クインシー来日公演で話題のピアニスト、アルフレッド・ロドリゲス
クインシー・ジョーンズが才能を認め全面的にバックアップするピアニスト、アルフレッド・ロドリゲスのデビュー作。
クインシー曰く「数々の素晴らしいアーティストと出会ってきた人生の中でも、彼(アルフレッド・ロドリゲス)はOne of the Best」。
キューバのハバナ出身で、圧倒的なテクニックとリズム感を持ち合わせている。注目すべきは、アルフレッドが、様々な音楽的な要素を吸収して音楽を表現していること。ポピュラー・シンガーでもあり、テレビ関係の仕事でも活躍していた父親に育てられたアルフレッドは、専門的なクラシックの勉強をしつつ、同時にストリートからも多くのものを学んでいたようだ。また、親戚に与えられたキース・ジャレットの『ケルン・コンサート』のほか、ロックンロールや、ダンス・ミュージックからも影響を受けたとのこと。
2006年に、モントルー・ジャズ・フェスティヴァルの創始者でありディレクターであるクロード・ノブスの紹介でクインシーに出会い、コール・ポーターの“I Love you Porgy”でクインシーを驚かせたのだとか。
ラテンのリズムとバップの融合、アブストラクトな即興劇を見せるECM的(このあたりケルン・コンサートの影響か)な世界、パーカッシブなピアノでラテン・ジャズの楽しさを感じさせる楽曲など、若くして描くその世界は多彩。巨匠チューチョ・ヴァルデス、またミッシェル・カミロ辺りも彷彿とさせつつ、また違った未来も予感させるピアニストです。