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【追悼】ピアニスト アンドレ・ワッツ 77歳

アンドレ・ワッツ

2023年7月12日、アメリカの名ピアニスト、エイブリー・フィッシャー賞、米国民芸術勲章受章者のアンドレ・ワッツ(1946~2023)ががんのため77歳で亡くなりました。

1963年1月15日、16歳のワッツは、レナード・バーンスタインによる米CBSのTV番組「ヤング・ピープルズ・コンサート」に出演し、リストのピアノ協奏曲第1番を弾いて全米の音楽ファンを魅了しました。その2週間後の1月31日、グールドがキャンセルしたニューヨーク・フィルハーモニックの定期に起用され、同じリストの第1番を弾いて大成功を収め、国際的キャリアへの道が開けました。

ワッツは2018年のインタビューで、バーンスタインとの出会いについて語っています。
「私はいつもみんなに言うんだ。バーンスタインはキャリアを積んだ大皿を持ってやってきて、『おい、小僧、これが欲しいんだろ、お前のものだ』と言ったんだ」。

20歳で初めてのワールド・ツアーをおこない、1974年には初来日。1976年にはTV番組「ライヴ・フロム・リンカーンセンター」に出演、ソロ・リサイタル全曲が生中継された初のピアニストとなりました。若くして華やかなスポットライトを浴びたワッツですが、そのことを強く自覚していたため、多忙な演奏活動の合間を縫ってピーボディ音楽院でレオン・フライシャーに師事しました。

「最初になりたかったのは作家でしたが、どういうわけかうまくいきませんでした。私は物語を語りたかった。だから今は、コンサートをするピアニストとして、音楽を通してピアノで物語を語ることに専念しています」。

彼は1988年、アメリカのクラシック音楽家にとって最高の栄誉であるエイブリー・フィッシャー賞を受賞。イェール大学からは最年少の26歳で名誉博士号を授与されました。2004年にはインディアナ大学ジェイコブズ音楽院の教授となり、2011年にはバラク・オバマ大統領から国民芸術勲章を授与され、2014年にはアメリカン・クラシック音楽の殿堂入りを果たしました。

ここに謹んで哀悼の意を表し、ご冥福を心からお祈り申し上げます。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)

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カテゴリ : Classical

掲載: 2023年07月14日 18:00