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インタビュー

MONOBRIGHT 『ACME』

 

 

 

ヒダカトオル(元BEAT CRUSADERS)の正式加入(結婚!)という超電撃的な発表に続き届けられた
新作アルバム『ACME』。
5人体制となりこれまでとは違う鮮烈なバンド・サウンドを存分に響き渡らせた今作は、
まさに<新生>MONOBRIGHTの始まりを告げる大充実作だ。

 

「また何がバンドに起こるかわからないという楽しさに今は僕自身すごくワクワクしてますね」(桃野陽介)

 昨年秋のヒダカトオルの正式加入以降のMONOBRIGHTは、
まるで生まれ変わったように自由になったと言っていいだろう。
確かに、当初は意図が見えないところがあった。

 

桃野陽介(Vo.&Gt.&Key.)「正直言って、メンバーになってもらえるとは
思っていなかったんです。
最初はプロデューサーとしてニュー・アルバムを手がけてもらえればと思って
ヒダカさんに頼んだんですけど、でも、それじゃあ、つまらない、
プロデューサー仕事は他にもたくさんやってるからってことになって。
そしたら、いっそメンバーになろうってことになったんですよね。
僕らも全く考えていなかった展開でした」

 

 だが、そこから本格的なMONOBRIGHT改革は始まった。
去年から敢行しているMONOBRIGHTの改革プロジェクト<DO10!!>の
青写真にさえ含まれていなかったヒダカの加入は、バンドにそれまで以上に大きなメスを入れることとなった。
もっと遊べ、面白がれ! ヒダカは桃野たち4人の筋肉をほぐすかのように、まずはそのように<遊びのススメ>を
もたらしたという。

 

ヒダカトオル(Vo.&Gt.&Key.)「意識改革を進めるところからスタートしました。
僕としては桃野君たちが、もっともっと開いてほしいと思っていて。
持っているものはすごくいいのに、その出し方がまだうまく行ってない感じがして。
要は真面目なんですよね。もちろん真面目なのはいいんですけど、
もっと極端なことをやった方が面白い。やるならもっとやらなきゃね、みたいな風に言いました。
でも、すぐ彼らは理解してくれましたよ」

  

 

 

  とはいえ、ヒダカの加入はもちろん想定外の出来事。
加入してすぐさまとりかかったという新作に向けても彼らには具体的なアイデアなどなく、
スタジオでいきなり音を合わせていくような感じだったという。
だが、恐らく深い意味や狙いなど最初から何もなかったのだ。
というか、いちいち意味を持たせることを考えないナンセンスさを、ヒダカを正式メンバーとして迎えることで
彼らは図らずも体現したのではないかと思う。
その結果出来上がったのが5人組となって初となるニュー・アルバム『ACME』。
思い切り針を振り切ることの快感をここまで伝える作品も、おそらくMONOBRIGHT史上初めてだろう。

 

桃野「ダンス・ミュージックをキーワードにした作品というか、
僕にとっては身体が自然に動いて楽しめるような音楽は全部ダンス・ミュージックなんです。
そういう感覚を新作に落とし込みたかったというのはありますね。
そのためにヒダカさんから色んな音楽を聴かされたりもして、感覚を自由にしていったんです」

 

 

 

 

 

ダンス・ミュージックを一つのキーワードにしつつも、スタイルに縛られない、とことんアッパーでくだけた演奏。
開き直りスレスレの歌詞やあまりに赤裸々なテーマ設定。
それらに覆われた『ACME』は、桃野陽介たちが長年本音として求めていた突破の糸口を見つけた証のような作品でもある。
徹底的におバカになってみることでようやく見えてきた自由、解放、柔軟といった感覚。
それが、新メンバーでもあり、プロデューサー的、兄貴分的な存在でもあるヒダカによって
もたらされたところは少なくない。 

 

ヒダカ「例えば、パンクなら何が好き?って桃野君に聞いたら、バッド・レリジョンと答えるんですよ。
今時なかなかないでしょ、そんな感覚(笑)。で、却って新鮮でいいなと思って、
じゃあ、そういう感じで行こうよ、そういう曲を書いてきてよって言ってみたりね。
そういう思い切った遊び感覚でほとんどの曲が出来上がっていますね、今回のアルバムは」

 

昨年秋の前作『ADVENTURE』が、
実験的でトライアルな作り方を優先したあまり、全体的にやや重めのトーンで支配されていたのに対し、
今作はバンド名さながらにブライトでアッパーな一面がかなりわかりやすくデフォルメされた1枚でもある。
そして、それは、細かいことをあれこれ言わなくても気持ち良ければいいじゃん! といった
ヒダカ流の無責任スレスレ、でも的確なアドヴァイスが見事にハマった結果でもある。
もちろん、ヒダカがMONOBRIGHTをイメージして用意したという新曲もあるし、
今後は他のメンバーも積極的にソングライティングに参加していく可能性もあるという。

 

桃野「今までは僕ばかりが書いていたし、
それで成り立ってもいたんですけど、もう実際は松下も出口も瀧谷も曲が書けるんです。
そういうことをすることで、また何がバンドに起こるかわからないという楽しさに
今は僕自身すごくワクワクしてますね」

 

ヒダカ「ま、ここにきてやっと大人になったって感じだよね(笑)」

 

 

 

  ACMEとは<絶頂>という意味。多分にエロティシズムを含んだ言葉でもある。
新生…いや、真性MONOBRIGHTの歴史はまさにここから始まっていくに違いない。

 

■NEW ALBUM 『ACME』……5/11 on sale!

SONG LIST

01.淫ピーDANCE
02.DANCING BABE
03.NO CONTROL
04.宇宙のロック(淫ダストリアルver.) ※初回限定盤のみ収録
05.Timeless Melody
06.踊りませんか
07.Pet
08.夜明けのバル
09.スロウダイヴ
10.COME TOGETHER
11.miu
12.WONDER WORLD 

■LIVE… 

「ACMEを憐れむ歌2011」

6/05(日) 千葉 LIVE SPOT LOOK
6/07(火) 横浜 F.A.D YOKOHAMA
6/09(木) 姫路 BETA
6/10(金) 岡山 CRAZY MAMA 2nd Room
6/12(日) 福岡 DRUM SON
6/13(月) 広島 ナミキジャンクション
6/15(水) 京都 METRO
6/16(木) 金沢 vanvan V4
6/18(土) 水戸 LIGHT HOUSE
6/22(水) 札幌 BESSI HALL
6/24(金) 仙台 HOOK
6/30(木) 高松 DIME
7/02(土) 名古屋 CLUB UP SET
7/03(日) 沼津 WAVE
7/06(水) 心斎橋 CLUB QUATTRO
7/08(金) 東京 LIQUIDLOOM

「QUATTRO MIRAGE VOL.2 ~MORE ACTION, MORE HOPE.~」
5/24(火) 東京 渋谷QUATTRO

 

 

■PROFILE…MONOBRIGHT (モノブライト)

桃野陽介、松下省伍、出口博之、瀧谷翼の4人で活動スタートし、07年にデビュー。
昨年は3rdアルバム『ADVENTURE』をリリース。
その後新メンバー、ヒダカトオルを迎えた新生MONOBRIGHTとしては初となる新作アルバムをリリース!

 

   
記事内容:TOWER 2011/5/05号より掲載

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2011年05月09日 18:00

更新: 2011年05月10日 09:42

ソース: 2011/05/05

岡村詩野