こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

インタビュー

back number 『スーパースター』

backnumber-midashi

センチメンタル・ロックバンド<back number>のニュー・アルバム『スーパースター』は、
“はなびら”、“花束”、“思い出せなくなるその日まで”などのシングル曲はもちろんのこと、
名曲満載、新境地を開拓したナンバーも並ぶ超強力作だ。
この新作からは日常と対峙しながらも、理想へ向かって一歩踏み出している彼らの今の姿も見えてくる。

「何があっても、結局生きていくしかないわけで、それを超ポジティヴに表した
言葉が<スーパースター>なんですよ」(清水 依与吏)

1曲目の“はなびら”からラストの“幸せ”まで、いい歌だらけ。
back numberのニュー・アルバム『スーパースター』の魅力を説明するには
そんなストレートな表現がふさわしいのではないだろうか。
なぜなら彼らは、ひたすらいい音楽を追究し続けているロック・バンドだからだ。
<back number=せつない歌>というイメージを持っている人もいるかもしれない。
確かにせつなさは彼らの大きな魅力のひとつとなっている。が、
この作品を聴くと、実に多彩な歌の世界が広がっていることに気づくだろう。
ジーンとしたり、熱くなったり、考えさせられたり。
ヴォーカル&ギターの清水依与吏はこう語る。

  
清水依与吏(Vo.&Gt.)「名刺がわりのいいアルバムが出来ましたね。
パッと聴いた時に、すっと歌が入ってくる聴きやすい作品であると同時に、
聴きこんでいくと、その日の気分によって、いいと思う曲が違ってくるような
懐の深い作品になったんじゃないかと思います」


清水とベースの小島和也、ドラムの栗原寿というスリー・ピースによる
歌心あふれるバンド・サウンドも彼らの魅力のひとつ。
エモーショナルであることとエネルギッシュであることが両立している。


小島和也(Ba.)「自分の中で必要なプライドとそうじゃないプライドとが変わってきたんですよ。
こういうフレーズを弾きたいけど、歌の全体像のためには、こっちの方がいいでしょうっていう時には、
そっちを優先するように、プレイする意識も変わってきました」


栗原寿(Dr.)「ともかく1曲1曲、目の前にある曲に集中していくことを心がけました。
今までだったら、ここで満足していたかもしれないというところを越えて、
さらに考えてプレイするようになってきた。思いの詰まったいい作品になったと思います」


 アルバム先行シングル“思い出せなくなるその日まで”も様々な思いの詰まったナンバーだ。
せつないラヴ・ソングでありつつも、内省的な要素もある。今の彼らだからこそ作れた歌のひとつだろう。


back-main




清水「言いたいことはタイトルとアタマ2行なんですよ。
この世界はなんて理不尽なんでしょうって投げかけている歌でもあるんですが、
解釈は聴いた人が自由にしてもらえたらうれしいです」


アルバムのタイトル曲とも言えそうな“スーパースターになったら”は
哀愁が漂っていながらも、躍動感も備えていて、1曲の中に相反する要素が入っている曲。
バンドの表現力や構成力が光る。


栗原「スタジオで3人で練ってる時から気に入っていました。
妖しくて、ダンサブルで、ライヴでやったら盛り上がるだろうなって。
イメージが湧きやすかったので、それに沿って演奏しました」


歌詞もぐいぐい入ってくる。そしてじわじわ染みてくる。


清水「サウンドはより人に寄り添っているんですけど、歌詞はより自分の中の深いところを立ち返って、
掘り下げている気がしますね。かつての自分へのレクイエムみたいな歌。
手痛い失恋をして、時がたっても、グチっても、何をやっても、魂を沈められなかった自分が、
この曲を作ったことで、ようやく鎮魂出来た。このアルバムには今これを歌わないと、
やってられないという歌がたくさん入ってますね。今まで以上に日常が切り取られていると思います」


つまり、生まれるべくして生まれたという強い必然性を持った歌が並んでいる。
だから、強い説得力を持っているのだろう。
“こぼれ落ちて”、“ミスターパーフェクト”、“電車の窓から”など、人生観が染み出てくる曲も目立っている。
そしてアルバム・タイトルはこんないきさつからつけたのだという。



清水「なりたい自分になりたいという気持ちがより強くなってきた気がするんですよ。
何があっても、結局生きていくしかないわけじゃないですか。
そういうことを超ポジティヴに表した言葉が<スーパースター>なのかなと思ってます」


 アルバムタイトルは『スーパースター』だが、彼らは大風呂敷を広げるわけではない。
着実にそして真摯に音楽と向き合っている。


小島「手を抜いたら、その瞬間で終わりだと思うんですよ。なので常に全力で挑んでいきたいです」


清水「ともかくコツコツといい曲を作っていくしかないですよね。
自分達にとって大事だと思える曲を作って、その曲を聴いた人たちに大事にしてもらえるように
頑張っていくだけですよね」









■New ALBUM……『スーパースター』10/26 on sale!

■ SONG LIST…
01.はなびら 
02.スーパースターになったら
03.花束 
04.思い出せなくなるその日まで
05.あやしいひかり 
06.半透明人間
07.チェックのワンピース 
08.ミスターパーフェクト 
09.こぼれ落ちて 
10.リッツパーティー
11.電車の窓から 
12.幸せ

 

■ PROFILE…back number(バック・ナンバー)

04年、清水依与吏を中心に結成。11年4月メジャー・デビュー。
2ndシングル“花束”は全国のラジオパワープレイ、TV番組テーマを73局獲得し、話題となる。
11年、最も期待の心を揺さぶるバンド。

tower330-1-2mini   tower330-2-mini
記事内容:TOWER 2011/10/20号より掲載

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2011年10月20日 12:00

ソース: 2011/10/20

TEXT:長谷川 誠