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「名作コンシェルジュ」掲載!カール・ベーム指揮 ベルク:歌劇“ヴォツェック”

ヴォツェック

2023年10月8日(日)日経日曜版「名作コンシェルジュ」に掲載されました
都市貧困層の悲劇を描く 真面目な人が壊れる怖さ(鈴木淳史氏評)

20世紀の最も重要なオペラとして世界中の歌劇場のレパートリーに定着しているベルク作曲の“ヴォツェック”。1965年にステレオ録音されたカール・ベーム指揮ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団によるこのオペラの古典的名盤が2023年10月8日(日)日経日曜版の鈴木淳史氏による名物コラム「名作コンシェルジュ」で紹介されました。

鈴木氏は“ヴォツェック”のストーリーを「(上司に)精神的に追い詰められていく兵士のヴォツェック」が「内縁の妻が他の軍人と情を通じ合っていることを知り、彼女を殺してしまう」と紹介し、「ブラック社会に生きる貧困層が起こした犯罪」「ベルクの音楽と絡まって異常なまでにハードかつリアルに迫ってくる」と解説。ベームとベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団による録音は「後期ロマン派を思わせるふくよかなサウンドを保ったまま、スコアの複雑な音をすべて鳴らし切ろうという意図もうかがえる」とし、主役のヴォツェックを歌うフィッシャー=ディースカウも「声が真面目すぎて役に合わぬという指摘も」あるものの、「都市に住む中年男性による精神の危機」「真面目な人ほど、壊れると怖い」と描いた点で「最良のヴォツェックともいえるのではないか」と評価しています。そして「ヴォツェックをいじめぬく上司、大尉を歌うシュトルツェが絶品」とし、「フィッシャー=ディースカウの真面目な声に対し、ここまで不真面目の声の持ち主はいないというほどの対称性。その技巧性、多彩な表情の変化」が「この盤の大きなアドバンテージにもなっている」と結んでいます。
(タワーレコード 商品統括部 板倉重雄)

【曲目】
ベルク:歌劇《ヴォツェック》 [SHM-CD]
【演奏】
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン:ヴォツェック)
ヘルムート・メルヒェルト(テノール:鼓手長)
フリッツ・ヴンダーリヒ(テノール:アンドレス)
ゲルハルト・シュトルツ(テノール:大尉)
カール・クリスティアン・コーン(バス:医者)
クルト・ベーメ(バス:第1の徒弟職人)
ロベルト・コフマーネ(バリトン:第2の徒弟職人)
マルティン・ヴァンティン(テノール:白痴)
イヴリン・リアー(ソプラノ:マリー)
アリス・エールケ(アルト:マルグレート)
ヴァルター・ムッゲルベルク(テノール:兵士)
ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団&合唱団
シェーネベルク少年合唱団
指揮:カール・ベーム
【録音】
1965年3月&4月、ベルリン

新ヴィーン楽派の作曲家、ベルクの《ヴォツェック》は、20世紀の最も重要なオペラとして世界中の歌劇場のレパートリーに定着しています。《ヴォツェック》は各場が古典的な音楽形式に基づくユニークなスタイルを持ち、緻密なオーケストレーションが生々しい人間ドラマを劇的に描き出します。ベームは《ヴォツェック》を得意としており、ドラマを巧みにコントロールしながら、複雑な作品を見通しよく聴かせています。タイトルロールのフィッシャー=ディースカウの丁寧な歌唱も魅力的です。1966年度フランスADFディスク大賞、レコード・アカデミー賞大賞受賞盤。
※歌詞対訳は付いておりません。
(ユニバーサルミュージック)

カテゴリ : Classical

掲載: 2023年10月10日 12:00