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インタビュー

ファンキー加藤『ONE』

 tower+_0910

[ interview ]


ファンキー加藤のファースト・アルバムは、その名も『ONE』。FUNKY MONKEY BABYSからひとりになり、ソロ1枚目を完成させた男の新たな旅立ち。
それは過去の自分を否定することなく、よりパーソナルな歌詞とよりバラエティ豊かなサウンドに挑戦する、ひとりの男の嘘のない生きざまを映した
みずみずしい作品になった。

聴いてもらえればきっとそこに希望が灯る、そういう1枚になっていると思います。



東京ドームに2日間で10万人を集めたライブを最後に、FUNKY MONKEY BABYSが解散したのは昨年6月2日。あれから1年3か月が過ぎた今、9月3日にファンキー加藤の1stアルバム『ONE』がリリースされた。解散直後は精神的に不安的な時期が続き、ファンモンの存在を自ら否定したこともあったという彼が、いかにしてソロの道を歩み始め、歌い続けることを決意したのか。ここに収められた13曲は、約1年間の葛藤と成長をすべて注ぎ込んだ、ファンキー加藤の再生のドキュメントだ。





「何か新しいことをやらなきゃいけないという気持ちにとらわれすぎて、自分を見失っていたんです。そこから抜け出すひとつのきっかけとしては、ファンモンの東京ドームのDVDを見たのが大きかったかもしれない。全部を見るのはまだ、自分でも消化しきれなかったんですけど、少しだけ見た時に、<ああ、ファンモンの曲、好きだな>と。<無理矢理自分のスタイル変えなくていいかな>と思いました。自分がやりたかったのはこれだし、今もやりたいのはこれなんだから。そこで無理に新しいことを追いかけるのはやめて、ありのままの姿を見せようというところから、“My VOICE”が生まれたんです」

『ONE』には、デビューシングル“My VOICE”をはじめ、“輝け”、“太陽”と3枚のシングルを収録。曲を聴いてゆくだけで、ファンキー加藤がやりたいこと、やるべきことを見定めて、力強く前進してゆく姿が鮮やかに目の前に浮かび上がってくる。

「“輝け”は、“My VOICE”を生み出すための本当に苦しかった日々を経て、インストア・ライブツアーでお客さんと再会し、本来の自分を取り戻せた時に生まれてきた楽曲です。“太陽”は、TVドラマ(「ST赤と白の捜査ファイル」)のあらすじを聞いた時に、ふと浮かんだ<君を守りたい>という言葉から作っていった曲ですけど、サビの部分ではファンのみなさんに向けて歌ってます。僕が守りたい存在だと思わせてくれるのは、間違いなくファンのみなさんなので。“終わらない未来”は、漠然といろんな人たちへの応援歌のつもりで作り始めたんですけど、気がついたら<これは自分に向けてるな>と。大丈夫、まだ何も終わってないよ、いつだって今がすべての始まりなんだ…というのは、去年の自分に向けた言葉ですね。どれも“My VOICE”の延長線上にある、パーソナルな歌ばかりだと思います」

その一方で、ファンモン時代にはなかったタイプの楽曲もある。<愛>をテーマにして詞を先に書き上げた“愛の言葉”、一対一のラブソングを超えて広い世界へと目を向けた“僕らの詩”、ひねりの効いたストーリー運びに引き込まれる“もっと勉強しておけばよかった”などの曲では、言葉を伝えるアーティスト、ファンキー加藤の個性がよりはっきりと見えてくる。





「“愛の言葉”は、小説を書くような感じでした。いつも歌詞を書きに行くカフェで、たまたま近くにいたカップルを見ながら、この曲が、この人たちの人生にうまく寄り添うにはどうしたらいいかな?とか考えながら。“僕らの詩”は、今まであまりなかった世界観で、世界を大きな視点でとらえています。僕と君というだけじゃなく、世界というものを歌ってもいいんだと、気づかせてくれた1曲ですね。“もっと勉強しておけばよかった”は、この曲に対してファンの人がどういう形でリアクションするかが今後のファンキー加藤を大きく左右する、それぐらい大事な曲です。起承転結の物語がちゃんとあって、最後の一行ですべてをひっくり返す。計算された面白さに挑戦した、自信作です」

ほかにも、ファンモン時代の“アワービート”、“Say!Joy!”に続く明るいシモネタ系ダンスナンバー“Good Show”、ライブでタオルを振り回して騒ぐために書いたというハッピーなスカ・チューン“まわせ!”、しっとりと叙情的なスローナンバー“桜 ふわり ふわり”など、歌詞もサウンドも個性的でカラフルな13曲。FUNKY MONKEY BABYSの持っていたスピリットとサウンドを受け継ぎつつ、よりパーソナルな深みを増したこのアルバムから、ソロ・アーティスト、ファンキー加藤の終わりなき旅は始まる。

「純度100%のファンキー加藤の分身なので、愛着ということで言えば、どうしようもなく愛おしい存在です。ファンキー加藤にしかできない新しさもあり、ファンモンを経てきたからこそできた楽曲もある。聴いてもらえればきっとそこに希望が灯る、そういう1枚になっていると思います」

■Album…『ONE』now on sale!!

01.リスタート

02.輝け

03.終わらない未来

04.太陽

05.My VOICE

06.まわせ!

07.愛の言葉

08.僕らの詩

09.CHANGE

10.Good Show

11.もっと勉強しておけばよかった

12.桜 ふわり ふわり

13.FLY


特典DVD(初回限定盤 A)

・ドキュメンタリー映画「ファンキー加藤My VOICE ~ファンモンから新たな未来へ~」完全収録


特典DVD(初回限定盤 B)

・“My VOICE”“輝け”“太陽”VIDEO CLIP

・ライブダイジェスト映像収録(7月9日開催FIRST FUNKY FES 2014 決起集会@赤坂BLITZ)

 

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記事内容:TOWER+ 2014/9/10号より掲載

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2014年09月09日 00:00

ソース: 2014/09/09

TEXT:宮本英夫