BUMP OF CHICKEN 『COSMONAUT』

バンプの新作が完成した。タイトルは『COSMONAUT』。またも傑作の誕生である。
勢いに満ち、新鮮なアイデアに溢れ、バンドとして大きく成長したことを物語る、非常に手応えのある出来だ。
これまでよりも、もっともっと＜音楽＞そのものに純粋に濃密に向き合った4人が、風通しのいい制作環境と、
これまでにないハイペースな創作スピードで作り上げた今作。
コンセプトや＜意味＞よりも、＜音楽＞そのものが活き活きと聴こえてくる大傑作である。

｢過去と対峙した時にその過去が、今を生きるためのキラキラした道しるべとして、フィードバックをくれた｣(藤原基央)

全員｢ありがとうございます!｣

―素晴らしいですね。ほんとに。

 藤原基央(Vo.&Gt.)｢ありがとうございます｣

 ―すごく風通しがいいし。一個一個の音がいきいきしてる。

直井由文(Ba.)｢毎日のようにスタジオ行って、録ってたのが、すっごい楽しくて。
バンプ･オブ･チキンが、曲がたくさんあって、それを次々と録っていくなんていうことは、
今まで一回もやったことないですからね。
俺はほんとに素晴らしいアルバムができたなとは思ってます｣

升 秀夫(Dr.)｢なんかこう、嬉しいですね。最初に会った時山崎さんが、
｢アルバム聴いたよ、良かったよ!｣みたいなのが、｢ああ、できたんだなあ｣という感じが
漸く実感として涌いてきて。なんか聴いてて、14曲も入っててヴォリュームあるんですけど、
そういう長さを感じさせないなという感じがしましたね｣

増川弘明(Gt.)｢シングルの曲も5曲入ってるじゃないですか。でもアルバムになって、
曲順に並んで聴くと違って聞こえるというか。たとえば“モーターサイクル”だったら、
すごくやさしく響いたりしてて。曲のもう一面がすごい出てるように感じるなというのが結構あって｣

藤原｢今まで、暗ぁいアルバムしか作ったことなかったんで(笑)、わりかし明るいんじゃないかと。
で、“HAPPY”とか、曲順を追っていって──やっぱだんだん暗くなってっちゃった。やっぱね(笑)。
良くも悪くもまあ、これが僕であり、僕らであり、っていうことなのかなと思うんですけど。
で、曲は、とりあえず推敲は二の次にしてどんどん書いていくみたいな感じで。
やっぱ勢いが出たと思います。俺は音楽を聴こうと思う人の力ってすごいと思いますから。
それと一緒に完成させるみたいな気持ちで。だから、なんかこう、そうですね、
一筆書きに近いような感じでバーッて書いて、もう一度見ることはあまりしなかった。
バーッて書いて放心状態で、バーッて歌って放心状態で家に帰る、みたいな感じで。
｢デモ･テープできたぁ!｣っつって。
音楽の持っている空気に引っ張られることとかがそうさせたんじゃないかなと｣

　―なぜ今回のタイミングで、これまでより以上に音楽に真っ直ぐに向き合えたんだろう?

藤原｢勝手に状況がそうなっていった感じだったので。
でも、それはご褒美だと思います。
行きたい方向にずっと行こうと、今までしてきたし。
それをずっとやってきて、そのご褒美だと思います。
あと、俺は他のメンバー3人のひとつひとつの行動が、そこに自分が一緒にいられたことが
すごくメモリアルなことに思えたりとかして。おまえのあの瞬間俺は見ていた、とか。
そういうのが全部、音符1個1個になってると思うんです。
良くも悪くも僕ら4人の時間の純度が高くて。
一緒に過ごした時間と、今一緒に過ごしてる時間の純度が高くて。
そのおかげで到達できる部分とか、そのおかげでなくさなかったものとか、得たものとか。
で、僕の場合は過去と対峙した時にその過去が、ほんとに今を生きるための、
キラキラした道しるべですよ。それはそれはもう、きれいなきれいな、そういうものとしてね、
僕らにフィードバックをくれたというかね。
だからそれはね、それはそれでいいことですけど、それはほんとにいいことなのかなと(笑)。
だってすごいパーソナルですから。
バンプ･オブ･チキンの中だけでの、濃厚なだし汁みたいな感じの(笑) 音楽だと思うので。
ま、それでいいかなと、今は。
僕らは今、ミュージシャンとして、もう……この上なく嬉しい瞬間を迎えようとしてます｣

直井｢うん、うん｣

　―でも、バンプ･オブ･チキンってそういう音楽集団だもんね。

藤原｢そうですね(笑)｣

―あなたたちそのものが、ぐつぐつ煮込んだり、サッと振りかけたりして、
いろんなやり方でスープみたいな音楽を作る人たちだよね。

藤原｢いやぁ、ほんとそうだと思います。だから、引く人は引くと思います(笑)｣

直井｢ほんとにこれはわかってもらえるのか、とかね?｣

藤原｢そうだね。もう我々の与り知るところではないと。
でも、今まで応援してくれている人たちっていうのは、
やっぱりそういう僕らをずっと見てくれてきた人たちだと思うから、
うん。そういう人たちと同じものをずっと見れてるんじゃないかなと思います｣

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SONG LIST

01.三ツ星カルテット
02.R.I.P.
03.ウェザーリポート
04.分別奮闘記
05.モーターサイクル
06.透明飛行船
07.魔法の料理 ～君から君へ～
08.HAPPY
09.66号線
10.セントエルモの火
11.angel fall
12.宇宙飛行士への手紙
13.イノセント
14.beautiful glider

■PROFILE…BUMP OF CHICKEN（バンプ･オブ･チキン）