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13曲のヴァイオリン協奏曲を堪能!「ルジェーロ・リッチ~新発見テープからの協奏曲集1951~1978」(6枚組)

ルッジェーロ・リッチ

ルジェーロ・リッチの新発見協奏曲集!
得意のパガニーニから新作の初演まで収録!

ルッジェーロ・リッチ(1918~2012)は、第二次大戦前にデビューしたヴァイオリニストで筆者が生演奏を聴き得た数少ない名手の一人です。それは1990年代に開かれた東京でのあるサロン・コンサートでのことでした。最も強烈に印象に残っているのはアンコールに弾かれたパガニーニのカプリス第1番です。筆者はこの演奏をまさに目の前で聴きましたが、実演ならではの高揚感とともに、自ら猛スピードのスリルを楽しんでいるかのような演奏に全く圧倒されました。演奏後の歓談時に彼の右肩を触ってみましたが、筋肉が実に柔軟なのに驚かされました。幼い頃の基礎訓練とともに、彼のこうした身体的特徴が70代半ばにして彼の超絶技巧を支えているのだと感じ入りました。

リッチは第2次大戦中の慰問演奏でのピアノが無いという環境により、数多くの無伴奏作品をレパートリーとしました。そして、1950年に英デッカに録音したパガニーニのカプリス全曲は史上初の無伴奏での全曲録音となりました。このLPは彼の名を世界に轟かせ、「リッチ=超絶技巧家」のイメージを植え付けましたが、こうしたイメージにより彼のドイツ系レパートリーが不当に低く評価されてきたのは残念なことです。

リッチの父は15歳の息子にドイツ系レパートリーを身につけさせるため、はじめベルリンのフリッツ・クライスラーに弟子入りさせることを考えました。世界的な演奏旅行で多忙だったクライスラーが、自分の代わりに推薦したのが当時ベルリン高等音楽院の教授を務めていたゲオルグ・クーレンカンプでした。こうしたことが1938年10月16日の駐独アメリカ大使とカール・シュルツ協会の共催によるベートーヴェンザールでのベルリン・デビュー・リサイタルに繋がり、ドイツ・エレクトローラ社への初のレコード録音へと繋がりました。

今回Rhine Classicsがリリースする新発見音源による6枚組には13曲の協奏曲が収録されていますが、そのうち6曲がドイツでの録音であることも、彼が戦前からドイツの聴衆に親しまれていたことを示しています。商業録音だけではうかがい知れないリッチの芸術や活動歴を知る上で、まことに貴重なBOX登場と言えるでしょう。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)

イタリア系アメリカ人の偉大なヴァイオリニスト、ルッジェーロ・リッチ(1918-2012)の協奏曲集。このセットは2018年のリッチ生誕100年を機に編集されたもので、新発見のマスターばかりからCD化されており、得意とするパガニーニから新作まで幅広い演奏がCD化されました。
(東武ランドシステム)

ルッジェーロ・リッチ(ヴァイオリン)
録音:1951~1978年 モノラル/ステレオ 430'57

CD1(69:52)
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53 (1880/82)
ハンス・ミュラー=クライ(指揮)シュトゥットガルト放送響
録音:1951年9月25日ヴィラ・ベルクSDRシュトゥットガルト(オリジナル・マスター)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77 (1878) (カデンツァ:ヨアヒム)
アンリ・ペンシス(指揮)ルクセンブルク放送管弦楽団 (Orchestre Pensis)
録音:1956年2月23日RTL、ルクセンブルク(オリジナル・マスター)

CD2 (78:51)
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 Op.6 (1816)
 トーマス・シッパーズ(指揮)ニューヨーク・フィル
 録音:1958年11月8日カーネギー・ホール、ライヴ(放送)
ヒナステラ:ヴァイオリン協奏曲 Op.30 (1963)
 レナード・バーンスタイン(指揮)ニューヨーク・フィル
 録音:1963年10月3日リンカーン・センター、世界初演ライヴ(放送)
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 (1931)
 ディーン・ディクソン(指揮)ヘッセン放送交響楽団
 録音:1965年2月23日HRゼンデザール、フランクフルト、ライヴ(放送)

CD3 (67:15)
カール・ゴルトマルク:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 Op.28 (1877)
 ヤン・クーツィール(指揮)ミュンヘン・フィル
 録音:1963年11月5日ヘラクルスザール(オリジナル・マスター)
エミール・ジャック=ダルクローズ (1865-1950):ヴァイオリン協奏曲第1番 ハ短調 Op.50 (1901)
 エルネスト・アンセルメ(指揮)スイス・ロマンド管弦楽団
 録音:1965年3月10日ヴィクトリア・ホール、ジュネーヴ、ライヴ(オリジナル・マスター)

CD4 (74:57)
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47 (1905)
 ハンス・スワロフスキー(指揮)ロサンジェルス・フィル
 録音:1965年6月13日ハリウッド・ボウル、ライヴ(オリジナル・マスター)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77 (1878) (カデンツァ:ヨアヒム)
 オイゲン・ヨッフム(指揮)ロサンジェルス・フィル
 録音:1967年6月13日ハリウッド・ボウル、ライヴ(オリジナル・マスター)

CD5 (64:57)
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調Op.6 (1816)
アンコール(ルッジェーロ・リッチによるアナウンス):ゴッド・セイヴ・ザ・キング
 ヘリベルト・エッサー(指揮)北西ドイツ・フィル
 録音:1975年1月14日デトモルト、ライヴ(オリジナル・マスター)
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第6番 ホ短調 Op.ph. (c.1815) (カデンツァ:リッチ)
秋山和慶(指揮)アメリカ交響楽団
録音:1977年10月9日カーネギー・ホール(オリジナル・マスター)
CD6 (75:05)
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ短調, M.S.60 (1829/30)(カデンツァ:リッチ)
 エルネスト・ブール(指揮)バーデン=バーデン南西ドイツ放送響
 録音:1974年2月12日SWFスタジオ, バーデン=バーデン(オリジナル・マスター)
グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.82 (1904)
 パウル・クレツキ(指揮)ベルン交響楽団
 録音:1965年3月12日カジノ、ベルン、ライヴ(放送)
カルロス・エンリケ・ヴェールホフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 Op.40 (1976)
 クリストバル・アルフテル(指揮)バイエルン放送交響楽団
 録音:1978年10月16日、ヘルクレス・ザール(放送)

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)

掲載: 2020年04月22日 00:00