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インタビュー

RADWIMPS 『Xと○と罪と』

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2013年末に届いた、2013年を代表する大傑作。前作『絶体絶命』から2年9ヶ月。まさに<待望>と呼ぶにふさわしいRADWIMPSのニューアルバム『×と○と罪と』が完成した。新たな音楽の自由と比肩なきポピュラリティを獲得した4人が、ここにいる。

奇跡のバランスで実験性と、俺が歌いたいことと、この4人でやるべきことを具現化できた(野田洋次郎)

2013年末に届いた、2013年を代表する大傑である。RADWIMPSの7thアルバム『×と○と罪と』を前にしてあらためて痛感するのは、やはりこのバンドはとてつもなく音楽の力を信じているし、絶え間なく音楽のために生きて、音楽に生かされているということだ。このアルバムがたたえている生気は、ポピュラーミュージックの存在理由がリセットされた時代に、音楽の自由とロックの真価を示す。2011年3月9日にリリースされた『絶体絶命』はロックバンドとしてひとつの極限を突き詰めたアルバムだった。『絶対絶体』のリリース直後に発生した東日本大震災、筆舌に尽くしがたい葛藤を決意に変え、全身全霊で臨んだツアー『絶体延命』を経て、4人のメンバーは結束力を強固なものにした。野田洋次郎が一新した歌のあり方を希求したデモをもとにメンバーそれぞれがプロトゥールス上で音と戯れ、またタフな肉体性に満ちたアンサンブルを体現し、各曲に瑞々しい命を吹き込んだ。その結果、約24曲もの楽曲をレコーディングし、厳選された全15曲が『×と○と罪と』を形成している。

野田洋次郎(Vo.&Gt.)「奇跡のバランスで実験性と、俺が歌いたいことと、この4人でやるべきことを具現化できたという実感があります。なおかつ、ウチらはポップなフィールドで音楽をやっているから。そういうところにちゃんと届けられる、ホントに奇跡のバランスで成り立ったアルバムだと思うんですよね」

武田祐介(Ba.)「洋次郎のデモは、曲によって違うんですけど、まず歌があって、サウンドの軸になるようなギターやピアノやリズムが入ってるデモをもらうときもあったし、スタジオに入ってその場で弾き語りで聴かせてくれるものもあって。一貫して言えるのは、歌詞が頭から最後まであるものが多かったんですよね。歌が真ん中にあって、それに引っ張られて各曲のアレンジができていきました」

山口智史(Dr.)「デモの段階でどういう歌がよくわかったのは大きかった。いままでのドラム、ベース、ギターというバンドサウンドだけじゃなくて、オーケストラ的な音だったり、もしくは打ち込みらしい打ち込みだったりを入れてほしがっている曲の空気もあったので。それを感じながらプロトゥールス上でアレンジに参加しました」

桑原彰(Gt.)「いままでは自分もギターのことしか考えてなかったんですけど、今回からライブではそのまま再現できない音探しやアプローチにも踏み込んでいきました」



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 またひとつ究極のラブソングのあり方を示した“いえない”、世界の有り様を射抜くRAD流のヘヴィネスをさらに高い次元で響かせる“実況中継”、細やかにエディットされた多彩な音が自由な様相で交じり合い、フレッシュなポップネスを浮かび上がる“アイアンバイブル”―アルバムの核を担ったという冒頭の3曲から、鮮やかに更新されたRADWIMPS像に触れられる。さまざまなテーマと向き合った楽曲が連なっているが、ひとつの揺るぎない全体像を形成しているのは、市井の民である音楽家として腐敗した世界に別れを告げ、未来を生きる世代に光明を差し込もうとする洋次郎の意志だ。それは、洋次郎曰く「自分が抱えている罪と誰かが抱えている罪、その所在を一つひとつ明らかにして、×と○をつけていきたい」という思いを込めて冠した本作のタイトルにも直結する。

野田「自分が未来に対して、次の世代に対して、その鎖のつながりに対して、ここまでいろんな欲望を持ってるんだってわかったことがすごく新鮮だった。いまは2011年3月9日に『絶体絶命』というアルバムを出して、その次のアルバムはこうなるべきだったんだって思います。俺ね、歌詞はいままでビビって書いてたの。言葉を使う恐ろしさとか、誤解を生む悲しさとか、だけど伝えたい思いがあるという強さとか。どっかで萎縮しながら言葉を使ってきたし、それほど言葉を大事に使いたいと思っていて。でも、その負の側面もあるな、ゴミ箱に捨てた言葉たちがたくさんあるなって思って。いまはそれをもうちょっとフラットに、俺から出てきた言葉は俺の言葉なんだって思えるようになったんだよね。だから、これだけ音楽として開いているし、メンバーと一緒に自由な無敵感を獲得できたんだなって思います」

 さあ、存分に体感してほしい。新たな地平に立ったRADWIMPSを。

 

■Album…『Xと○と罪と』 12/11 on sale!

■Songlist
01.いえない
02.実況中継
03.アイアンバイブル
04.リユニオン
05.DARMA GRAND PRIX
06.五月の蝿
07.最後の晩餐
08.夕霧
09.ブレス
10.パーフェクトベイビー
11.ドリーマーズ・ハイ
12.会心の一撃
13.Tummy
14.ラストバージン
15.針と棘

■Profile…RADWIMPS(ラッドウインプス)

メンバーはVocal & Guitar 野田洋次郎、Guitar & Chorus 桑原彰、Bass & Chorus  武田祐介、Drums & Chorus 山口智史 2年9か月ぶりとなるアルバム『×と○と罪と』をリリース。


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掲載内容:tower+ 2013/12/10&1/10合併号より掲載

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2013年12月10日 00:00

ソース: 2013/12/10&2014/1/10合併号

三宅正一(ONBU)