“VINTAGE COLLECTION +plus”特別編 没後50周年「フェレンツ・フリッチャイの芸術」全10タイトル 第2弾
ユニバーサル ミュージックのご協力による『タワーレコード“ヴィンテージ・コレクション”』シリーズの最新作は特別編としまして、2013年に没後50年を迎えるハンガリー出身の指揮者フェレンツ・フリッチャイを2回に分けて、DGレーベルの合計10タイトルを取り上げます。今回は3/8発売の第1期に続く、第2期発売の5タイトルです。
ユニバーサル ミュージックのご協力による『タワーレコード“ヴィンテージ・コレクション”』シリーズの最新作は特別編としまして、2013年に没後50年を迎えるハンガリー出身の指揮者フェレンツ・フリッチャイを2回に分けて、DGレーベルの合計10タイトルを取り上げます。今回は3/8発売の第Ⅰ期に続く、第Ⅱ期発売の5タイトルです。
1914年、ブダペストに生まれたフリッチャイは若くしてその才能が花開き、わずか30代半ばにしてDGと契約して以来、その短い生涯にもかかわらず多くの録音が成されました。
そのどれもが当時センセーショナルとなり、革新的な驚きと躍動感が見事に表現された傑作です。今日聴く事ができる音源でもその音楽性を十分体験することができます。とりわけ病に倒れ復帰した後の盤はいずれも名盤の誉れ高いものですが、特に日本では彼の人気は高く、これまで幾度となく復刻がされてきたとはいえ少なからず現在廃盤のままとなっているのは残念な事です。
今年没後50年を迎え、さらに来年生誕100年という記念の年でもありますので、ここでもう一度彼の残した代表盤で現在入手不可能なものの中から特に後世に残したい10点を選びました。
今回も、全点DGのオリジナル・マスターより新規でCDマスターを制作。従来以上の鮮明な音質を実現したことにより、フリッチャイの音楽がより間近で体験できます。ブックレットには全作共通で「プロフィール」と「年表」、さらにストラヴィンスキーのアルバムには当時DGの制作部門チーフだったエルザ・シラー氏による、「追悼文集」のために1964年に書かれた貴重な文章も掲載しております。
これまで当社で制作しているCDと同様に、ジャケットは極力オリジナル・デザインを採用し、複数ある場合はブックレット中にもカラーで再現しています。
~新しくなった『タワーレコード“ヴィンテージ・コレクション・プラス”』(TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION +plus)では、これまでのコンセプトを踏襲しつつも、さらなるご愛顧に応えることを目指し、「+plus(プラス)」を末尾に付け加えました。デザインを一新し、オリジナル重視(アートワーク使用の増加、古いマスター音源はできる限り新規に)の姿勢はそのままに、音質の向上(ルビジウム・クロック・カッティングによるハイ・クオリティ・サウンド*を採用)と価格の見直しを行い、セットものはこれまでよりお求め安い価格設定としました。
*ルビジウム・クロックは人口衛星や超高精度レーザーなどに採用されており、従来のデジタル・オーディオに使用されていた水晶発振の1万倍の精度を誇ります。これをデジタル・プロセスに使用することにより、従来のCDでは得られなかった鮮明、且つ自然な音を実現するものです。
*尚、下記商品の仕様、発売日等は予告なく変更する場合がございます。
3/7(金)発売の第1期はこちら>>>
第2期発売:4/5(金)リリース
生への執着と諦観が交錯する、フリッチャイ最晩年の珠玉のモーツァルト。
フリッチャイにとってのモーツァルトは、祖国のバルトークと並んで生涯にわたってリスペクトし続けた作曲家でした。それは単なる崇拝対象ではなく、殊にモーツァルトに関しては自身の絶対的な音楽基準と位置付け、さらにバルトークとも親和性があるとも著書で記述しています。
これより以前の'50年代半ばまでにも交響曲を録音またはライヴでの演奏も残っていますが、ウィーン交響楽団とのこの録音では、それまでのテンポと比較すると大幅に遅い演奏となっているのが特徴。とりわけ緩徐楽章で特徴的です。
度々ウィーン交響楽団に客演していたため、両者の共演となったのかどうかはわかりませんが(一説によるとフリッチャイ自らが希望)、ムジークフェラインでの2度にわたるこれらの録音は響きの柔和さと晩年のスタイルが顕著に現れた演奏として、フリッチャイを代表する名盤のひとつと高く評価されています。
