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インタビュー

ドレスコーズ “Trash”

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元毛皮のマリーズの首謀者、志磨遼平が結成した新バンド、ドレスコ―ズ。
今年の年明け早々不意にライヴハウスに一度現れた切り、以降の情報が途絶えていた彼らが、
4ピースのロックバンドに変貌し、デビューシングル“Trash”を突如発表した。
志磨があえて1/4のメンバーとしてのこだわりを持ちスタートさせた同バンド。
3曲3様な楽曲が詰まった今作を携え、ドレスコ―ズがレコーディングの山籠りからいよいよ下山する!!

「みんな<このバンドならではの自分>みたいなところを出したがっているし、
                            出そうとしている」(志磨遼平)

 毛皮のマリーズが正式に解散してからわずか10分後。とあるライヴハウスのカウントダウンライヴに
<ドレスコーズ>というバンドが現れた。志磨遼平をボーカル&ベースに有したその3ピースロックバンドは、
オリジナルを含む、数曲のカバー曲をプレイ。偶然居合わせた人々を驚かせた。
その後、一切の情報が途絶えていた彼らだったが、ここにきて4人組となって突如浮上。
デビューシングル“Trash”をリリースする。しかも、このドレスコ―ズはあえてバンドにこだわり、
あの志磨もメンバーのうちの1/4だと自負している次第だ。



志磨遼平(Vo.)「もし僕がソロで演るんだったら、(毛皮の)マリーズは解散させなかったと思うんです。
自分そのものだったし、自身の思い描いている音楽を表現するには、最適なグループでしたから。
だけど僕には、ある時から、もう一度バンドマジックやメンバーたちとの化学変化等を求めている部分が
現れて。それがどうしてもマリーズだと満足出来なかった。いつからか何か新しいことを
新しいメンバーと切磋琢磨しながら進めていく、そんな<新しいロックバンド>に憧れ始めたんです」


 
てっきりマリーズは、志磨がやりたい音楽を更に追求するために解散したと思っていただけに、
この答えには少々驚いた。


志磨「まずはドラムの菅(大智)さんに『ティン・パン・アレイ』再現ライヴで手伝ってもらった帰りに、
軽く話をしてみたんです。でも、その時は彼も冗談としか思ってなかったらしく (笑)。
次にギターの丸(丸山)に相談したんです。<僕と新しいロックンロールバンドを組まないか?>と。
それが去年、マリーズの最後のツアー中でした」


丸山康太(Gt.)「いきなり連絡があって驚きましたよ。
しかも、<一緒に凄いロックンロールバンドを演ろうよ>ですからね。もちろん即OKでした」


とは言え、そこから実際に動き出すまでは、冬まで待たなくてはならなかった。
そして揃ったメンバーは、ヴォーカル志磨、ギター丸山、そして、ドラムには菅大智、ベースに山中治雄の4人。
音楽性のバックボーンは各々違えど、世界観や価値観、趣味はかなり近いメンバーたちだった。


志磨「僕はこのバンドをそれこそ1から始めようと思っているんです。
この30年他人の話をキチンと聞いてこなかった僕も、このバンドでは他のメンバーの意見に左右されるし、
初めて教えを乞いながら進めてますからね (笑)」


丸山「かなり自分の思い通りに演らせてもらってます。
今はどんどん自分の持っているものを自由に出さしてもらっている感じかな」






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 そんな彼らが、レコーディングという山に籠り、試行錯誤、切磋琢磨を繰り返し、
今回のシングル“Trash”と共に下山してきた。このシングルは3曲入りにして3種3様。
彼らの音楽性の幅や可能性を無限大に感じさせる。


志磨「今では曲も沢山あるんで、あえて自分たちの全貌が分からないように色々な要素を
小出しにしてみました(笑)。いわゆる、<こんな感じのロックンロールバンドを演ろう>というよりは、
あれもこれも演りたいし、演れるバンドを目指してるんで。そこで自分も何が出来るか? 知りたいし。
かなり多様性のあるバンドですよ、このドレスコ―ズは」


M-1の“Trash”は、全国ロードショー映画「苦役列車」の主題歌。
サウンドはじわじわと明るく上昇感を擁し、暴発系のドラミング、ダウンピッキングによる疾走感のあるベース、
その上を奔放に泳ぎ回るギターも特徴の、シンプルな中のドラマティックさが印象的なロックンロールナンバーだ。



志磨「一つの指針になりえるデビュー曲だから(笑)、第一に<人に聴かせるとしたら>を考えて選びました。
このバンドへの想いや意気込みが全部入っていると言っても過言じゃない、眩しい曲」


丸山「最初だし、自分の今まで演ってきたことを全部出そうと思い、色々と考えながら演ってました。とは言え、
むちゃくちゃレコーディングではテンパっちゃって(笑)。その余裕の無さと、<やってやるゾ!!>との意気込みが混在しています」


他の2曲はがらりとタイプが違う。M-2“TANGO,JAJ”は、このバンドをイメージして一番最初に作られたナンバーで、
フランス語による囁くような歌い方と、フリージャズの要素も新鮮な60年代後半~70年代のヨーロピアンな感じが
印象的な楽曲だ。そして、M-3“パラードの犬”は、ディレイのフィードバックと深いエコーのかかったあえてボソッとした歌い方が特化したナンバー。ゆるいサイケ感やまどろみ感がたまらなく心地よい。


志磨「メンバー全員、今までのキャリアに関わらず、自分が今まで演ってこなかった、
<このバンドならではの自分>みたいなところを出したがっているし、出そうとしている。
ホント、未知数ですよ、このバンドは。今後どんな音が出てくるか分らない。というか、
そんなことさえどうでもよく楽しく演ってます(笑)」


多くのミュージシャンが最初にバンドを始めた時に放っていたであろう目の輝きと同じキラキラさを持って、
嬉しそうに語ってくれた志磨。今度は、この新人バンド、ドレスコ―ズがきっと、今作を聴いたあなたの目を
キラキラさせることだろう。そう、ロックンロールの魔法はまだ解けない。



■New Single……“Trash”7/11 on sale!

■SONG LIST

01.Trash(※映画「苦役列車」主題歌)

02.TANGO,JAJ

03.パラードの犬

■EVENT……

「LIVE BURGER SPECIAL」
9/5(水)Zepp Tokyo

「OTODAMA'11-'12 ~音泉魂~」

9/9(日)大阪・泉大津フェニックス

※詳細はHPにて。

■ PROFILE…ドレスコーズ

志磨遼平(Vo.)、丸山康太(Gt.)、菅大智(Dr.)、山中治雄(Ba.)からなるロックバンド。
7/14より全国ロードショーとなる映画「苦役列車」主題歌“Trash”を引っさげて日本の音楽シーンを荒らしまわる。



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記事内容:TOWER 2012/7/5号より掲載

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2012年07月05日 12:00

ソース: 2012/7/5

TEXT: 池田スカオ和宏(LUCK'A Inc.)