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インタビュー

knotlamp

リスナーの耳に突き刺さる〈即効性〉を孕んだメロディック・パンク・バンド

  昨年10月に発表したデビュー作『Blind Side』で突如インディー・チャートを席巻した4ピース・バンド、knotlamp。その興奮も冷めやらぬなか、前作よりわずか8ヶ月足らずでリリースされたセカンド・ミニ・アルバム『Ghost of the freedom』は、彼らの持ち味である美しいメロディーに彩られた一枚となった。

 「ロックをやろうとかパンクをやろうとか思ったことはなくて、とにかくいいメロディーを演ろう、いい歌を作ろうっていうことが根本にあって。〈いいな〉と思ったメロを歪んだ音でやってみた結果が、僕らの音なんです。生まれたメロをバンドで〈せーの、オイ!〉ってやったものが、CDになっただけ」。

 そう語るのは、バンドの楽曲すべてを手掛けるヴォーカル&ギターのKEIT。実に素っ気ないけど、つまりはそれだけ自分たちのメロディーに自信を持っているということだ。昨今のメロディック・パンク~エモの流れにある疾走感抜群のサウンドが特徴的な彼らだが、あくまでも軸はメロディーにアリ。2000年に福岡で結成されて以来、「歌謡曲から流行りの曲まで、なんでも」吸収し、養われた感性のままに生み出されてきた豊かなメロディーは、やがて前作がノン・プロモーションで驚異的なセールスを記録するという、リスナーの耳に突き刺さる〈即効性〉を孕むまでに成長した。

 「それ大事ですよね、〈即効性〉って。ある程度聴いてたら良くなってきた、っていうんじゃなくて、一発で〈いいな〉って思ってくれた人の数が、いまの状況に繋がってるんだと思うんですよ。誰かがやった手法でもいい。そういう意味での新しさには興味がないというか。それよりも、全曲に〈あ、この歌なんか残る〉みたいな要素がないと嫌なんで、今回もそれだけは心掛けましたね」。

  こうして生まれた本作『Ghost of the freedom』は、彼らが持つ即効性のあるメロディーと、それをより良く聴かせるバンド・サウンドという〈ごくシンプルな命題〉への取り組みを結晶化したものである。冒頭の“Innocent days”をはじめとした爽快なメロディーが走り抜けるファスト・チューンを中心に、金属的なギター・リフでザクザク切り込んでいく“Lost Anthology”など、さまざまな表情を見せる全8曲。また〈明日〉という言葉が多く登場する歌詞は、レコーディング中に突然思い浮かんだという“夜空”のような一見ダークな路線がありつつも、すべての楽曲に極めてポジティヴな雰囲気を与えている。

 「タイトルは〈自由の亡霊〉っていう意味なんですが、好きな仕事をしている人や、ある程度自分の状況に満足している人でも、自由だと思えることってあまりないと思うんですね。好きなことやってるのに、なんで自由を感じられないんだろう?って思う機会がけっこう多くて。それって目に見えない何かが邪魔しているとしか思えないから、〈自由のなかに亡霊がいるんだ〉と。だから、〈自由になれないけど葛藤しながら何かを掴もう〉っていう内容の曲が多いんです」。

 〈小さな希望の火(lamp)を繋いでいく(knot)〉という思いが込められたバンド、knotlamp。最後に、〈KEITにとってknotlampとは何か?〉という質問をしてみた。

 「空気ですね。吸わないと生きていけないし、溺れたときには吸っていることを思い出すし。自分にとっては絶対なくてはならないものですね」。

 息を吸っては吐くような自然体で、4人はこれからも良質なメロディーが染み込んだ楽曲を作り続けていくのだろう。そして我々はこれからも、そんな彼らのサウンドに心を奪われるのだ。

knotlamp 『Ghost of the freedom』
1. Innocent days(♪試聴する
2. Last Train(♪試聴する
3. What should I do?(♪試聴する
4. Flag(♪試聴する
5. Lost Anthology(♪試聴する
6. Perfect Holiday(♪試聴する
7. 夜空(♪試聴する
8. Across the sea(♪試聴する

▼その他のknotlampの作品を紹介

knotlamp Ghost of the freedom tour 2008
日時/会場:
6月30日(月) 広島Cave Be
7月1日(火) 愛媛・高松DIME
7月3日(木) 兵庫・神戸STARCLUB 
7月4日(金) 石川・金沢AZ HALL
7月7日(月) 東京・渋谷CHELSEA HOTEL
7月9日(水) 神奈川・横浜BAYSIS
7月11日(金) 新潟JUNKBOX
7月13日(日) 千葉・柏ZaX
7月14日(月) 東京・渋谷Shibuya O-Crest
7月16日(水) 宮城・仙台MACANA
7月21日(月) 愛知・名古屋CLUB UP SET
7月22日(火) 大阪Shangri-La
7月25日(金) 大分T.O.P.S
7月27日(日) 鹿児島SR HALL
8月1日(金) 福岡DRUM SON ~ツアーファイナル・ワンマン~

カテゴリ : ニューフェイズ

掲載: 2008年06月12日 18:00

更新: 2008年06月12日 18:01

文/澄川 龍一