39番の第二楽章での遅いテンポ、40番での暗さと同居したかのような暗鬱な表現、一方最晩年の1961年録音では、29番での颯爽とした響き、41番における後のピリオド演奏にも通じるかのような透明な響きと第二楽章のテンポ(反復なしで9分42秒!)等、一度聴いたら心に残るモーツァルト演奏と言えましょう。
発症直後の録音でもある「アイネ・クライネ」の疾走感と、正反対なフリーメーソン&アダージョとフーガも絶品。いずれも未来に引き継がれるべき演奏です。また、フリッチャイ自身による2つの解説も掲載。ブックレットも読み応えがあります。
※ ステレオ録音
※ オリジナル・ジャケット・デザイン使用(ブックレット中にも複数採用)
※ 独エミール・ベルリナー・スタジオでオリジナル・アナログ・マスターよりハイビット・ハイサンプリング(24bit/192kHz)化したマスターを使用
※ フリッチャイ・プロフィール、年表付き:ヴェルナー・エールマン氏(歌崎和彦氏訳)、歌崎和彦氏作成
モーツァルト:交響曲第29、39、40、41番 他
【収録曲】
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:
<CD1>
1.交響曲 第39番変ホ長調 K.543
2.交響曲 第40番ト短調 K.550
3.セレナード 第13番ト長調 K.525《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》
<CD2>
4.交響曲 第29番イ長調 K.201(186a)
5.交響曲 第41番ハ長調 K.551《ジュピター》
6.フリーメイソンのための葬送音楽 ハ短調 K.477(479a)
7.アダージョとフーガ ハ短調 K.546
【演奏】
ウィーン交響楽団(1,2,4,5)、 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(3)、 ベルリン放送交響楽団(6,7)フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
【録音】
1958年4月29-30日(3)、1960年1月29日(6,7) ベルリン、イエス・キリスト教会
1959年11月26-29日(1)、1959年11月29日-12月8日(2)、1961年3月12-25日(4,5) ウィーン、ムジークフェライン大ホール
フリッチャイ最晩年のブラ2ライヴ。VPOとの一期一会の稀少な共演盤。
ウィーン・フィルとのブラームスは、指揮活動を引退する年の最後の夏の共演。ザルツブルク音楽祭で「イドメネオ」を振った後の追加公演での貴重なライヴ記録です。尚、ザルツブルクでの継続的な共演やウィーンでの単発的なオペラ公演をしていた両者は、ようやくこの年の10月にムジークフェラインでの定期に初登場することになり、その時もメインでこのブラームス2番を取り上げました。
記録して残った唯一のブラームス2番であるこのライヴは、1960年のヴェルディ:レクイエムやコダーイの交響曲と並んで、フリッチャイの残した記念碑的な演奏のひとつです。ライヴの高揚感と緻密な指揮、そして何よりウィーン・フィルの芳醇な響きが一体となって、稀に見る名演奏が繰り広げられています。このブラームス2番は、元々1994年に初めて日の目を見た録音でした。発売当時は相当の驚きと興奮を持って迎えられたことは記憶に新しいです。スタジオ録音である1957年録音の2曲をカップリング。
※ 歌詞対訳付(3)
※ モノラル録音
※ オリジナル・ジャケット・デザイン使用
※ 独エミール・ベルリナー・スタジオでオリジナル・アナログ・マスターよりハイビット・ハイサンプリング(24bit/192kHz)化したマスターを使用(2,3)
※ フリッチャイ・プロフィール、年表付き:ヴェルナー・エールマン氏(歌崎和彦氏訳)、歌崎和彦氏作成
ブラームス:交響曲第2番、ハイドンの主題による変奏曲 他
【収録曲】
ヨハネス・ブラームス:
1.交響曲 第2番 ニ長調 作品73
2.ハイドンの主題による変奏曲 作品56a
3.アルト・ラプソディ 作品53
【演奏】
モーリン・フォレスター(アルト)(3)、 RIAS室内合唱団(3)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1)、 ベルリン放送交響楽団(2,3)
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
【録音】
1957年9月(2,3) ベルリン、イエス・キリスト教会
1961年8月27日(1) ザルツブルク、祝祭大劇場(ライヴ録音)
モノラル録音
晩年の貴重なバレエ音楽集。初発売時のオリジナル・カップリングで再発!
