注目のアジアン・アメリカンのグループMagnetic North & Taiyo Naのスペシャルインタヴュー
Goon Traxのモンスターコンピシリーズ「In Ya Mellow Tone」の最新作の第6弾に日本デビューもしていない状況下という異例な環境の中でリード・トラックという重役に抜擢され、驚異的なポテンシャルを発揮し、絶大なる人気を博した今、もっとも注目のアジアン・アメリカングループの一つMagnetic North & Taiyo Naの日本デビュー盤が遂にリリース!
それを記念したインタビューを敢行!要チェックです!
Magnetic North & Taiyo Na / Home:Word
大学の同級生で結成されたMagnetic Northに、NYで運命的な出会いを果たしたシンガー"タイヨー・ナー"を加えた、The Fugeesの再来とも囁かれるマルチタレントの揃った注目のアジアン・アメリカンのグループの初作。IYMT6のオープニングを飾ったピアノの旋律と切ないメロディが響く“Home Word”を皮切りに、オーガニック且つ日本人の心をとらえて離さない郷愁感を誘うメロディが満載。3.11と9.11に捧げた“Fukushima”、Acro Jazz Laboratoriesのremixも収録した充実作。※こちらのタイトルは値引き対象外となります。
◆Magnetic North & Taiyo Naスペシャルインタヴュー!
●Magnetic North & Taiyo Na結成の経緯を教えて頂けますか?Derek「Magnetic North(Theresaと僕)は、2007年にTaiyo Naと出会ったんだ。カリフォルニア州のバークリーからニューヨークに引っ越した後の事だね。引っ越す前はTheresaと僕で2006年に“Magnetic North”というアルバムをリリースして、そのアルバムのプロモーションやライヴ活動をしていたんだ。僕たち二人は同じ学校に通っていて(the University of California at Berkeley)、“The History of Hip Hop”という授業で出会ったんだよ。放課後にフリースタイルをやったり、クラスメートとラップグループを作ったりする面白いクラスだった。Theresaはその中でもスター的な存在だったし、僕も自然と彼女に興味を持つようになったんだ。」
Taiyo「TheresaとDerekがニューヨークに来る前から知り合いだったけど、2008年にコロンビア大学で一緒にライヴをするまでは一緒にやろうとは考えたこともなかったんだ。一緒にやろうと思った瞬間は今でも鮮明に思い出せるよ。二人がサウンドチェックをしている姿を見ていて、僕のやろうとしている音楽と、彼らのやろうとしている音楽が根本的にすごく似ていることに気づいたんだ。そしたら自然と彼らと一緒に曲を作ったり、ツアーをしているヴィジョンが浮かんできた。それ以来、その時頭に浮かんだ事をそのままやっているってわけ。もちろんそれ以上の事もね」
●これまでの音楽的バックグラウンドを教えて頂けますか?
Derek「パッと思いつくのは2Pac, Common, Lauryn Hillかな。でも基本的に、人気のあるものやトレンドに流されるつもりはないし、人が期待していることをやるつもりもない。僕たちはただ自分たちの心に正直に、僕たちの暮らしや感情に直結した音楽を作るだけなんだ」
Taiyo「十代の時にはじめてはまった音楽がヒップホップだったんだ。当時ニューヨークのストリートではどこでもヒップホップが聞けたし、非常に近い存在だった。そしてHip Hopは色々な音楽からサンプリングをして、新しいものを作り出すのが文化だったから、そのおかげでsoulやblues、jazz、reggae、folkなんかも掘るようになったし、今の僕たちの音楽に間違いなくそれは活かされているね。Stevie WonderやBob Marley、Don Mcleanの影響がなければ、Lauryn HillやCommon、Tupacがなかったように。僕たちの音楽は、オーガニックとかエレクトリックとか、ミュージカルっぽいとか、色々なことを言ってくれる人がいると思うんだけど、僕にとっての原点はいつでもヒップホップだよ」
●ご自身の視点から見たMagnetic North & Taiyo Naはどんなグループだと思われますか?
Taiyo「そういう分析はあまりしたことがないけど、僕たちはただソウルフルに自分たちの今を表現して、みんなが興味を持ってくれるようなリアルな音楽を作っていくだけだよ。目標としては、画期的な方法で、アメリカとアジアの架け橋になれるような存在になれればと思っているよ」
Theresa「典型的なヒップホップシーンからは聞こえてこないような声を届けるのが私たちの使命だと思っているわ。そして勿論、それが出来るグループだと信じているわよ」
●今気になっているアーティストはいますか?
