発売されましたが、その名声に比して録音量は決して多いと言えず、日本のファンにとっては上記したヨアヒム・カイザーの賛辞も今一つ実感されない嫌いがありました。

そこへ彼女の生誕100年を記念したCD9枚、DVD1枚からなるアンソロジーの登場!しかも1943年のパリでのSP録音に始まり、彼女が交通事故にあう数時間前のルーマニアでの放送録音まで収録、という幅広い内容です。ついに彼女の輝かしいキャリアの全貌が録音によって追えるようになりました!

最大の注目は、その1943年5月14日のアンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団と共演したベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番です。SPでも未刊行だったスタジオ録音。しかも録音時期がナチス・ドイツのパリ占領中のものです。この頃、パリに軟禁状態にあったフランスの名手たちはベートーヴェンやモーツァルトなど独墺系の作品に素晴らしい演奏を示すことで、自国民を励ますとともに暗にナチスへのレジスタンスの意思を示しました。ベートーヴェンやモーツァルトは独墺だけのものでなく、世界共有の芸術遺産との考え方からです。しかも両者ともフランス革命から思想的に大きな影響を受けた作曲家でもありました。

この時期、ジャック・ティボーはモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番やヴァイオリン・ソナタを録音、マルグリット・ロンはベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番《皇帝》を録音、発売しました。ティボーとロンがナチス占領下の1943年にロン=ティボー・コンクールを創設したのも、フランスの芸術文化の素晴らしさを示すことで、若手アーティストや自国民を励ますためでした。

ブルショルリとクリュイタンスも思いは同じだったと思われます。どのような演奏となっているか非常に楽しみです。もちろん、1966年に至るまで650分もの録音が収録されていますので、改めてブルショルリの芸術の素晴らしさを味わい、再認識する絶好のチャンスであるとも言えます。

ブルショルリは現在活躍している大家シプリアン・カツァリスの先生にあたります。現代ピアノ界に彼女の音楽的遺伝子はしっかりと受け継がれています。
(タワーレコード)


フランスの名ピアニスト、モニク・ドゥ・ラ・ブリュショルリ(1915―1972)の生誕100周年を記念して、meloclassicが素晴らしい録音集を刊行した。ブリュショルリはパリに生まれ、幼くして目覚しい楽才を発揮し、1930年代後半から精力的に活躍、大変な人気を誇った。しかし1966年12月18日、ルーマニアでの楽旅の移動中に交通事故に遭い、51歳で引退。残された商業録音が少なかったことから幻の名ピアニストとして生前から伝説的存在だった。近年、再評価が進んでいる。

今回meloclassicが発売する650分もの録音集には、いくつかの商業録音(未刊行録音を含む)や放送局の録音に加え、ブリュショルリの家族が保管していた秘蔵音源も多数含まれており、初出音源が非常に多い。その中には彼女が事故に巻き込まれるほんの数時間前の演奏も含まれている。もちろん演奏そのものもたいへんに素晴らしく、活気に満ちていながら気品も高いというブリュショルリの稀有な特徴が幅広い曲で発揮されているのを実感できる。さらにチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番というお宝映像や、インタビュー、ケンプとヨッフムの回想も貴重だ。ブリュショルリの娘、ディアヌ・デ・ラ・ブリュショルリの解説(仏語およびその英語訳)も、家族だからこその情報が含まれている。ブリュショルリに興味がある人はもちろん、広くピアノを愛する人に聞いてほしい内容である。
(東武ランドシステム)

『モニク・ドゥ・ラ・ブリュショルリ 生誕100周年記念録音集』

モニク・ドゥ・ラ・ブリュショルリ(ピアノ)
録音:1943-1966年、650m + DVD 32'25

CD1(69:43)
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op.58
(サン=サーンスによるカデンツァを使用)
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73 「皇帝」

(1)アンドレ・クリュイタンス(指揮)パリ音楽院管弦楽団
1943年5月14日,パリ VOXによるスタジオ録音(未刊行)
(2)レオポルト・ルートヴィヒ(指揮)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1948年6月20日,ベルリン(ベルリン放送によるライブ録音)

CD2(67:48)
(1)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23
(2)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30

(1)ヨーゼフ・デュンヴァルト(指揮)ヴュルテンベルク国立管弦楽団
1946年5月7日,シュトゥットガルト(南ドイツ放送による放送用スタジオ録音)
(2)エルネスト・アンセルメ(指揮)ボストン交響楽団
1951年12月14日,ボストン(ライヴ録音)

CD3(72:54)
(1)ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21
(2)サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番 ヘ長調 Op.103 「エジプト風」
(3)フランク:交響的変奏曲 嬰ヘ短調

