こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

インタビュー

合言葉はゲット・フィジカル! フロアに飛び出したシンセ・ガールたち



新作においてリズム志向を深めたローレルだが、ここ数年、彼女と同じくチルウェイヴやシンセ・ポップの波に乗って登場した女性アクトにおいても、同様の傾向が頻発。LAヴァンパイアズらの100%シルクに代表されるインディー・ダンス勢を筆頭とした、世界的な80~90年代ダンス・ミュージック再評価のムードと呼応するように、よりフィジカルなグルーヴを追求するシンセ女子が急増している。

例えばUKのアイコニカはクラブ遊びにハマッていたらしく、最新作『Aerotropolis』はハウスからの影響が濃いものに。先行曲“Beach Mode”はまるで初期シカゴ・ハウスのようだ。同曲で美声を披露したカナダのジェシー・ランザも自身の初作において、アンビエントR&Bな雰囲気のなかにアシッド・ハウスの香りを忍ばせていた。同じカナダではケイティ・ステルマニス率いるアウストラもフロア寄りに傾き、デトロイト・テクノの重鎮ケヴィン・サンダーソンにリミックスを依頼したりも。

また、日本から世界に飛び立ったSapphire Slowsは、待望のオリジナル作『Allegoria』でアーリー90s風のバレアリックなダンス・トラックを展開しており、オーブを思い出してしまうこともしばしば。さらにオランダからはアナログ・シンセ女子のステラー・オーム・ソースが、ディープ・テック系のカシーム・モーゼの協力を得てデトロイティッシュな新作を発表。幻想的にシンセと戯れていた彼女たちも、いつまでも夢見る少女じゃいられないってことかも!?



▼関連盤を紹介。
左から、LAヴァンパイアズ&マリア・ミネルヴァの2012年作『Integration』(Not Not Fun)、アイコニカの2013年作『Aerotropolis』、ジェシー・ランザの2013年作『Pull My Hair Back』(共にHyperdub)、アウストラの2012年作『Olympia』(Domino)、ステラー・オム・ソースの2013年作『Joy One Mile』(RVNG)

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年11月25日 19:45

更新: 2013年11月25日 19:45

ソース: bounce 360号(2013年10月25日発行)

文/北野 創

記事ナビ