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「名作コンシェルジュ」掲載!渡邉暁雄指揮 日本フィル シベリウス:交響曲全集

シベリウス

2024年11月10日(日)日経日曜版「名作コンシェルジュ」に掲載されました
フラットな演奏が生きる たゆたう自然のように (鈴木淳史氏評)


シベリウス作品の演奏を得意とした名指揮者、渡邉暁雄(1919~1990)が日本フィルハーモニー交響楽団と録音した2度目のシベリウス:交響曲全集が2024年11月10日(日)日経日曜版の鈴木淳史氏による名物コラム「名作コンシェルジュ」で紹介されました。

鈴木氏は「スーパーフラットなる概念がある」と書き出し、「美術家の村上隆が使い始めた言葉で、2次元的な発想によって世界を表現しようというコンセプトだ」「琳派や浮世絵など、そもそも日本文化は、そうしたフラット性を特徴としていた」と紹介。そして視覚芸術だけでなく「渡邉暁雄が指揮したシベリウスの交響曲もその一つだ」と評します。

渡邉の「テンポを大きく変化させることなく悠々とした運び、感情的な起伏を避けて、品のある淡々としたサウンドを作り出す」スタイルは、シベリウスの「人間の感情表現よりも、自然の存在感を優先した音楽」だからこそ、「フラットさの利点が生かされる」と解説。「なんといっても、すべてが爽やかに流れていく風情がいい」と結んでいます。
(タワーレコード)

渡邉暁雄

1981年度のレコード・アカデミー賞を受賞。シベリウスのスペシャリスト渡邉の集大成といえる記念碑的名盤。日本のシベリウス演奏のひとつの金字塔と言える渡邉曉雄&日本フィルとの究極の名盤が遂に高音質に!ORTマスタリングによる世界初SACD化!

渡邉曉雄(1919~1990)は1962年に世界初のステレオ録音によるシベリウス交響曲全集を完成し世界的な話題となりました。シベリウスは渡邉の幅広いレパートリーの中でも最も重要といってよいもので、その後の長く深い研鑽を経て再び日本フィルとともに満を持して録音されたのがこの1981年の全集で、その年のレコード・アカデミー賞を受賞しました。日本コロムビアが独自に開発したORTマスタリング技術によりハイレゾ化を行い、初SACD化。音場・音質が鮮やかに向上しています。CD層も今回のマスタリング音源を使用しています。

日本のシベリウス演奏のひとつの金字塔と言える渡邉曉雄&日本フィルとの究極の名盤が遂にSACD化!世界初のステレオ音源による交響曲全集(1962年収録)から約20年を経て、同じコンビでレーベルも同じくコロムビアで録音されたこれら2種は、それぞれ当時の渡邉曉雄の集大成と言えるだけではなく、現在においても日本のシベリウス演奏の規範となる重要なアルバム群です。フィンランド人を父に持つという環境のみならず、とりわけ日本におけるシベリウス受容を拡げた功績は大きく、また日本フィルの創設にかかわり常任指揮者、音楽監督として長年にわたり強固な関係を築いてきた両者が、まさに満を持して制作したのが本作です。さらに当時デジタル録音を早期に確立していた日本コロムビアの録音技術の高さも加わり、発売当時市場で高く評価されました。レコード・アカデミー賞の授与がその証左でしょう。第1回目録音の先見性と市場への紹介、そしてこの第2回目は未来に残すべく両者が培ってきたシベリウス演奏を最大限発揮した音源として、大きな輝きを放っています。尚、収録は1981年の6月から9月にかけて分散して録音が行われ、暑い会場での収録や渡邉曉雄自身の相当な拘りの元で進められたようです。収録時の気温がシベリウス演奏に影響するかどうかはわかりませんが、演奏は熱いなかでも全体を通してクールなまでの眼光を感じさせます。確固たる主張と、演奏レヴェルが上がった日本フィルのアンサンブルをシベリウスの言語で構築した、日本が誇る録音であることは確かです。今回、デジタル録音のORT化企画によるSACD化においては、当時の空気感や細心の機微が聴きとれると思います。歴史に残る圧倒的な名演を直に感じ取ってください。また今回のBOXのジャケットにはLP全集のものを、解説書等ではLP発売当時の各ジャケット・デザインを採用しています(一部モノクロ)。CD時代にない魅力あるジャケット・トデザインも目でお楽しみいただけます。ド)

【曲目】
ジャン・シベリウス:交響曲全集(1981年録音)
<DISC1>
1. 交響曲 第1番 ホ短調 作品39
<DISC2>
2. 交響曲 第2番 ニ長調 作品43
3. 交響曲 第3番 ハ長調 作品52
<DISC3>
4. 交響曲 第4番 イ短調 作品63
5. 交響曲 第5番 変ホ長調 作品82
<DISC4>
6. 交響曲 第6番(ニ短調)作品104
7. 交響曲第7番ハ長調 作品105
8. 交響詩「トゥオネラの白鳥」 作品22の2
9. 悲しきワルツ 作品44の1

【演奏】
日本フィルハーモニー交響楽団
渡邉曉雄 (指揮)

【録音】
1981年9月8日(第1番、トウオネラの白鳥)、 6月25日(第2番)、 9月9日(第4番、悲しきワルツ)、
7月2日(第5番)、 7月1日(第7番) 以上、昭和女子大学人見記念講堂
1981年6月19日(第3番)、 6月22日(第6番) 以上、習志野文化ホール

【Original Recordings】
制作担当:結城 亨、 録音担当:林 正夫

【原盤】
日本コロムビア