(1)イオネル・ペルレア(指揮)コロンヌ管弦楽団
1955年10月4日,パリ VOXによるスタジオ録音(未刊行)
(2)イオシフ・コンタ(指揮)ルーマニア国立放送管弦楽団
1966年12月16日,ブカレスト(ルーマニア放送によるライヴ録音)
(3)エミル・シモン(指揮)クルジュ・フィルハーモニー交響楽団(現トランシルヴァニア国立フィルハーモニー管弦楽団)
1966年12月18日,クルジュ(ルーマニア放送によるライヴ録音)

CD4(76:28)
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466
(2)モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488
(3)モーツァルト:ピアノ・ソナタ第16番 ハ長調 K.545
(4)D.スカルラッティ(タウジヒ/フィリップ編):
ソナタ ニ短調 K.9/ソナタ ホ長調 K.20
(5)ハイドン:ピアノ・ソナタ ホ短調 Hob.XVI:34

(1)ジャン・フルネ(指揮)フランス国立放送管弦楽団
1956年12月17日,パリ(RTFによるライヴ録音)
(2)アールパード・ゲーレツ(指揮)ローザンヌ室内管弦楽団
1963年3月7日,ローザンヌ(スイス・ロマンド放送による放送用スタジオ録音)
(3)1952年12月14日、ミュンヘン
バイエルン放送による放送用スタジオ録音
(4)1950年10月,パリ NIXAによるスタジオ録音
(5)1947年10月22日,ロンドン HMVによるスタジオ録音

CD5(61:31)
(1)バッハ:ピアノ協奏曲 ニ短調 BWV1052
(2)バッハ:オルガン協奏曲 ニ短調 BWV596(ピアノ演奏)
(3)フィリップ:バッハのコラール「イエスよ、あなたの四肢となった人たちを」(カンタータ「神の子が現れた」 BWV40 第8曲)に基づくピアノ編曲
(4)バルバストル:ロマンス ハ長調
(5)ハイドン:ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XVI:35
(6)クレメンティ:ピアノ・ソナタ ニ長調 Op.26-3

(1)ヨーゼフ・デュンヴァルト(指揮)ヴュルテンベルク国立管弦楽団
1948年5月16日、シュトゥットガルト(南ドイツ放送による放送用スタジオ録音)
(2)1946年6月24日,ベルリン(ベルリン放送による放送用スタジオ録音)
(3)1965年11月19日、ハム(家族所蔵の音源 ライヴ録音)
(4)(5)1961年5月19日,ミュンヘン(家族所蔵の音源 スタジオ録音)
(6)1965年2月2日,ヘーヒスト(家族所蔵の音源 ライヴ録音)

CD6(73:17)
(1)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 Op.13 「悲愴」
(2)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 Op.109
(3)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 Op.110
(4)ベートーヴェン:エコセーズ 変ホ長調 WoO 83
(5)シューベルト(フィリップ編):36の独創的な舞曲 Op.9 D.365―第19番,第20番
(6)シューベルト:感傷的なワルツ D.779 Op.50および高雅なワルツ集 D.969 Op.77からの自由な抜粋
(7)メンデルスゾーン:ロンド・カプリチョーソ ホ長調 Op.14
(8)メンデルスゾーン:無言歌 イ長調 Op.62-6 「春の歌」
(9)メンデルスゾーン:無言歌 ハ長調 Op.67-4 「紡ぎ歌」
(10)ブラームス:ワルツ第2番 ホ長調 Op.39-2
(11)ブラームス:ワルツ第6番 嬰ハ長調 Op.39-6

(1)1961年5月19日,ミュンヘン(家族所蔵の音源 スタジオ録音)
(2)1965年11月22日,カールスルーエ(家族所蔵の音源 ライヴ録音)
(3)1965年2月2日,ヘーヒスト(家族所蔵の音源 ライヴ録音)
(4)1965年11月19日,ハム(家族所蔵の音源 ライヴ録音)
(5)1947年5月22日,ロンドン(HMVによるスタジオ録音)
(6)1965年11月19日,ハム(家族所蔵の音源 ライヴ録音)
(7)1954年11月21日,リューベック(家族所蔵の音源 ライヴ録音)
(8)1965年11月22日,カールスルーエ(家族所蔵の音源 ライヴ録音)
(9)1959年,ドイツ(家族所蔵の音源 ライヴ録音)
(10)(11)1950年11月14日,ミュンヘン(バイエルン放送による放送用スタジオ録音)

