待望の新作!青木十良によるバッハ:無伴奏チェロ組曲第4番他
96歳の求道者が奏でるバッハ
「80歳を越してようやくバッハがわかってきた。研究するなら逆行するのがいい」と、夢中で始めたバッハの研究と録音。第6番から逆行し、10年を経てようやく4番まで辿りついた青木十良のバッハ無伴奏録音。「シゲティのようにシュワッと弾けるシャンペンのような音が出したい」と、音色には特にこだわって研鑚に励んできた彼のバッハ録音も5合目に到達しました。
「世界にこれほどチェロという楽器のA線(ばかりではないが)を美しく発音できるチェリストはほかにはないのではないか。」──村上陽一郎
『エレガンス=自尊』
音楽の仕事、芸術の仕事をしながら、自分が何を求めているんだろうと、ずっと考えてきているわけです。
それが「エレガンス」なんだと、つい最近やっと発見したことに、自分でも驚いているんです。
そう、「エレガンス」に向かって、自分はやってきたと思います。
「エレガンス」といっても、単にオシャレとかというものではないんです。
「エレガンス」の根底にあるのは自尊です。
音が少々狂っても自尊というものは、ガタンと落ちます。
メロディーの線の具合がちょっとうまくいかなくっても、同じように自分の心が崩れますしね。
「エレガンス」の原語本来の意味には、自尊ということが入っていると思います。
日本語の「品格」にも通じると思います。
自分を信じ、他の人を尊ぶ。
それが全身にみなぎって表現できたときには、100パーセントよい音楽をやったと思いますね。──青木十良
1. J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第4番
使用楽器:Stefano Scarampella di Brescia 1912、収録時93歳
<EXTRA TRACKS>
2. J.S.バッハ:ミュゼット(ガボット~イギリス組曲第6番)
3. ショパン:チェロ・ソナタより第一楽章
【演奏】
青木十良(チェロ)
竹尾(鳥井)耹子(ピアノ)(2)、水野紀子(ピアノ)(3)
【録音】
1)2009年4月22-24日 所沢市民文化センターミューズ アークホール
2)SPより復刻 1955年録音
3)2006年6月 浜離宮朝日ホール
【関連タイトル】