Derek「最近でいうとthe Blue ScholarsとLupe Fiascoかな。2pacがやっぱり一番好きだけどね。他のジャンルでもいいならAlicia Keys, Michael Jackson, そしてUsher。ミュージカルも好きだよ。“Rent”と“In the Heights.” 今あげたように、色々なものからインスピレーションを受けているね」
Taiyo「Princeは僕の師匠といってもいいね。Jay-Zは現存するラッパーの中で一番好きだし、ヒップホップ史上最強のアイコンと言えるでしょ。日本のジャズシンガー、Maya Hatchにも最近では注目しているよ」
Theresa「現役といえるかわからないけど、Lauryn Hillかな。いつも結局“Miseducation” に戻ってしまう。最近という意味ではJay-Zね。年を追うごとに凄みを増していくのはすごいと思う。Adeleはモンスターだし、PRINCEとSTEVIEも忘れちゃいけないわね!」
●今回IN YA MELLOW TONEに楽曲が収録され、こうしてアルバムもリリースされる運びになった経緯を教えて頂けますか?
Derek「僕たちはいい曲を作ることにただ没頭していて、実はまじめにレーベル探しをしたこともなかったんだけど、Goon Traxから、In Ya Mellow Toneへの参加やリリースの依頼メールが来たときは、本当にうれしかったね。なんていうか現実的ではなかったね。僕たちと同じような価値観でやっているヒップホップレーベルなんて夢のような話だったし、本当に素敵で幸運な縁だと思ってるよ」
Theresa「GOON TRAX最高!!」
●日本でのリアクションもかなりあると思いますが、どんな感じですか?
Derek「実感がわくまで数ヶ月もかかったけど、これまでのリアクションは本当にいいものばかりで嬉しい限りだよ。海を越えても人々の心に触れられるというのはなんともいえない気分だね。おかげさまで音楽はuniversal languageなんだって確信できた」
Theresa「震えたわ。海外でも伝わるってことがわかったのはすごく嬉しいことよ」
●あなた達自身は日本に対してどんなイメージを抱いていますか?
Derek「僕にとっての日本はいつでも、革新的で面白いことが溢れている、それでいて音楽的でアーティスティックな国さ。日本のヒップホップは、もはやひとつのジャンルを確立しているといっても過言ではないし、実際似たようなものは世界を見回してもない気がするよ。たぶんそれはヒップホップだけじゃなくって、ほかのジャンルにも言えることなのかもしれないね。僕はL’Arc-en-Ciel, Nujabes, Yoko Kanno, Susumu Hirasawaといった本当に色々なジャンルで活躍している日本人アーティストの大ファンだし、日本のアニメとかゲームも大好きだから、そういったところからもいろんなミュージシャンを発見できるんだ。実際、僕の大きな夢の一つは、アニメシリーズのオープニングを書くことだったりするしね。そんな日が来ることを本気で祈ってるよ!」
Taiyo「僕にとっては一つの感情のよりどころといえるかもしれない。僕の両親は40年前にNew Yorkに引っ越すまでは日本に住んでいたんだよ。今でこそ豊かな国であるといえるかもしれないけど、苦難を乗り越えてそこにたどり着いた素晴らしい国だと思っていて、僕の場合は両親が少しの間住んでいただけだけど、その一部になれたような気がしているんだ。 僕も一度日本に行ったことがあるんだけど、その時にカントリー好きのギタリストと話をするきっかけがあったんだ。レゲエバンドを見るために一緒にテレビを見たり、その後で、90年代中期のニューヨークのR&BやHip-Hopに影響を受けたと思われるJ-POPをレコードで聴いたり、すごく音楽に真摯に向き合っている印象があるね」
Theresa「私は、本当に様々な音楽的要素に溢れている国だと思うわ。それと日本の人は、歌だろうと楽器だろうと、とにかくいいメロディーを好むという印象があるわね。ヒップホップシーンに関しては、GoonTraxやIn Ya Mellow Toneが掲げているような、強いメロディーとメッセージがあるものが本当に大好きなの!」
●"Fukushima"という曲が収録されていますが、あの楽曲は3.11についての曲ですよね?
Derek「この曲は3.11にインスピレーションを受け、あの悲劇なしには存在しない曲だったね。曲を作ると決めたときも、このようなデリケートな問題にどう触れ、どう曲を作っていくか、とても難しいことだとはわかっていたけど、僕たちはやらずにはいられなかった。日本の人々が苦しんでいる時に、何かしらで力になりたいと思って、僕たちにとっての出来る事、ベストな方法というのを考えた時に音楽しかなかっただ」
Theresa「こんな大きな出来事に対して、私たちの出来たこと、やった事なんてちっぽけなものでしかないとはわかっていたの。たった5分の音と言葉だけかもしれないけど、出来る限りの気持ちを詰め込んだつもりよ。少しでも悲劇にあわれた方々の力になってくれる事を祈って」
●最後に「Home:Word」というタイトルに込めた意味を教えて頂けますか?
