『ムーティ・コンダクツ・ヴェルディ』(DVD)
ムーティのヴェルディに対する真摯な思いに貫かれたドキュメンタリー
リハーサル・シーン、ムーティの発言などが満載!
『ムーティ・コンダクツ・ヴェルディ』
【リハーサル&演奏風景】
・ヴェルディ:「アッティラ」、「マクベス」/ローマ歌劇場(2011および2012 年)
・ヴェルディ:レクイエム/シカゴ交響楽団、2011 年)
【インタビュー】
ローマ歌劇場およびシカゴにて2012 年収録/おもな聞き手:アルマンド・トルノ
【レクチャー】
ローマ大学でのヴェルディに関するレクチャー、2012 年収録
【登場演奏家】
イイダル・アブドラザコフ、ニコラ・アライモ、ステファノ・アントヌッチ、オルガ・ボロディナ、スザンナ・ブランキーニ、ジャンルカ・ブラット、セバスチャン・カターナ、アントネッロ・チェロン、アントニオ・コリアーノ、ルカ・ダッラミコ、バルバラ・フリットリ、ジュゼッペ・ジパリ、アントニオ・ポーリ、タチアナ・セリャン、ダリオ・ソラーリ、アレッサンドロ・スピーナ、リッカルド・ザネッラート、マリオ・ゼッフィリ、シカゴ交響楽団、シカゴ交響楽団合唱団、ローマ歌劇場合唱団ほか
プロデューサー&ディレクター:ガブリエーレ・カッツォーラ
【仕様、他】
100mm
リージョン:All
画面:NTSC 16:9
音声:PCM ステレオ
字幕:日本語、伊英仏独
日本語解説付
音楽、とりわけヴェルディの音楽に対するムーティの熱く真摯な思いに貫かれたドキュメンタリー。ヴェルディ・イヤーにまたとない映像の登場といえるでしょう。
前半はオペラのリハーサルが中心。歌手たちとのリハーサルで、言葉ひとつひとつの意味やアクセントの位置などに至るまで細かなレッスンを行っている場面、オーケストラの団員にユーモアを交えながらアドヴァイスをし、そのムーティの発言の前後で見違えるように演奏が変わる場面など、興味深いシーンが続きます。音楽家、指揮者、指導者としてのムーティの魅力、そして音楽に対する真摯で厳しい姿勢を知ることができます。
後半はシカゴ響とのヴェルディのレクイエムのリハーサル風景が中心となっていきます。ここでも、イタリア人(とくに南イタリア)の神への接し方を語り、それを真剣に団員が聞くシーン、そしてリハーサルが進むにつれて団員たちの演奏が変わっていく様など、非常に興味深いシーンが続きます。
リハーサル・シーンの合間に、インタビュー(ローマ歌劇場、およびシカゴにて収録)や、ローマ大学でのピアノを弾きながらのヴェルディの音楽に関するレクチャーのシーンなどが挟まれています。ヴェルディだけでなく、ショパンやマーラーについても語っており非常に興味深い内容となっています。また、クライバーとの思い出も語っていて、クライバーのワーグナーについての発言を語り、それをふまえての自らのヴェルディ論なども展開しており、興味が尽きません。
最後に、「もしヴェルディに会えたとしたら何といいますか?」というインタビュアーの質問に、ムーティは次のように答えています。「音楽家としてずっと尊敬してきました。そして一生懸命あなたのために働きました、またはそう努力しました。でも私が上手くやったかそうでないかは、どうか言わないで下さい。もしも私がきちんとできていないとおっしゃったとしたら私は完全に途方に暮れてしまいます。恐ろしい死刑をくらうようなものです」。この発言に、ムーティのヴェルディの音楽に対する思いのすべてが込められているのではないでしょうか。
なお、ムーティの意向でチャプターにタイトルはついていませんが、見始めると、ムーティの発言の興味深さや、気鋭の歌手陣とのリハーサル・シーンなどが巧みに組み合わされており、気付いたら最後まで見続けてしまうような、非常に秀逸な内容です。
※なお、輸入盤での取扱いはございません。