「名作コンシェルジュ」掲載!向井山朋子「ウィメン・コンポーザーズ 」
2024年1月14日(日)日経日曜版「名作コンシェルジュ」に掲載されました
若き挑発的ピアニスト 30年前に女性の作品弾く(鈴木淳史氏評)
1994年に発表され大きな話題となったピアニスト向井山朋子のデビュー・アルバム「Women Composers」。作曲家お墨付きの演奏であるウストヴォリスカヤのピアノ・ソナタ第6番をはじめ、5人の女性作曲家による個性的な作品を収録したこのアルバムは昨年ALTUSのリマスターにより30周年記念盤として復活しました。この記念碑的名盤が2024年1月14日(日)日経日曜版の鈴木淳史氏による名物コラム「名作コンシェルジュ」で紹介されました。(※ CDとLPでリリースされていますので、両方掲載しています。)
鈴木氏は、この1枚を「今から30年前のこと。若きビアニストによる、女性作曲家の作品だけのデビュー・アルバムが一躍話題になった。取り上げた作品は、20世紀後半の現代曲ばかりで、ジャケットにも自らヌードで登場という、なかなか挑発的な、トンガったアルバムだった」と紹介。アルバムのメインは、「旧ソ連で活躍しつつも、体制にまるで媚びなかった2人の作曲家の作品」とし「ウストヴォリスカヤのソナタ第6番は、強烈なクラスター和音によるリズムが奔流のように押し寄せる。そして、グバイドゥーリナのピアノ・ソナタは、即興的で、呪術的な香りにも満ちる」と解説します。全体として「このピアニストが選んだ作品は、連打が続くハードな、どちらかといえば凶暴にも聴こえがちな音楽が多い」が、「不思議な風通しのよさがある。果物が弾けるときの、爽やかな香気を放つような」と評しています。
(タワーレコード)
アムステルダムを拠点に活躍をつづける向井山朋子
30周年目前のデビュー盤が音質あらたにリマスター復活!
既成概念を超え、より強烈にあらわれる多彩な表現
1994年に発表され大きな話題となった向井山朋子のデビュー・アルバム「Women Composers」が、30周年を目前にしてALTUSによる2023年新規リマスターで再発売!
作曲家お墨付きの演奏であるウストヴォリスカヤのピアノ・ソナタ第6番をはじめ、5人の女性作曲家による個性的な作品を収録。自らのヴォーカルを伴う作品や、向井山のために書かれた作品もあります。技巧と音楽性が高い次元で組み合わさり新しい表現をうみだした名盤で、現在ジェンダーレス、ダイバーシティといった思想を表現の核として多彩な活動を展開する向井山の原点ともいえるアルバムです。90年にアムステルダムに移り住んだ向井山が音楽にどう向き合ったのか、また当時のオランダの雰囲気や芸術の在り方というものを、今でも強烈に伝えてくれます。
「このアルバムを録音したのは、オランダに移住して間もなく、幸いにコンクールで優勝し、ああ、これからピアニストとしてやっていくんだ、と決意し始めた時期。これまでにないようなアルバム、強い何か、新しい音楽、ピアニストの領域を拡大するようなレパートリーを求めていた時、ふさわしいのは女性が作曲した作品群でした。」(向井山朋子)
(キングインターナショナル)
【曲目】
アドリアーナ・ヘルツキー(1953-):フランツ・リストのための「ヘルフェンスター」
ヴァネッサ・ラン(1968-):インナー・ピース
ガリーナ・イワーノヴナ・ウストヴォリスカヤ(1919-2006):ピアノ・ソナタ第6番
ソフィア・グバイドゥーリナ(1931-):ピアノ・ソナタ
メレディス・モンク(1942-):ダブル・フィエスタ
【演奏】
向井山朋子(ピアノ)
【録音】
1994年8月15・16・17日/NCRV Studio Hilversum
カテゴリ : Classical
掲載: 2024年01月14日 08:00