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インタビュー

DJ OSHOW

元マイカデリックの凄腕DJがお届けする痛快娯楽ブレイクビーツ

  和服を着こなすB-BOY、DJ OSHOW。男子校生的な妄想をファンクへと変換せしめた異能ヒップホップ・グループ、マイカデリックの元メンバーであり、その超絶的なDJスキルを刻み込んだ数々のミックス・テープでも名を上げてきた男である。彼が、ソロ初となるフル・アルバム『ヴァイナル・パズル』を完成させた。揃えられたのは、あらゆるフロアを沸騰させるアッパーなキラー・チューンばかり。ヒップホップが持つサンプリング/カットアップ・ミュージックとしての面白さを、様々なBPMのブレイクビーツ上で愉快に展開した逸品だ。というわけで、取材場所にもしれっと着流しで現れたOSHOW氏だが……とりあえず、寒くないすか?

OSHOW 寒いです(笑)。でもこれしか持ってないので仕方ないんです。昔は普通にヒップホップの格好してたんですけど、ここ3年くらいで和服を着だしたら面白くなっちゃって。それまで持っていた洋服とかスニーカーは、みんな友達にあげちゃった。だから普段からこの格好です。まあ自然の成り行きですねえ。

――なるほど(笑)。その和服を着始めた頃という3年前、2004年にアナログ・シングル“BITZ BREAKS #001”をリリースしてますね。これがDJオショウとしての初作品でした。

OSHOW 2003年にマイカデリックが解散して、これからどうするかと考えた時、自分はDJだからまずアナログ盤を出したかったんですね。音のイメージはインスト主体のブレイクビーツ。12インチ・シングルを切っていって、行く行くはアルバムを出そうと。

――昨年末には4作目の12インチ“BITZ BREAKS #004”が発売になりました。こちらにはアルバムにも収録されている“踊ル皿”(正月の定番BGM“春の海”をサンプリングしたナンバー)が入ってますが、これってやっぱり発売のタイミングは……。

OSHOW 狙いましたね(笑)。クリスマスの山下達郎みたいに、正月といえばオショウってことになるのを願って。毎年、コンビ二とかスーパーでかかってくれれば本望です。

――この“踊ル皿”に顕著に表れている〈和〉な感覚っていうのが、今回のアルバム全体にも打ち出されてますよね。そこまで和にこだわるのは何故なんでしょう?

OSHOW 誰も使ってないネタで面白い曲を作りたいって気持ちがまずあるんです。それから、ヒップホップのクラブでかかる曲って、どうしても外国のものばかりになる。そういう状況の中で、日本的な音楽を表現してみたいという欲求が出てきたんですね。

――その一方で、今回のアルバムはインスト中心で、日本のラッパーは起用してないですね。

OSHOW 身内にいいラッパーもたくさんいるし、参加して欲しい気持ちはありました。ただ、和モノのトラックで日本人がラップするのは普通じゃないか、と。今回は従来の型を破るものが作りたかったんで、日本人は全て外して、ヴォーカルを入れるのであれば外国人という、新しいアプローチをしてみたんです。

――それで起用した外国人がM.O.P.とスムース・Bっていうのも、唐突に大物が出てきた感じでびっくりしました。組み合わせとしても不思議というか(笑)。

OSHOW ほんと、なんでだよ!っていう(笑)。スムース・Bさんは意外にも、昔からM.O.P.と友達だったらしいんですよ。で、今回はチャンスがあったから飛びついた。どちらも大先輩だし、そりゃ一緒にできるなんて願ってもないですから。

カテゴリ : ニューフェイズ

掲載: 2007年02月22日 15:00

更新: 2007年02月22日 21:30

文/澤田 大輔

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