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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.216

カサンドラ・ウィルソン&ジャッキー・テラソン『テネシー・ワルツ』(1997)

CJ

カサンドラ・ウィルソン(vo)
ジャッキー・テラソン(p, el-p)
ロニー・プラキシコ(b)
ケニー・デイヴィス(el-b)
ミノ・シネル(per)

曲目:
01.オールド・デヴィル・ムーン
02.チャンズ・ソング
03.テネシー・ワルツ
04.リトル・ボーイ・ロスト
05.枯葉
06.春の如く
07.マイ・シップ
08.アイ・リメンバー・ユー
09.二人でお茶を
10.イフ・エヴァー・ウッド・リーヴ・ユー
11.シカゴ 1987
12.カム・レイン・オア・カム・シャイン
13.メディーヴァル・ブルース

【アルバム紹介】
1.カサンドラ・ウィルソンとジャッキー・テラソンの共演作
2.異色なアレンジで聴かせるスタンダード楽曲をメインとしたアルバム
3.少しダークな雰囲気が漂う独特の世界観

90年代の名盤を特集、今回はディープなジャズ・ヴォーカルを聴かせるカサンドラ・ウィルソンとピアニストのジャッキー・テラソンの共演作になります。

カサンドラ・ウィルソンは90年代に入って、ブルーノートに移籍後、異才クレイグ・ストリートのプロデュースによるニュー・スタイルのジャズ・ヴォーカル・アルバムをリリースし、にわかに注目を浴びた存在でした。ジャッキー・テラソンは1993年にセロニアス・モンク・コンペティションのピアノ部門で優勝しデビュー、その後ブルーノートに移籍し、人気ピアニストとして名を馳せてゆきました。
本作はそんな2人による異色なアレンジで聴かせるスタンダード楽曲をメインとしたアルバムです。

編成はほとんどの曲でヴォーカル、ピアノ、ベース、パーカッションという形で聴かせますが、ヴォーカルのない演奏だけのトラックもあり、少しダークな雰囲気が漂う独特の世界観を作り上げています。
べースにはロニー・プラキシコ(02だけはケニー・デイヴィス)、パーカッションにミノ・シネルといった名手が揃い、奥深いサウンドを構築しています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
エレピが鈍く光り、ベースが地を這う異彩を放つ“テネシー・ワルツ”。

この曲はかつてパティ・ペイジが歌ってヒットしたカントリー調のバージョンが非常に有名ですが、ここでの解釈はどこかブルージーな印象さえ感じられる異彩を放つもの。エレクトリック・ピアノが鈍く光るように鳴り、ベースが地を這うようにボトムをキープ、パーカッションはさりげなくリズムを刻み、その上をけだるげなヴォーカルが名旋律を提示してゆきます。無駄な音は一切排し、必要最低限の音だけで演奏されているような感じです。
そういったアプローチは他の曲でも貫かれており、アルバム全体を通して伝わってくるのは、研ぎ澄まされた音使いと、空間を生かしたプレイによって、よく知られたスタンダード楽曲に新風を吹き込んでいるところです。
夜、一人で部屋の中で聴いていると、他に類をみない雰囲気をもったジャズ・ヴォーカル・アルバムであることが実感できるでしょう。

国内盤SHM-CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2023年02月17日 10:00