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インタビュー

シンドローン、マシーンドラム、Tスチュワート、セパルキュア……現在入手が容易なトラヴィス・スチュワートのアルバムを紹介!



MACHINEDRUM 『Now You Know』 Merck(2001)

この名義でのファースト・アルバム。フロリダの大学でエンジニアリングを学んだことからオウテカの強い影響下にあったマイアミ・シーンと繋がり、当時のスキマティック勢にも似たIDMヒップホップを鳴らした。当時の基準では過激に思えたが、いまなら精緻なメロウ・クリックホップという感じで心地良い。

 

MACHINEDRUM 『Half The Battle』 Merck(2002)

新曲と初作収録曲のリミックスをまとめた編集盤。レーベルメイトのプロエムやプロスウェル、憧れのワープからのブロッサムステイツなど、再脚光を浴びづらいエレクトロニカ期の要人がズラリと並び、アブストラクトな解体作業を披露している。シンドローンやTスチュワート名義でのセルフ・リミックスも。

 

MACHINEDRUM 『Urban Biology』 Merck(2002)

ラ・マノ・フリアのアートワークも含め、ベータ・ボデガっぽいバランスも見せるセカンド・アルバム。ウマー系のデトロイティッシュなヒップホップを中心に、モロにエイフェックス・ツインな奇天烈ドラムンベースや激インダストリアルなビートも繰り出してブチ切れていく様子がおもしろい。

 

SYNDRONE 『Salmataxia』 Merck(2004)

マシーンドラムより先に始動していたトラヴィス最初のエイリアスがこのドローン症候群。ロッテルダムのDUBからEPカットもされた初作『Triskaideka』(2000年)に続くこの2作目でも、マシーンドラムよりエクスペリメンタルな音のアートを展示。本来の音楽的素養を匂わせるメロディックな側面も。

 

MACHINEDRUM 『Want To 1 2?』 Normrex(2009)

本名義の純粋なオリジナル作としてはマークに残した『Bidnezz』(2004年)以来5年ぶり、NYのノームレックスから放った4作目。セオフィラス・ロンドンら多くのゲストを迎えた異例の作りで、ジェシー・ボイキンス3世とも初合体。奇矯なカットアップより整合性とアンビエンスが前に出ているのも特徴だ。

 

MACHINEDRUM 『Room(s)』 Planet Mu(2011)

ベース・ミュージックの盛況に乗り、いつになく日本でも話題となった転機の一作。テック・ダブステップな足回りや今様のシンセ意匠など、往時の作風とはまったく別方向の構成力が光る出来映え。ジュークの紹介者として新たな旬を迎えていたプラネット・ミューからの作品というのも意味があった。

 

SEPALCURE 『Sepalcure』 Hotflush(2011)

プラヴィーンと組んだコンビでのファースト・アルバム。レーベルのカラーも勘案してポスト・ダブステップの空気で全体を包み、ヴォイス・サンプルも多様しながらうっすらした歌心を敷き詰めている。ジュークの“Yuh Nuh See”など機械太鼓趣味も追求されつつ、全体のメランコリックな耳触りがよろしい。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年10月09日 18:00

更新: 2013年10月09日 18:00

ソース: bounce 359号(2013年9月25日発行)

ディスクガイド/轟ひろみ

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