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インタビュー

1966カルテット

オヤジ世代の夢を〈女子力〉で叶えてくれる第2弾!


名曲の真髄までも見事カヴァーした『ノルウェーの森 ~ザ・ビートルズ・クラシックス』で鮮烈なデビューを果たしてから一年。ビートルマニアも大注目していた彼女たち待望の第2弾は何とも予想外なクイーン楽曲集。

「私たちも驚きました(笑)。自分からは先ず手を出さなかった世界。タンクトップのフレディとか強烈で」(花井)

力強いロックでありながら抒情的旋律とジャンルを超えた多彩なサウンド、驚異のオペラ的ヴォーカルで全世界を虜にしたあのヒット曲の数々をクラシカルな4人の女子がたおやかに演奏。前作ではジョンとポールのヴォーカルを2台のヴァイオリンで巧みに表現していたが…

「今回はメロディ毎に誰に弾かせたいかを決めて分担して、弦の3人が順番に絡んでいくパターンで聴かせます。同じヴァイオリンでも性格が違うしそれぞれ個性が強いので、私の尖り過ぎた部分を花井さんがうまく吸い取って自分のものにしてくれる。彼女こんな清楚で可憐な佇まいながら仕事はしっかりするタイプです(笑)」(松浦)

「中音域を担当するヴィオラが居ない分、チェロが活躍しています。一方でビート感を出すために打楽器的な仕事も…《ウィ・ウィル・ロック・ユー》の〈ズン・ズン・チャ〉の部分とか《イニュエンドウ》のボレロとか。特にドラム的役割のピアノとはお互いに意識してユニゾンしながら、クイーンの骨太な世界を作り上げました」(林)

「《地獄へ道連れ》の松浦さんと林さんのデュオも聴き所です。彼女のヴァイオリンのロック色が際立って発揮されていて…私には無理。殻に閉じこもる演奏者が多い中、物怖じしない彼女の姿勢には学ぶ所が多いです」(花井)

バンド結成40周年、中心人物だったフレディ・マーキュリーの没後20周年という記念すべき今年。確かに、今なお熱狂的なファンに愛され続ける超個性的で完成度の高い名曲に新たな生命を吹き込みたい…と思うのは周りのスタッフを始めとするオヤジ世代の夢かもしれないが、その期待にしっかりと応えてくれる4人が頼もしい。

「クイーン初体験の私たちからみても、ひねりの利いた編曲で面白かったです。特にクラップの処理とか」(花井)

「でもやっぱり難しい所はありました。《愛という名の欲望》とか気を抜くと盆踊りっぽいノリで弾いてしまうし。《キラー・クイーン》も私の中にないリズムで…」(松浦)

今回も『QUEENⅡ』を意識したジャケット写真が楽しい。

「ファンの方の興味を店頭で惹いたら嬉しい」(花井)

さて、こうなると早くも次回作への期待が高まるが…

「今回、クラシックの演奏家として全力でぶつかってやり遂げた充実感でいっぱいです。私にとっては新しい扉を開いてくれて、予想外の発見もありました。次回もそんなアーティストや楽曲との出会いを期待したい」(林)

「来年はビートルズのデビュー50周年ですし…。でもまた別の4人組かもしれません。予測不可能(笑)」(松浦)

個人的には英国繋がりでケイト・ブッシュはいかが?

『「クイーン・クラシックス」発売記念コンサート』
2011年12/20(火)19:00開演 会場:王子ホール

http://www.t-artists.com/

掲載: 2011年10月20日 14:34

ソース: intoxicate vol.94(2011年10月10日)

interview & text : 東端哲也