【追悼】ピアニスト、指揮者 ラルス・フォークトさん 51歳
ドイツのピアニストで指揮者のラルス・フォークトさんが、2022年9月5日(月)午後、自宅で家族に見守られながらに51歳で亡くなりました。フォークトさんは2021年初頭、喉と肝臓に腫瘍が見つかり、癌と診断され、治療をしながら演奏活動を続けていました。来月来日し新日本フィルハーモニー交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢と共演予定でした。
フォークトさんは1970年9月8日、ドイツ中西部のデューレン生まれ。ハノーファー音楽演劇大学で名教師カール=ハインツ・ケマーリング(1930~2012)に師事。1990年のリーズ国際ピアノ・コンクールで第2位を受賞しましたが、審査員のサイモン・ラトルが彼の第1位を主張したことで話題を呼びました。以後、欧米やアジア各地で、主要オーケストラとの共演ほか、ソロや室内楽の活動を展開。特にベルリン・フィルとは親密な関係にあり、2003/04年シーズンには、同楽団初のレジデント・ピアニストに任命されました。
室内楽にも熱心で、1998年6月には自身の室内楽フェスティバル「シュパヌンゲン」を設立。創設以来、芸術監督を務め、ケルン近郊のハイムバッハにある旧水力発電所を会場に毎年開催されるコンサート・シリーズをプロデュースしました。
2014年5月、ラース・フォクトは北東イングランドのロイヤル・ノーザン・シンフォニアから次期音楽監督として発表され、2015年9月から就任。5年間の在任期間中に成功を収め、2020年から2022年に亡くなるまで、首席芸術パートナーとして留任しました。2020/21年シーズンからパリ室内管弦楽団の音楽監督に就任。契約は当初3年の予定でしたが、オーケストラは2021年12月にフォークトさんの任期を延長し、2025年6月まで在任することを発表したばかりでした。
ここに謹んで哀悼の意を表し、ご冥福を心からお祈り申し上げます。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)
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名指揮者との共演
弾き振り
伴奏指揮
独奏者
室内楽奏者
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