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ヴァイオレンス(Vio-Lence)創始者の一人フィル・デンメルのバンド、Torque(トルク)唯一のアルバムがリマスター復刻

Torque(トルク)

ベイエリア・クランチの代表格として今もなお絶大な支持を集めるVIO-LENCE。その創始者の一人であり、その後盟友ロブ・フリンのマシーン・ヘッドに加入、その後のマシーン・ヘッドの世界的成功を支える重要な立役者ともなった技巧派ギタリスト、それがフィル・デンメルだ。11月にはマシーン・ヘッドからの脱退を発表し、シーンに衝撃を与えたのだが、12月にはゲイリー・ホルトの代役としてあのスレイヤーにサポート・ギタリストとして参加、その卓越したギター・ワークで帝王のサウンドを支えたことも記憶に新しいところだ。

そんなフィル・デンメルが、1994年のVIO-LENCE解散後にベーシストのディーン・デルと共に始動させたのが、トルクというバンドだ。当時のベイエリア・クランチ・シーンを代表するバンド後に彼が結成したこのトルクは、ベイエリア・クランチ的なサウンドに、ハードコアの直線的な疾走感と挑発的なヴォーカル・スタイルを取り入れ、活動期間は短かったものの当時のスラッシュ・メタル/ハードコア・シーンに強烈な印象を残したバンドだった。

彼らが1996年に発表した唯一のアルバム『TORQUE』が、今ここにリマスター音源となって甦る事となった! ベイエリア・シーンの隠れた名盤に新たな命を吹き込むこととなる今回のリイシューは、ボーナス・トラック4曲を追加収録し、CDとアナログ盤の2形態でリリースされる(アナログ盤にはオリジナル盤収録の11曲のみ収録、ボーナス・トラックは封入されているダウンロード・カードを使って入手可能となる)。この名盤がアナログ盤で発売されるのは、今回が初となっている。

VIO-LENCE用に準備していた3曲を含む全11曲を含むアルバムでは、ベイエリア・スラッシュ・メタルの流れをくみながら、そこにより強靱でヘヴィなリフとグルーヴィなスラッシュ・サウンドを持ち込み、NYHCにも通じる直線的な攻撃性などを取り入れたサウンドが展開しており、フィル・デンメルという中心人物の新たな音楽的方向性を垣間見せてくれている。初期バイオハザードのような骨太なヘヴィネスと挑発的なヴォーカル・スタイルも、他のベイエリア・クランチ・アクトとは一線を画していると言えるだろう。特筆すべきは、フィル・デンメルがギターだけではなくヴォーカルも担当していることだ。

トルクとして1枚のアルバムをリリースした後、フィルはより実験的なサウンドを追求すべくTECHNOCRACYというバンドを結成、2002年にはアールー・ラスター(g)の後任として盟友ロブ・フリンのマシーン・ヘッドに参加、その後『THE BLACKENING』や『UNTO THE LOCUST』といったメタル史に残る名作を生み出していった。残念ながらマシーン・ヘッドからの脱退を表明したフィルだが、噂ではVIO-LENCEを再始動させるプランもあるという。メタル・シーンに確固たる存在感を放つギタリスト、フィル・デンメルの新たな一面を見せてくれるこの隠れた名盤『TORQUE』を聴きながら、これからのフィルが歩む道のりを楽しみに待とうではないか!

 

【収録曲】
01. H.L.S.
02. Again
03. Nothing
04. Shooter
05. Dead You Lay
06. Choking
07. Forgotten
08. Pulled
09. Will Of Stone
10. Breed
11. Hand Over Fist

12. Circling
13. Erased
14. Sever
15. Isolation / Anger Mine

 

HR/HM