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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.278

カーティス・フラー『サウス・アメリカン・クッキン』(1961)

CF

カーティス・フラー(tb)
ズート・シムズ(ts)
トミー・フラナガン(p)
ジミー・メリット(b)
デイヴ・ベイリー(ds)

1961年8月23日 ニューヨークにて録音

曲目:
01.ハロー・ヤング・ラヴァーズ
02ベサメ・ムーチョ
03.ウィロー・ウィープ・フォー・ミー
04.ワン・ノート・サンバ
05.ウィー・ドット
06.枯葉

【アルバム紹介】
1.名トロンボーン・プレイヤー、カーティス・フラーの1961年のアルバム
2.ファットで丸みのあるトーンで吹くフレージングが魅力
3.メンバーはテナー・サックスにズート・シムズ、ピアノに名盤請負人ことトミー・フラナガンら

今回取り上げるのは前週に続き、名トロンボーン奏者です。ファットで丸みのあるトーンが魅力のカーティス・フラーのリーダー・アルバムです。

1932年にデトロイトで生まれたカーティス・フラーは幼少の頃に両親を亡くし、キリスト教系の孤児院で育ちました。最初はヴァイオリンに興味を示し、その後サックスを手にとりましたが、行きついた先はトロンボーンで、16歳の時でした。
1953年には朝鮮戦争で従軍し、そこでのバンドでアルト・サックスのキャノンボール・アダレイらと演奏しました。除隊後は同郷のサックス奏者ユゼフ・ラティーフのバンドに参加し、1957年にニューヨークに進出、プレスティッジやブルーノートといったレーベルにレコーディングするようになりました。

本作は南米のツアーから帰った1961年にレコーディングされた一作で、メンバーはテナー・サックスにズート・シムズ、ピアノに名盤請負人ことトミー・フラナガン、ベースにはこの当時アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズに在籍していたジミー・メリット、ドラムスには名手デイヴ・ベイリーが参加しています。
楽曲はスタンダードや当時としてはまだ珍しいボッサ、ラテン・チューンを取り上げており、多彩なナンバーで聴かせています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
朗々とプレイする“ハロー・ヤング・ラヴァーズ”。

前回ご紹介したJ.J.ジョンソンのアルバムも1曲目がこの“ハロー・ヤング・ラヴァーズ”で、本作も同じく1曲目にこの曲が収録されており、機会があれば聴き比べをしてみてもよいのでは、と思えます。また、本作のこの曲にはテナー・サックスのズート・シムズはお休みで入っておらず、ここでの演奏もワン・ホーン・カルテットの演奏になっていることと、ピアノがトミー・フラナガンであるのも同じです。
曲は、ちょっとハネぎみのリズムのイントロで始まり、やがてカーティス・フラーのトロンボーンのファットなトーンでテーマ・メロディが奏でられてゆきます。テーマの提示を終えると、快速なスイング・ビートにチェンジし、流れるようなフレージングを巧みに駆使したソロを展開してゆきます。やがてピアノのトミー・フラナガンへと引き継がれ、勢いを増してソロが進行します。テーマに回帰すると忠実にメロディを再現し、ラストはフェイド・アウトして終わってゆきます。
前週と今週2作続けてジャズ・トロンボーンの魅力を伝える名盤を紹介しましたが、同じ管楽器でもサックスやトランペットとは一味違った、この楽器ならではの独特のフレージングなど、一度聴くと他もいろいろ聴いてみたくなるようなそんな気がしてきます。

国内盤Blu-spec CD2

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2024年05月31日 10:00