Derek「このタイトルは、ニューヨークって街からインスピレーションを得たんだ。素晴らしいミュージシャンやアーティストが吐いて捨てるほどいて、どこに行っても、何を見かけても、全てが美や人生の素晴らしさを思い出させてくれる、そんな"住んでいること自体がインスピレーションになる"芸術的な街で暮らす中で、長い間離れている家族との暮らしや、大切さといった、僕にとっての「HOME」と、この先の未来を作っていく、僕らにとっての「Word」の重みを再認識して付けたタイトルなんだよ。日本に住んでいる一人でも多くの人に僕等の音楽が届くことを祈っているよ!」
GOONTRAXおすすめタイトル!!
至福の美麗サウンド!永遠に聴ける名盤!
Hip Hopとオーケストラの奇跡の融合に多くの人が魅了された傑作!トラックメーカー・DJに生楽器!豪華なゲスト・ラッパー含め、シーンの常識を覆したクレイドル・オーケストラの1st!暖かく心地よいラップに、壮大に響くストリングス、美しくドラマチックなサウンドが心の琴線を奮わす…誰もが納得のクオリティです。
Bee(Cradle&Aloe Blacc) / Open Your Mind
西海岸最強のアングラ・レーベル“Stones Throw”からのソロ作でも、味わい深いソウルフルな歌唱を披露していたアロー・ブラックだが、クレイドルと出会った今作によって、彼のヴォーカリストとしての素質/魅力が完全開花!なかでも、往年のソウル・クラシックと見紛うほどの輝きを放つ「Still A Rose」は涙誘う名バラッド!“Bee”名義での第2弾も待ち遠しい!!
Cradle / Soulbirds feat.Nieve & Jean
Cradle Orchestra「Velvet Ballads」をヒットに導いたリード「Talk It Out」で共演したNieve & Jeanと完全タッグを組む形となった本作。スムースなNieveのラップの心地よさもさることながら、特筆すべきはJeanの歌声。Cradleと女性ボーカルとの相乗効果がここで確かなものとなる。発売当初、その美しいメロディに店内のストアプレイで否応なしに反応してしまうお客様達の様子を思い出します。
Cradle Orchestra / Transcended Elements
スピーチやデ・ラ・ソウルやフランスのホーカス・ポーカスらが軽妙なラップを聴かせるヒップホップから、盟友アロー・ブラックやジョヴァンカが歌う心地よいソウル曲まで、世界中の一流アーティストとコラボした2作目。中でも、故グールーが穏やかで甘いフロウを聴かせる“You Got To Luv It”は本作のハイライト。生音と打ち込みを融合したサウンドといい、豪華なゲスト勢といい、これは日本版『Jazzmatazz』と言うべき傑作です。
re:plus / Everlasting Truth
この言葉がスッポリと当てはまる「究極の美音!」今やJAZZYシーンに欠かせないカリスマの、もはや名盤入り確定と名高いデビュー作。オルガン・ピアノ・ウッドベース等を駆使したサウンドに、彼独自が作り出すノスタルジックなフィルターを通し、華麗で煌びやかなトラックメイクは、エレクトロニカのシーンにまで飛び火中!涙腺に優しくホロリと来る曲の連続!耳じゃなく五感全体で聴く1枚です。
Hidetake Takayama / Right Time+Right Music
心の琴線に触れるメロディーやドラマチックな展開。クラシック音楽の素養を持つ作曲家が描く、HIPHOPやJAZZ、SOUL、CLASSICなど様々なジャンルの壁を超越したサウンドスケープ。リリースから時間を経ても、その美麗サウンドに耳と心を奪われるリスナーは未だ後を絶たず。ピアノを主軸に、ヴァイオリンやビオラ、チェロなどのクラシカルな楽器と心地よいビートが織り成す壮大なリード・トラック「PUKE」は、まさに一大叙事詩といった趣。
Robert de Boron+The Antidotes / Beat The Classics
ショパン、チャイコフスキー、シューベルト、バッハ・・・などなどクラシックに詳しくない方でも知ってるであろう超有名曲の数々が、ヒップホップととっても素敵な出会いを果たした奇跡の1枚!元曲の持ち味を生かしつつ、グルーヴィーなラップとソウルフルで伸びやかな歌声が絡み、美しく幸せな時間を運んでくれます。クラシックをネタとした作品は他にも多数ありますが、これは最高の出来と言って過言ではないでしょう!!事実、とてもよく売れています!!
Robert de Boron / Diaspora
IN YA MELLOW TONEシリーズの立役者、Robert de Boronの渾身のデビュー作にして、珠玉のアーバン・メロウ・HIPHOPの傑作盤!!緻密なビートメイクと、琴線をビンビンに刺激するエモーショナルなメロディーを自在に操り、その有り余る才能を出しきって作られた極上ビートは聴く者全てに感動を与えること必至!!「和製J.DILLA」の名に恥じない、HIPHOPをネクストレベルへと引き上げれる逸材だ!!
GOONTRAXが誇る鉄板コンピシリーズIN YA MELLOW TONEはこちら