KATY PERRY　 『プリズム』

全方向に光を放つ、ケイティ･ペリーのポップの魔法

　2013年7月末日、何の前触れもなく発表されたそのニュースの震源地はロサンゼルス。突如ビルの谷間に出現した金色の宣伝用大型トラックにデカデカと書かれた｢KATY PERRY･PRISM･2013･10･22｣というシンプルな言葉に、全世界のポップ･ミュージックに愛着を持つ人々の胸が一斉に踊った。そう、ケイティがニュー･アルバムと共に帰ってくる!!1枚のアルバムから5曲の全米ナンバー1シングルを送り出すという、あのマイケル･ジャクソン『バッド』と肩を並べる快挙を成し遂げた前作『ティーンエイジ･ドリーム』も、振り返ればもう3年も前の作品。その間、大成功を収めたワールド･ツアー、映画｢ケイティ･ペリーのパート･オブ･ミー3D｣公開など話題にも事欠かなかったため、その存在感が薄らぐ瞬間は皆無ではあった。だからなおのこと、トップ･オブ･スター＝ケイティの<次の一手>への注目度と期待は、この3年の間に途方もない大きさに膨れ上がっていたと言える。

　しかし結局、そんな常人には計り知れないプレッシャーの波も、ケイティ･ペリーという稀代のポップ･ヒロインの前にはなんの意味もなかった―その事実を証明するのが、この3rdアルバム『プリズム』なのだ。<吠えてやるわよ! だってわたしはチャンピオン>と思い切り元気に&清々しいほど強気に歌うシングル曲“Roar”を皮切りに、きらめきパーティ･チューン“Birthday”、ラッパーのジューシー･Jをフィーチャーした“Darkhorse”等色とりどりの極上ポップ･トラックをギュギュッと詰め込んだ本作は、さながらポップの宝石箱。3作目に至っても全く迷いを見せることなく自分の信じるポップ道を邁進するその勇姿に、ヒロインどころか<ヒーロー属性ポップ･プリンセス>と呼びたいほどのカッコ良さを感じるのは筆者だけではないはず。まさにプリズムのごとく乱反射し輝きを増したケイティの才能と魅力に、今また世界は進撃される!

■ALBUM『プリズム』　10/23 on sale!

 

掲載内容：2013/10/10号掲載