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インタビュー

櫻井哲夫



櫻井哲夫_A



全身全霊を込めた、渾身のジャコ・パストリアス・トリビュート

ジャコ・パストリアスを敬愛するジャパニーズ・トップ・ベーシスト、櫻井哲夫。彼がライフワークとしてストイックに取り組んできた“ JACOトリビュート・バンド” による待望のスタジオ・フル・アルバムがついにリリースされた。

「5年ほど前から毎年ジャコの命日(9月21日)に行なっていたトリビュート・ライヴがレギュラー・バンド化し、回数を重ねるうちにレパートリーも増えてきたんです。さらにクオリティー的にもそろそろ時期が熟したのではないかと考えていたところへ、タイミングよくレコード会社からの要望もあって実現しました。ジャコやウェザー・リポートのマニアであるメンバーに加えて、1曲ゲストとしてジャコとの共演経験もある渡辺香津美さんをお迎えした自信作です」

これまでにもソロ・アルバムや企画アルバムでジャコの曲を披露することはあったが、フル・アルバムという企画は彼にとって初めての試み。もちろん世界的にもあまり類を見ないことである。さらに単にジャコのプレイ・スタイルだけをとらえるのではなく、残された楽曲やジャコの精神に敬意を表するという点においても、誠に良質なアルバムに仕上がっている。

「ライヴでセッション的にやるのは譜面があればある程度は可能なんですが、それをアルバムという作品に仕上げるというのはたいへんな作業です。コンセプトをしっかりと持ってアレンジを決めなくてはなりません。また、自分のカラーを出し過ぎてジャコの本質が見えなくなる、というのは僕の本意ではないので避けました。彼の神懸かった楽曲を解析してそれぞれの素材をより身近なものとして新たに構築する、それが僕のジャコに対するトリビュートとしての接し方です」

では、それほどまで櫻井哲夫を魅了する、ジャコ・パストリアスの音楽の魅力とは?

「ジャコは全くそれまでになかった作品を創った、という点で次元の違う音楽家なんです。そしてじつは、たいへんな努力の人。彼の場合その努力を感じさせないほどの完成度で作品が眼前に提示されるので、天才という一言で語られてしまうことが多いのですが…」

それでは最後にこのアルバムの聴きどころをアピールしていただこう。

「アルバム1枚をとおして “櫻井哲夫JACOトリビュート・バンド” のライヴを再現したような構成になってます。バンドでアレンジした曲、僕一人でアレンジした曲、どちらにも細かいこだわりが随所にありますので、それを楽しむと同時にオリジナル楽曲の素晴らしさを再確認していただければこれに勝る喜びはありません」



LIVE INFORMATION


『櫻井哲夫 JACO トリビュートバンド『IT'S A JACO TIME』発売記念ライブ』

○12/11(火)17:30開場/1st show19:00開演 /2nd show21:00開演(入替無し)
会場:MotionBlue横浜
http://www.tetsuosakurai.com/



カテゴリ : インタヴュー

掲載: 2013年10月15日 10:00

ソース: intoxicate vol.106(2013年10月10日発行号)

interviw&text :近藤正義