スーパーノア(4)

珍妙に、4人のプレイがバシッと合う瞬間がある

――（笑）とりあえず、次回のライヴではがんばってみます……無理だと思いますけど（笑）。それはさておき、4人の集中力がすごく感じられるライヴだったと思います。4人同時にカタルシスを迎えている瞬間が手に取るようにわかるというか……で、そういうライヴ感もこのアルバムには封じ込められていると思うんです。

井戸「そうですね。録音の時も、ドラムを録って、ベースを録って、ほかは後から乗せて、っていうのではなくて、みんなで、メンバーの顔を見ながらダーン!ってやったんで」

田中「それを一発録り、って言うんじゃない（笑）?」

井戸「そう、一発録り（笑）。まあ、その空気感みたいなのは録音できたかなと思います」

――ライヴ感は、意図したことだったんですね?

井戸「そうですね。今回はなるべく音を足さずに、8本の手と足だけで奏でられる、ライヴでも再現できる音源にしようっていうコンセプトはありました」

――実際、このあいだのライヴのセットリストも今作の楽曲ばかりで固められてましたが、この7曲は、いまライヴでやっている曲のなかのベスト・セレクションみたいな感じですか?

井戸「そうですね。選曲自体は、昔からやってる曲も最近の曲も全部並べてみて、ライヴ感があって、自己紹介的な感じにもなるかなっていう曲をピックアップしてあるんで……（考え込む）」

―― ……〈ベストかな?〉ぐらい?　それとも〈ベストかも?〉ぐらい?　それとも……。

岩橋「いや、ベストです（笑）」

赤井「俺もベストだと思うけどね（笑）」

田中「さっき変拍子とか転調とかがさらりと入ってるって言ってくれはりましたけど、それはやっぱり、自分らのなかでも魅力やなって思うので、そういう要素が入ってる曲をあえて入れたりはしてますね」

――そして、今回が初の全国流通盤ですが、完成してみていかがですか?

岩橋「いやぁ、嬉しいですよ。これまでは、要領よく曲を作ってこなかったわけですよ。このアルバムも、クリックとかとは全然合ってないんですけど、なんか珍妙に（笑）、4人がバシッて合ったりする瞬間があって……いままで、いわゆる普通のバンドがやりそうな練習をあまりやってこなかったことが、味として出てたら……」

赤井「出てる、出てる（笑）」

岩橋「いいなと思うんですけど」

田中「野生的な、というかね（笑）」

赤井「珍妙っていうのは、まさに言葉の通りだと思う（笑）」

――それは、予測してないところでガッとひとつになる瞬間があるということ?

赤井「ああ、それです。そこを感じてもらえるのであれば、これは、なかなかすごいアルバムかなと。あと、その自分らが感じてるグッとくるポイントを、ライヴでお客さんにいかに伝えるかが、僕のなかでは課題であったりしますね。だからCDを聴くだけじゃなくて、ライヴにも来てもらいたいなあというのがあります」

井戸「うん、生でも聴いてほしいですね」

赤井「第一ボタンを確認しに来てほしいです。脇を湿らせて待ってます（笑）」