アラン・パーカー初長編監督作ポール・ウィリアムス音楽『ダウンタウン物語』
なかなかDVD化機会のなかった『ひき潮』『殺意の夏』などの作品などを【魅惑の女優シリーズ】としてリリースし、ファンも注目の<ジェットリンク>から、なんと久々にのDVD化『ダウンタウン物語』が登場。
禁酒法時代のアメリカを舞台にしたギャングたちのにぎやかな抗争の物語を、全員子供たち、というキャストでミュージカル映画化。クラシックカーを装った“クルマ”も、中は自転車であったり、など、さまざまな工夫でキュートな笑いで楽しませる。
監督は、『小さな恋のメロディ』のさわやかな脚本で注目されたアラン・パーカーの監督デビュー作。華やかに、そしてかわいらしく物語を彩る音楽は、才人、ポール・ウィリアムス。ウィリアムスと映画と言えば、本作の直前だと、ブライアン・デ・パルマのセンセーショナルなホラー・ミュージカル『ファントム・オブ・パラダイス』を担当し、そのクセの強さを見せ付けたところで、一気にイメージの違う、こちらも「異色」ミュージカルに携わった。
なんといってもタイトル・ソング、ポール・ウィリアムス自身が歌う「バグジー・マローン」、主人公の“情婦”タルラが歌う「私の名はタルラ」など、親しみやすいポップなナンバーが満載。
そして、この大きな話題がもうひとつ。このタルラ役は、当時14歳のジョディ・フォスター。ちなみに、彼女は、本作の前に、あの『タクシードライバー』でアイリスの役を演じ、その年のアカデミー賞助演女優賞候補になっている。
この華やかな作品を見せたアラン・パーカー監督だが、この2年後には、社会派問題作『ミッドナイト・エクスプレス』を発表する。
日本公開は1977年2月。当時は、『がんばれ!ベアーズ』のテイタム・オニールとともに、ティーンスターの代表映画でもありました。