ポーランドの天才ピアニスト=ミハウ・ヴルブレフスキ 幻のトリオ作品
ポーランド・ジャズ・マスター=オラシオ氏の監修による、チェシチ・レコーズ第2弾作品。
「ジャズ界のグレン・グールド」とでも呼ぶべき天才ピアニスト、ミハウ・ヴルブレフスキの初リーダー作『I Remember』。
ポーランドで半世紀もの間発行されているジャズ雑誌『Jazz Forum』の付録CDとして、アルバム制作途中の数曲のみ収録した状態で発売された時から話題沸騰。正式リリース予定がないと踏んだ内外のジャズファンたちの同誌購入が相次ぎ、首都ワルシャワからその号が消えたとの逸話を持つ幻のピアノ・トリオの傑作がとうとう正規発売。
テクニシャンぞろいのポーランドのピアニストの中でも並外れた左手の超絶技巧にまずはのけぞることでしょう。また、モダニズム建築のようなシャッキリとシンプルな割り切りの良いオリジナルの中にほのかに漂う残り香めいたリリカルなムードも絶品。
バッハ曲の名演を数多く残した鬼才グレン・グールドのようにドライヴする左手のミニマルなアプローチがもたらす不思議な浮遊感は、知らず知らずのうちにリピートボタンを押させる催眠的な効果があります。Deadmou5のタイトル曲カヴァーも驚きです。
録音エンジニアの若き巨匠ヤン・スモチンスキによる、まるで「自分だけに向けて演奏してくれているみたい」な鮮明で超ニアな驚異のレコーディングワークも魅力。3人の磨きぬかれた美音と技巧を余すところなく耳の奥にインプットしてくれます。
ポーランドジャズの最先端っぷりを突きつける衝撃のピアノ・トリオです!(オラシオ)