CD7(79:03)
(1)ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58
(2)ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
(3)ショパン:幻想曲 ヘ短調 Op.49
(4)ショパン:バラード ヘ短調 Op.52
(5)ショパン:
ワルツ イ短調 Op.34-2/
ワルツ 変ニ長調 Op.64-1 「小犬のワルツ」/
ワルツ 嬰ハ短調 Op.64-2/
ワルツ ロ短調 Op.69-2/
ワルツ 変ト長調 Op.70-1/
ワルツ 変ニ長調 Op.70-3/
ワルツ ホ短調
(6)ショパン:ワルツ 変イ長調 Op.42
(7)ショパン:
マズルカ ヘ短調 Op.7-3/
マズルカ 嬰ハ短調 Op.63-3

(1)1965年2月2日,ヘーヒスト(家族所蔵の音源 ライヴ録音)
(2)1952年12月14日,ミュンヘン(バイエルン放送による放送用スタジオ録音)
(3)1955年10月4日,パリ VOXによるスタジオ録音(未刊行)
(4)1965年11月22日,カールスルーエ(家族所蔵の音源 ライヴ録音)
(5)1956年4月28日,ハンブルク(北ドイツ放送による放送用スタジオ録音)
(6)1954年11月21日,リューベック(家族所蔵の音源 ライヴ録音)
(7)1962年2月6日,ミュンヘン(家族所蔵の音源 スタジオ録音)

CD8(71:40)
(1)シューマン:アラベスク ハ長調 Op.18
(2)シューマン:ピアノ・ソナタ第1番 嬰ヘ短調 Op.11
(3)シューマン:謝肉祭 Op.9 (スフィンクスを除く20曲)
(4)プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第3番 イ短調 Op.28
(5)プロコフィエフ:トッカータ ハ長調 Op.11
(6)ファリャ:火祭りの踊り

(1)1965年11月22日,カールスルーエ(家族所蔵の音源 ライヴ録音)
(2)1966年12月8日,ブカレスト(ルーマニア放送によるライヴ録音)
(3)1965年1月13日,パリ(RTFによる放送用スタジオ録音)
(4)-(6)1965年11月19日,ハム(家族所蔵の音源 ライヴ録音)

CD9(77:35)
(1)イベール:小さな白いロバ
(2)ダカン:かっこう
(3)ヴィラ=ロボス:道化人形
(4)サン=サーンス:トッカータ Op.111-6
(5)シマノフスキ:変奏曲 Op.3
(6)バルトーク:民謡による3つのロンド Sz.84―第1番
(7)ショスタコーヴィチ:バレエ「黄金時代」からのポルカ Op.22b-3
(8)ドビュッシー:雨の庭/亜麻色の髪の乙女/レントより遅く
(9)ドビュッシー:沈める寺
(10)ヴァリアー:トッカータ
(11)デュティユー:ピアノ・ソナタ
(12)アンドレ・ペイレーニュによるブリュショルリへのインタビュー
(13)ヴィルヘルム・ケンプによるブリュショルリの思い出
(14)オイゲン・ヨッフムによるブリュショルリの思い出

(1)1948年6月16日,ベルリン(ベルリン放送による放送用スタジオ録音)
(2)1948年6月24日,ベルリン(ベルリン放送による放送用スタジオ録音)
(3)1948年6月16日,ベルリン(ベルリン放送による放送用スタジオ録音)
(4)1951年11月17日,ミュンヘン(バイエルン放送による放送用スタジオ録音)
(5)1952年12月14日,ミュンヘン(バイエルン放送による放送用スタジオ録音)
(6)1954年11月21日,リューベック(家族所蔵の音源 ライヴ録音)
(7)1961年5月19日,ミュンヘン(家族所蔵の音源 スタジオ録音)
(8)1966年12月8日,ブカレスト(ルーマニア放送によるライヴ録音)
(9)(10)1966年12月18日,クルジュ(ルーマニア放送によるライヴ録音)※ブリュショルリの最後の演奏会のライヴ録音
(11)1950年頃,パリ(家族所蔵の音源 スタジオ録音)
(12)1972年11月2日,パリ(家族所蔵の音源 放送用スタジオ録音)
(13)(14)1973年5月19日,ミュンヘン(バイエルン放送による放送用スタジオ録音)

ボーナスDVD(32:25)
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23

アンドレ・ヴァンデルノート(指揮)RTFフィルハーモニー管弦楽団
1963年2月16日,パリ (RTFによる放送用スタジオ収録)
(リージョン・コード:0、NTSC、4:3、LPCM MONO)

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック) プロモ(クラシック)

掲載: 2015年12月10日 17:00

更新: 2015年12月11日 17:00