【追悼】ヴァイオリニスト 佐藤陽子さん 72歳 声楽家、エッセイストとしても活躍
13歳の佐藤陽子さんが作曲者の指揮で弾くハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲
レオニード・コーガン、ヨーゼフ・シゲティという二人の大家に師事した世界的ヴァイオリニストで、マリア・カラスに師事した声楽家、世界的演奏家ならではの体験を綴ったエッセイストとしても活躍した佐藤陽子さんが2022年7月19日、肝臓がんのため亡くなりました。72歳でした。謹んでご冥福をお祈りいたします。
佐藤陽子さんは1949年10月14日、福島県生まれ。3歳からヴァイオリンを始め、1958年に来日したレオニード・コーガンに認められ、特例でモスクワ国立音楽院に留学(その後首席卒業)。在学中の1966年にはチャイコフスキー国際コンクール第3位、1969年にロン=ティボー国際コンクール第3位、1972年にはパガニーニ国際コンクールで第2位を獲得するなど、ヴァイオリニストとして活躍しました。また、晩年の大ヴァイオリニスト、ヨーゼフ・シゲティに師事し、その後はマリア・カラスに師事してオペラ歌手としても活躍。こうした特別な体験を綴ったエッセイ本を次々に発表するなど、その華やかなスター性はクラシックの枠を遥かに超えていました。その後、1980年に芸術家の池田満寿夫さんのパートナーとなり、熱海市で長く暮らしていました。
彼女の録音はLP時代の東芝EMIにヴァイオリン(ツィゴイネルワイゼン TA72014【LP】廃盤→TOCE8392【CD】廃盤)と声楽(ロシアの愛を歌う TA60074【LP】廃盤)が1枚ずつあり、その後キング・レコードにヴァイオリンを2枚(SKR1084、SET5122【LP】廃盤→ラ・フォリア(幻の名演集)KKC31【CD】現役盤)録音しました。その後、トリオ・レコードに3枚のLPを録音(サンライズ、冬の妖精、なつかしい土地の思い出)しましたが、こちらはCD化されたことが無いようです。
CD時代の2003年に、1974年ライヴ録音のチャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲が放送音源から初復刻され、大きな話題となりました(斎藤秀雄指揮 新日本so共演、TFMC0003【CD】現役盤)。その後、2019年にはLP化もされています(TFMCLP1057【LP】現役盤)。
ここでは現役盤のCD2点と、LP1枚をご紹介いたします。
(タワーレコ―ド 商品本部 板倉重雄)
CD
LPレコード
カテゴリ : Classical
掲載: 2022年08月01日 12:00