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インタビュー

スギテツ



スギテツ_A



東京フィルとのコラボで名曲をよりアカデミックに遊び倒す!

クラシック界のお笑い担当か、はたまた天才コンビか? 名曲の仰天マッシュアップで知られるスギテツがまもなく結成10周年で、過去の人気作品を名門・東京フィルと奏でた絢爛豪華な記念盤をリリースした。

「いつものピアノとヴァイオリンより桁外れの面白さ。特に冒頭の完全にベートーヴェンの《運命》が、《犬のおまわりさん》に変わる瞬間を聴いたときは自分で書いといて鳥肌が立ちました(笑)。2時間ドラマのテーマがてんこ盛りの《美しき青きドナウ河のさざなみ殺人事件》も作った時から頭の中ではオケがなっていたので大興奮です。しかも東京フィルの演奏で! 10年前は夢にも思わなかったですね」【杉浦哲郎】

ヴァイオリンの音色が演歌界の大物から往年の人気アイドルまで、ちょっと個性的な歌唱が特徴の面々の歌声に七変化する大爆笑の《扁桃腺上のアリア》。音階を邦楽の陰旋律に置き換えることで、ドイツの教会から京都の寺院にがらりと舞台を移す《仏よ、人の望みの喜びよ》や、ブラームスもびっくりのハンガリーならぬ《日本舞曲 第5番》など、ふざけているように見えて実はやっていることは結構アカデミック。

「今回は演奏面でも、大先輩に交じってオケのコンマスを務めたり、かなり真剣に挑みました」【岡田鉄平】

恒例の〈鉄ちゃん〉ネタとしては、新幹線車両の打ち出し板金技術(山下工業所)で作られたアルミ製ヴァイオリンを使用した《舞曲 いい日旅立ち》も必聴。

「弾くのにかなり工夫を要する楽器でしたが、新幹線開通50周年記念ということで頑張りました」【岡田】

以前東京フィルの定期でも披露したという、ウィリアムテルならぬ《序曲 暴れん坊将軍》ら、日本のお茶の間に根ざしたネタも多いが、オペラ・ユニット、LEGENDをゲストに迎えてプッチーニとシューベルトの名曲を絶妙にブレンドした《誰も寝てはならない子守歌》などは国際的にも十分通用すること間違いなし。

「元々僕の編曲で彼らの発案だったのですが、今回東京フィルの演奏で歌ってもらえるチャンスということで入れました。じっくり聴いて笑って欲しい。確かにYouTubeに上げて世界の反応が知りたい気も…」【杉浦】

3月まで記念ツアーも実施中。本アルバムの楽曲を、全国各地の学生オーケストラやブラスバンドと共演する好企画だ。

「事前に顧問の先生に楽譜をお渡しして練習してもらい、本番前には現地入りして直接指導します。楽屋でもずっと練習している姿に心打たれますね」【杉浦】

「練習はツライものですが、遊びのエッセンスを取り入れて、少しでも楽しんでもらえたらと…」【岡田】

音楽教育にも一役買うとは、まさにアカデミック!



LIVE INFORMATION


『〜クラシックで遊ぶ名曲選〜スギテツ10周年記念ツアー』
○12/21(土)埼玉・東邦音楽大学グランツザール
○2014/1/11(土)東京・渋谷区文化総合センター大和田さくらホール
○12(日)福岡・アクロス福岡イベントホール
○18(土)静岡・焼津市民文化センター
○19(日)静岡・沼津市民文化センター
○2/2(日)京都・京都府立文化芸術会館、他
http://www.sugitetsu.com



カテゴリ : インタヴュー

掲載: 2013年12月10日 10:00

ソース: intoxicate vol.107(2013年12月10日発行号)

interview&text:東端哲也