「名作コンシェルジュ」掲載!シランクス五重奏団 フランセ、ヒンデミット、イベール、タファネル: 木管五重奏曲
2024年12月8日(日)日経日曜版「名作コンシェルジュ」に掲載されました
多様な楽器の音色生きる 密度高いアンサンブル (鈴木淳史氏評)
MDGレーベルの"貴重な"録音を再リリースする「プレツィオーザ」シリーズの1枚。ヴァルフガング・マイヤーも参加した伝説の管楽器五重奏団 シランクス五重奏団による木管五重奏曲集(1978&1981年録音)が2024年12月8日(日)日経日曜版の鈴木淳史氏による名物コラム「名作コンシェルジュ」で紹介されました。
鈴木氏は、フルート、オーボエ、ファゴット、ホルン、クラリネットの編成からなる木管五重奏曲を「多様性の象徴」とし、「それぞれの楽器の音色を生かしつつ、一体となって作り上げるアンサンブル。歯切れいいリズムながら、どこか牧歌的なニュアンスを匂わせた響きも心を和ませる」と紹介。このアルバムで演奏するシランクス五重奏団を「きっちりとしたアンサンブルが持ち味。そして、なんといっても、そこから生まれるハーモニーの美しいこと」と称賛。フランセ作品では「チーム・プレイに徹した響きの作りで、密度の高い音楽を実現させている」とし、ヒンデミットの「5つの木管楽器のための小室内音楽」では「響きをブレンドさせることで、この作品の個性をよりくっきりと印象づける」。イベールの「3つの小品」では一転して「駆け抜けるテンポで、まばゆい色彩をさ横溢させた」。「ト短調のドラマティックな作品」タファネルの木管五重奏曲では、「悲しみのなかを疾走する主題と優美な主題を巧みに交代」「陰影も豊かな各楽器のソロが、旋律を情感深く紡いでいく」と結んでいます。
※ ジャケット写真はパブロ・ピカソの「パン」(1948)
(タワーレコード)
ヴァルフガング・マイヤーも参加した伝説の管楽器五重奏団 シランクス五重奏団による木管五重奏曲集
MDGレーベルの"貴重な"録音を再リリースする「プレツィオーザ」シリーズ。
伝説の管楽器五重奏団、シランクス五重奏団による木管五重奏曲集。1971年に結成され、メンバー全員が当時の西ドイツの若い音楽家のためコンクール"Jugend musiziert"の入賞者という実力者揃いの団体。1975年にはミュンヘン国際音楽コンクールの室内楽部門で優勝を果たしています。メンバーはそれぞれソリストとして、またオーケストラの団員として活躍していました。中でもファゴットのライナー・ショットシュテット(1951-2016)は、ケルン・ギュルツェニッヒ管弦楽団の首席奏者として、そしてクラリネットのヴォルフガング・マイヤー(1954-2019)は、妹のザビーネとともに数々の室内楽録音に参加、またピリオド楽器も演奏しアーノンクールと共演、後年はカールスルーエ音楽大学の教授、学長を務めていました。
1948年にフランス国立管弦楽団の管楽器奏者のために作曲されたフランセの「木管五重奏曲」は、各奏者のテクニックを存分に発揮することのできる技巧的で完成された様式美を持つ作品。そして色彩感豊かで洒脱な雰囲気を漂わせるイベールの「3つの小品」。一方、近代フルート奏法の確立者の一人であり、20世紀の管楽器室内楽の発展に貢献したポール・タファネルの「木管五重奏曲」は、自身もフルート奏者であったことからフルートが活躍する場面は多く、技巧的にも難易度が高い作品です。またフランセやイベールの軽妙さはなく、後期ロマン派のスケールの大きさを感じる作品です。そして20世紀を代表するドイツの作曲家ヒンデミット。多種多様な楽器編成の作品を残していますが、作品24の小室内楽も第1番は管楽器・打楽器にピアノ、アコーディオンというユニークな編成、そしてここに収録されている第2番は木管五重奏で書かれています。各楽器の特徴を捉えた躍動感溢れる作品です。
(キングインターナショナル)
【曲目】
フランセ(1912-1997):木管五重奏曲
ヒンデミット(1895-1963):5つの木管楽器のための小室内音楽 Op.24-2
イベール(1890-1962):3つの小品
タファネル(1844-1908):木管五重奏曲 ト短調*
【演奏】
シランクス五重奏団
イングリット・ザレフスキー(フルート)
ディーター・ザレフスキー(オーボエ)
ヴォルフガング・マイヤー(クラリネット)
カール・テオ・モルベルク(ホルン)
ライナー・ショットシュテット(ファゴット)
【録音】
1978年3月(AAD)
1981年3月(DDD)*
カールスルーエ教会、ルートヴィヒスブルク
制作、プロデュース:ヴェルナー・ダブリングハウス、ライムント・グリム
カテゴリ : Classical
掲載: 2024年12月08日 08:00