ちょうど1年後に録音されたヨハン・シュトラウス集と並ぶ生命感溢れるバレエ音楽集。しかしこのアルバムではスピード感に溢れた、"熱い"演奏を披露しています。ヨハン・シュトラウス作品集に見られる、明るい中にも哀しさが漂う雰囲気はこのバレエ音楽集にも通じるものがありますが、曲の要素として南欧的な明るさを伴った曲ではかえってコントラストが際立ち、より魅力的に聴こえます。フリッチャイはこの録音の後、2年も満たずに指揮を引退することになります。
名曲の宝庫である「ファウスト」のバレエ音楽では、カラヤンに見られるようなコンサート・ピースに重きを置いた重厚な表現ではなく、劇中に即したかのように、軽やかでありながらもはかない美しさを感じさせるのはフリッチャイの才能によるところでしょう。この盤は永らく曲が散逸して発売されていましたが、初めてオリジナルのカップリングでCD化を行いました。それにより統一感と本来のアルバム意図が確認できます。
※ 初出オリジナル・カップリング曲でのCD化は初
※ オリジナル・ジャケット・デザイン使用
※ 独エミール・ベルリナー・スタジオでオリジナル・アナログ・マスターよりハイビット・ハイサンプリング(24bit/192kHz)化したマスターを使用
※ フリッチャイ・プロフィール、年表付き:ヴェルナー・エールマン氏(歌崎和彦氏訳)、歌崎和彦氏作成
オペラのバレエ音楽
【収録曲】
1.シャルル・グノー:歌劇《ファウスト》―バレエ音楽
2.シャルル・グノー:ファウストのワルツ(歌劇《ファウスト》から)
3.ジュゼッペ・ヴェルディ:歌劇《オテロ》から、バレエ音楽
4.ジュゼッペ・ヴェルディ:歌劇《アイーダ》から、
巫女たちの踊り、尼僧たちの踊りバレエ音楽
5.アミルカレ・ポンキエッリ:時の踊り(歌劇《ジョコンダ》から)
6.ペーター・チャイコフスキー:歌劇《エフゲニー・オネーギン》から、
ワルツ、ポロネーズ
【演奏】
ベルリン放送交響楽団
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
【録音】
1960年1月(1-5)、2月(6) ベルリン、イエス・キリスト教会
艶やかさと品格の高さを併せ持つ、稀有の「シェエラザード」演奏!
