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“時の踊り”“薔薇の精”~フィストゥラーリが振るバレエ音楽集、英デッカ録音がCD化!

アナトール・フィストラーリ

フィストゥラーリが振るバレエ音楽!
グノー、トマ、ポンキエッリの完全盤は初CD化!

7歳でチャイコフスキーの「悲愴」を指揮した神童として名を馳せ、20世紀最高のバレエ音楽指揮者の1人に数えられているウクライナ出身の大指揮者、アナトール・フィストゥラーリ(1907-1995)のバレエ録音が、上質なリマスターと貴重な歴史的音源を誇るギルド・ヒストリカル(Guild Historical)からリリース!DeccaよりLPリリースされていた、パリ音楽院管を振ったグノーの「ファウスト」、トマの「ミニョン序曲」、ポンキエッリの「時の踊り(ラ・ジョコンダより)」の3曲の完全盤は初CD化(ファースト・コンプリート・リリース・オンCD)。カップリングには、ロンドン交響楽団を振ったチャイコフスキーの「白鳥の湖」と「眠れる森の美女」からの音楽、ロンドン新交響楽団を振ったミンクスの「ドン・キホーテ」からの音楽と、ウェーバーの「舞踏への勧誘」をベルリオーズがオーケストレーションを施したバレエ音楽「薔薇の精」といったバレエ名曲の数々を収録。ロシア音楽とバレエ音楽のスペシャリストとして名を馳せたフィストゥラーリの至芸を、ピーター・レイノルズの高品質リマスタリングでどうぞ。
リマスター:ピーター・レイノルズ&レイノルズ・マスタリング
(東京エムプラス)

【曲目】
シャルル・グノー(1818-1893):《ファウスト》からのバレエ音楽
アンブロワーズ・トマ(1811-1896):歌劇《ミニョン》より 序曲
アミルカレ・ポンキエッリ(1834-1886):《ラ・ジョコンダ》からのバレエ音楽「時の踊り」
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893):《白鳥の湖》Op.20より〔序奏、アンダンテ・ノン・トロッポ、王子の踊り、白鳥の女王の踊り〕*
レオン・ミンクス(1826-1917):バレエ《ドン・キホーテ》より パ・ド・ドゥ**
チャイコフスキー:《眠れる森の美女》Op.66より〔序奏(プロローグ)、パ・ド・カトル-青い鳥、ワルツ〕*
ウェーバー=ベルリオーズ:薔薇の精**

【演奏】
アナトール・フィストゥラーリ(指揮)
パリ音楽院管弦楽団
ロンドン交響楽団*
ロンドン新交響楽団**

【録音】
1950年~1953年、パリ&ロンドン(モノラル)

フィストゥラーリの3つの《白鳥の湖》
【参考画像】“バレエ指揮者”フィストゥラーリの名を不滅のものとした
英デッカへの3つの《白鳥の湖》録音、初出LPのアートワーク

アナトール・フィストゥラーリ
1907年8月20日、キエフ生まれ。父グレゴルはアントン・ルビンシテインとリムスキー=コルサコフに師事した指揮者で、フィストゥラーリはこの父より音楽の英才教育を受けました。7歳でチャイコフスキーの《悲愴》を暗譜指揮し、13歳でルーマニアに渡り、ブカレストでサン=サーンスの歌劇《サムソンとダリラ》を上演して天才少年の名をほしいままにしあした。25歳のとき大歌手シャリアピンに認められ、彼の巡回歌劇団の指揮者として欧米を楽旅。30歳からはレオニード・マシーン率いるバレエ・リュス・ド・モンテカルロの指揮者となりました。1939年(32歳)、フランス軍に招集されたましたが、パリが陥落するとイギリスに渡り、指揮活動を再開。1943~44年(36歳)にはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者として120回の演奏会を開き、戦時下の厳しい時代を支えました。私生活では1943年3月(35歳)にマーラーの娘アンナ・マーラーと結婚。同年8月、一人娘のマリーナが生まれました。

1946年(39歳)、自らロンドン・インターナショナル管弦楽団を創設。この楽団とイギリス各地を演奏旅行したほか、コヴェント=ガーデンでのバジル大佐のバレエ・リュス公演ではピットに入り、《放蕩息子》や《金鶏》で素晴らしい演奏を示しました。1948年(41歳)にはイギリスの市民権を獲得。1955年(48歳)にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場へデビュー。1956年(49歳)のロンドン・フィル初のソ連楽旅ではエードリアン・ボールトとともに指揮者として同行しました。

一方、録音活動は1944年(37歳)から英デッカへ録音を開始し、1977年(70歳)まで関係が続きました。この間、英HMV、パルロフォン、蘭フィリップス、米エヴェレスト、ヴァンガード、MGM、リーダーズダイジェスト、そして日本のトリオ・レコード(和波孝禧との協奏曲)にも録音するなど、そのディスコグラフィは多岐にわたっています。中でも目立つのがバレエ音楽と協奏曲の録音です。フィストゥラーリは豊富なバレエ上演経験により、音彩の華麗、かつダイナミックな鳴り響かせ方と、ダンサーにぴたりと付ける術を熟知していました。こうしたことが協奏曲の指揮にも生かされました。録音での共演者の顔ぶれもカーゾン、ジョイス、リンパニー、アシュケナージ、エルマン、ミルシテイン、メニューイン、リッチ・・・と一流奏者揃いです。

バレエ音楽の名盤は数多いですが、最も有名なのは英デッカに録音したチャイコフスキー《白鳥の湖》の3つの名演盤です。1度目は1952年のロンドン交響楽団との全曲録音(モノラル)、2度目は1961年のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とのハイライト(ステレオ)、3度目は1972~3年のオランダ放送フィルハーモニー管弦楽団との全曲録音(ステレオ)です。何れもレコード史に残る名盤で、“バレエ指揮者”フィストゥラーリの名を不滅のものとしています。

私生活では1953年にスコットランド出身のカール・フレッシュ門下のヴァイオリニスト、エリザベス・ロックハート(1921~1999)と共演したことをきっかけに、1956年に長く別居中だったアンナ夫人と離婚し、1957年にエリザベスと再婚。フィストゥラーリは晩年、関節炎を病み、指揮活動も停止しましたが、エリザベス夫人は最後まで愛情をこめて看病したと言われています。1995年8月21日、ロンドンのクイーンメアリー病院で死去。88歳でした。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)

フィストゥラーリとエリザベス・ロックハート

フィストラーリとエリザベス・ロックハート

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2019年05月23日 15:33