澤野工房が惚れ込んだ新しい才能!女流ピアニスト、坂田尚子のデビュー作
山中千尋をデビュー作からプロデュースし、人気ピアニストへと導いた澤野工房が送り出す新たな才能!
サワノが、惚れた。日本発、北欧経由の女流ピアニスト、坂田尚子。
飛翔する才能が、ジャズ・ピアノの明日を切り拓く。溢れるインプロビゼーションがきらめき、淡く、鮮やかに形を変える音の万華鏡。
澤野工房が惚れ込んだ新しい才能を皆さんにご紹介する。坂田尚子、いまだ27歳の女性ピアニストだ。なぜ惚れ込んだのか?代表・澤野由明は「とにかくピアノの音がスゴイんや」と申しております。この人は面白い表現をするところがあって、以前、自主コンサートのリハ終了後にも「ピアノってこんな風に鳴るんやな~」と感動していたことがある。ピアノ・ジャズをさんざん聴いた挙句、人様にあれやこれやと紹介する立場になってこの発言。無防備なほどのピュアネスと言うべきか。それだけに、「音」に対する耳は信頼できる。彼が「スゴイ」と言った=タダ者ではない、のだ。ま、あえてさらりと流すけれど、坂田(奈良県出身)はスウェーデン・イエテボリ音大の即興音楽科に在籍、数々のコンクールで評価されている。たしかにタダ者ではないだろう。尤も、学校でやっていることは所詮お勉強だ。我々が知りたいのは、そんなことじゃない。しかし、実際に録音された演奏を聴いて、これは確かにスゴイわい、と思った。何度も書くことだが、技術は手段でしかない。技術にいくら長けようと、表現すべきイマジネーションが貧弱なら、それは貧弱な音楽しか生まない。坂田は、どうか?驚くべし、そこに展開されるのは、ピアノ・トリオというフォーマットの可能性を突き詰め、現実と幻想のあわい(それは楽曲のタイトルからも想像できるが)を揺れ動くような音の万華鏡なのだ。美しく、深い音像は、あなたにとって未体験の白昼夢かも知れない。優れたアーティストにとって、処女作ほど重要なものはないから、これは是非聴いておいて頂きたい作品だ。この先、はるか高みを目指すだろう、坂田尚子の飛翔を見守るためにも。Text by 北見 柊(ライナーノーツより)
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