中川翔子 『さかさま世界／Once Upon a Time -キボウノウタ-』

自分の歌をもっと知ってほしい──その一心で駆け抜けた2013年を締め括るニュー・シングル!

映画「ドラゴンボール〜神と神〜」に声優として出演し、東京・中野ブロードウェイにBEAMSとのコラボ・ショップ〈mmts（マミタス）〉を出店。さらには憧れのジャッキー・チェンとCMで共演するなど、多様な分野で存在感を示してきた2013年の中川翔子。しかし、彼女自身のなかでは〈あくまでも音楽が主軸〉という思いがあるという。

「どの活動も必要だし、楽しくやらせていただいてるんですが、〈中川翔子＝歌〉って思ってくれる人はまだまだ少ないし、自分の歌をもっと知ってほしいっていう気持ちが強いんですよね。今年、夏フェス（〈ROCK IN JAPAN〉〈AOMORI ROCK FESTIVAL〜夏の魔物〜〉）に出させてもらったのも、〈歌を届けるため、アウェイなところにも果敢に挑戦しようプロジェクト〉の一環なんです。最初は怖かったですけど、皆さん凄く盛り上がってくれて。本当に嬉しかったですね」。

そして新たなシングル『さかさま世界／Once Upon a Time -キボウノウタ-』にも、彼女の音楽にかける思いが強く反映されている。〈サガ〉〈聖剣伝説〉シリーズなど多くのゲーム音楽を手掛けた伊藤賢治の作曲による“さかさま世界”は、昂揚感溢れるロック・サウンドと〈何度でも つぎの奇跡へ〉という前向きな言葉がひとつになったアッパー・チューンだ。

「この曲は（ニンテンドー3DSの）〈パズドラZ〉の主題歌なんですが、レコーディングの時にスタッフの方がオープニング映像を持ってきてくれて、すごく感動したんですよ。その映像から疾走感、探究心、ロマンがウワッと飛び込んできて……。その後で歌ったら、声がいままでとは違ったんです。すごくボーイッシュな感じになったし、歌っててもすごく気持ち良くて。リリース前からコンサートでも歌ってるし、自分の細胞のひとつになってる感じですね」。

2曲目の“Once Upon a Time -キボウノウタ-”は3拍子のリズムと切ないメロディーが印象的なバラード。この曲を彼女は〈憧れのシャンソン歌手への第一歩〉と捉えているという。

「小さい頃、祖母にシャンソン・バーに連れて行ってもらってたから、いまも歌詞が頭のなかに残ってるんです。〈愛の讃歌〉をカッコ良く歌える熟女になるためには、もっともっといろんな経験をしなくちゃいけないと思うんですが、この曲はその最初の一歩になるんじゃないかなって。〈愛してる〉という歌詞を歌うのも初めてです。難易度は高いけど、ずっと向き合っていきたい曲ですね」。

加えてDECO*27製のガーリーな“Satellite Girl”も収録。

「ポップで現代的なDECO*27さんらしい曲。片思いの気持ちが抑えきれなくて涙目になっちゃう（曲の主人公の）女の子も可愛くて、こういう曲は大好物ですね」。

「自分は歌に助けられている」という彼女。今年と同様、来年以降も音楽中心の活動をしていきたいと、最後にこう語った。

「アニメソングも歌いたいし、ライヴ映えする曲も増やしたいし、新しいアルバムも作りたくて。もう〈レベル28〉（28歳）なので焦ることもあるんですけど、やりたいことをひとつひとつ形にしていきたいですね」。