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インタビュー

加羽沢美濃

デビュー15周年、改めて作曲家としてシーンに立つ!

4月からEテレで『N響アワー』の後継番組『ラララ♪クラシック』の司会を務め、話題に。

「お届けする音楽はコアなファンも納得の最高のパフォーマンスですしゲストも豪華ですが、リラックスした雰囲気でアーテイストの人間的な部分にも迫って、初心者の方にもクラシックに親しみを持ってもらえるような番組を目指します。共演の石田衣良さんにも大いに刺激を受けたいです」

最新作は作曲家として15年の集大成。オリジナル作品から選りすぐったベスト・アルバムだ。

「これまでずっと続けてこられたことに感謝しつつ、今は改めて初心に戻って、曲を書く歓びと意欲に満ちています。これを機会に少しでも多くの音楽ファンに〈作曲家〉としての自分を知ってもらい、作品を聴いてもらえたら嬉しい」

情感あふれるピアノ演奏で知られるが、アルバム『祈り』などで印象づけた、やさしさと壮大さとを併せ持つオーケストラ作品にも定評がある。また『飛べない鳥』からの曲は、ピアニストの田部京子やオーボエ奏者の宮本文昭ら、敬愛するソロ演奏家のために書き下ろした渾身の作品だ。

「私はピアノしか演奏できないけれど、他の楽器の素晴らしい演奏家たちとの出会いから曲を生むことができて幸せです。それに同じピアノでも、たとえば田部さんの演奏によって自分では思いもしなかったものが引き出されたり、違う存在感を持って表現してもらえた瞬間には興奮しますね」

《出口のない海 メインテーマ》や『四日間の奇跡』からの《最後の祈り》、《ツレがうつになりまして ~Epilogue》などの映画音楽。『楽園』からの《ラピシア》や『霧笛荘夜曲』の《港の見える部屋》など小説にインスパイアされて創作された楽曲といった、サントラものにも才能を発揮。

「映画のために曲を作るのは子どもの頃からの夢でした。矛盾しているかもしれませんが、画面と馴染んでそこに音楽があることをつい忘れてしまって、ああ今のシーン良かったなとだけ感じてもらえるようなサントラが理想ですね。また小説の場合だと映像がない分イメージが広がって楽しいです。主人公も自分の好みで設定できるし(笑)」

聴く者の心に深く刻まれる切なくも美しい旋律の数々。優れたメロディーメーカ―のひとりとして、今後の活躍に期待せずにはいられない。

「昨年の映画『指輪をはめたい』の主題歌みたいな歌ものの作曲ももっとやってみたい。歌手のプロデュースとかもできたら楽しそうですね」

LIVE INFORMATION

『高嶋ちさ子&加羽沢美濃 カジュアル・クラシックス with 松本蘭』
7/14(土)和寒町公民館 恵み野ホール
7/15(日)美深町文化会館COM100
7/17(火)湧別町文化センターさざ波
7/18(水)ゆめホール知床文化ホール(全て北海道)

『下加羽沢美濃 ピアノファンタジー  』
8/9(木)新十津川総合健康福祉センター
10/20(土)ティアラこうとう 小ホール

カテゴリ : インタヴュー

掲載: 2012年05月02日 12:58

ソース: intoxicate vol.97(2012年4月20日発行号)

取材・文 東端哲也