通常のこの曲の演奏でのこってりした極彩色の「シェエラザード」とは異なり、このフリッチャイの演奏では澄んだ音色を身上としていることも起因し、稀に見る高貴な「シェエラザード」を披露。白血病の兆候が現れる直前の時期での収録でもあるためか、気品さと情熱のバランスが非常に良く、最高の「シェエラザード」演奏のひとつと言えるでしょう。
テンポも全体で46分以上かけており、落ち着いた演奏の中に美しさや品格の高さとともに、曲への想い入れが高い次元で融合しています。フリッチャイの才能が如実に示されている名演奏です。1956年のモノラル録音ながらも弦や管の質感が豊かで音質も優秀。またチャイコフスキーを始めロシア音楽に造詣が深かったフリッチャイによる併録のボロディンはここに収められているのが唯一の録音です。
※ モノラル録音
※ オリジナル・ジャケット・デザイン使用
※ 独エミール・ベルリナー・スタジオでオリジナル・アナログ・マスターよりハイビット・ハイサンプリング(24bit/192kHz)化したマスターを使用
※ フリッチャイ・プロフィール、年表付き:ヴェルナー・エールマン氏(歌崎和彦氏訳)、歌崎和彦氏作成
R.コルサコフ:交響組曲《シェエラザード》 他
【収録曲】
1.ニコライ・リムスキー=コルサコフ:交響組曲《シェエラザード》作品35
2.アレクサンドル・ボロディン:交響詩《中央アジアの草原にて》
3.アレクサンドル・ボロディン:歌劇《イーゴリ公》から(リムスキー=コルサコフ/
グラズノフ編)ダッタンの娘たちの踊り、ダッタン人の踊り
【演奏】
ベルリン放送交響楽団(1)、 RIAS交響楽団(2,3)
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
【録音】
1950年4月4-5日(3)、1952年3月19-23日(2)、1956年9月(1) モノラル録音
祖国への想いを込めた晩年のライヴ。「ヴェルレク」最高の演奏のひとつ。
この1960年10月23日の演奏は、フリッチャイの数あるライヴの中でも特別な演奏と言えます。ちょうど4年前の同日は祖国であるハンガリー動乱が勃発した日であり、恐らくフリッチャイ自身も心を動かされたであろうこの日にヴェルディのレクイエムを演奏することは、まさに一大イベントであったと思われます(現在ハンガリーにおいては10/23は祝日に制定)。
演奏も1953年のDGへのスタジオ録音とは異なり、「サンクトゥス」を除きかなり遅いテンポでの演奏(全体で約15分程遅い)。元々1953年録音は名盤として名高い盤ではありますが、このライヴにおいては別人と言っても良い程、ある意味想い入れ過剰な表現が見られます。この演奏は、数ある同曲の中でも屈指の名演としてその名を刻み続けるでしょう。
歌手陣もシュターダーを始め、ライヴ的な要素も含めてその説得力のある歌唱は感動的。「怒りの日」での驚くまでのパッションもこの演奏に強いアクセントを与えています。今回の再発シリーズの中でも白眉の演奏。フリッチャイ自身はこの後、1年ほどしか指揮活動を行えませんでした。この日の演奏は彼のひとつの到達点と言っても過言ではありません。
併録しているヴェルディ最後の作品である「聖歌四篇」は、1952年の録音ながら基本的なスタイルは「レクイエム」と同じく、透明な響きが美しい名演奏です。
※ 歌詞対訳付
※ モノラル録音
※ オリジナル・ジャケット・デザイン使用
※ フリッチャイ・プロフィール、年表付き:ヴェルナー・エールマン氏(歌崎和彦氏訳)、歌崎和彦氏作成
ヴェルディ:レクイエム、聖歌四篇
【収録曲】
ジュゼッペ・ヴェルディ:
<DISC1>
1.レクイエム~4人の独唱者、合唱と管弦楽のための
Ⅰ.レクイエム Ⅱ.怒りの日 Ⅲ.奉献文
<DISC2>
Ⅳ.サンクトゥス Ⅴ.アニュス・デイ Ⅵ.聖体拝領誦 Ⅶ.赦祷文
2.聖歌四篇
【演奏】
マリア・シュターダー(ソプラノ)、オラリア・ドミンゲス(メッゾ・ソプラノ)、ガボール・カレッリ(テノール)、イヴァン・サルディ(バス)(以上1)
聖ヘドヴィッヒ大聖堂聖歌隊(1,2)、 RIAS室内合唱団(2)
ベルリン放送交響楽団(1)、 RIAS交響楽団(2)
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
【録音】
1960年10月23日 ベルリン(1)(ライヴ録音)、 1952年1月 ベルリン、ティタニア・パラスト(2)
カテゴリ : ニューリリース | タグ : タワーレコード オリジナル企画 ユニバーサル・ヴィンテージ・コレクション
掲載: 2013年03月06日 15:50