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インタビュー

Substance

キラメキ・エモトロニカ!! 岡山から彗星の如く現れたミラクル次世代バンド

  胸キュン度120%のエモーショナルなメロディーと、デジタル+生演奏の絶妙なバランスで繰り出されるダンス・ビート。さらにはU.S.E.やダフト・パンク、Perfumeすらも彷彿させるオートチューンド・ヴォーカルがブレンドされたハイ・クオリティーなサウンドで話題騒然! 岡山が生んだ〈エモ+エレクトロニカ〉=エモトロニカ・バンド、SUBSTANCE。ダンス・ポップ好きを片っ端から瞬殺している彼らだが、ここまでどんな紆余曲折があったのだろうか。

 「いまのサウンドに辿り着いたのは、SUBSTANCE結成より結構前のことなんです。+/-やTHE MAD CAPSULE MARKETSなど打ち込みを駆使したバンドに憧れがあって、機材を一式揃えて宅録を始めました。その後、U.S.E.や、Q;indiviの“come baby”って曲を聴いて、よし、これだ! と方向性が固まった。当時はポップ・ソングでヴォーカルをケロらせている(変調している)アーティストは珍しかったから」(村上洋介、ヴォーカル&ギター:以下同)。

 こうして名曲を量産した村上が、同じバンドでギター・ロックのコピーをやっていた2人を誘って結成。ベースの太田慎吾はthe band apartやELLEGARDENなどの日本のロック、ドラムの金森涼はシックスペンス・ノン・ザ・リッチャーやリサ・ローブなどのポップスが好きだったそうだが、このバンドに入ったことをきっかけにダンス・ポップものを聴き始めた。ちなみに、彼らは影響を受けたアーティストとして最近のバンドの名前ばかりを挙げるが、そこから過去の先達まで遡って聴くことはあまりないとか。

 「基本的にはタイムリーな音楽しか聴きません。そこまで能動的に音楽を聴く方ではないので、世代が近い音楽の方が馴染みやすい」。

 この新世代な感覚。一時期はがっついた活動をするも、「かなり疲れたため、バンドに見合ったペースで活動しようと早々にドロップアウトした」というカジュアルなスタンスも今風だ。

  そして、数々のメジャーからのオファーを「事が大きくなり過ぎな感じで怖かった。あくまで趣味のスタンスで曲作りをしたいので」という理由で断り、敬愛するParaele Stripesの在籍する〈THISTIME RECORDS〉よりデビュー作『subsistence』を発表。本作には心地よく踊れるダンス・チューンが並ぶが、あくまでクラブ向けではなく、家聴き、もしくはドライブ用に作られたダンス・ポップだとか。

 「昨今のオシャレハウス・ブームに逆行するような、がっついた意味でのポップ・サウンドを目指しました。仮ミックスの段階でよく車で聴いてチェックしていたほどなので、ドライヴ・リスニングには思い入れがありますね」。

 そんな親しみやすい優等生的なキャラだけど、一筋縄ではいかない、ひねくれた音。そんな彼らのサウンドを、世間はエモトロニカ、または中田ヤスタカ・チルドレンと表現する。

 「エモトロニカという言葉は凄く的を射ていると思う。エレクトロニカというジャンルに入れられることは、ウィル・アイ・アムがヒップホップにカテゴライズされるくらい違和感がある。僕らはエモーショナル系メロディーの方が前面に出ていますし、シーケンスは全然エレクトロニカじゃないですからね。中田さんは、Q;indiviの田中ユウスケさんと同じくらい尊敬するコンポーザーです。こんな音楽があったらカッコいいのにな、と皆が思っていて、けどできなかったことをやってしまったところが凄い」。

 まさに時代との両想いで生まれた、これ以上ないベスト・タイミングでのデビュー。今後の快進撃が確実視されるが、最後までコメントは控えめだった。

 「次が出せるとしたら、現在の方向性も踏まえつつ、かなり違ったこともやりたい。結構飽きやすい方なので、やりたいことがコロコロ変わるんです。ちなみに、夢は夏フェスに出ること。僕らは楽器が相当下手なので、これはかなり無謀ですが、まあ、夢なんで(笑)」。

SUBSTANCE 『subsistence』
1. Downer(試聴する♪
2. Reboot(試聴する♪
3. Still Dreaming
4. Sin Spuare Triangle(試聴する♪
5. Jam The World
6. Harmony
7. Phonon Replica

カテゴリ : ニューフェイズ

掲載: 2007年12月06日 22:00

文/田家 大知