【Orfeo】ティーレマン&ベルリン・ドイツ・オペラ管によるワーグナー
ワーグナー・アニヴァーサリーにリリースが実現!
ティーレマン&ベルリン・ドイツ・オペラ管による管弦楽曲集
2004年、ウィーン・ムジークフェラインにおけるライヴを収録した2枚組
2000年に「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を指揮してバイロイト音楽祭へのデビューを果たしたクリスティアン・ティーレマンは、一貫して同音楽祭との結びつきを強め、2006年から5年連続で「ニーベルングの指環」の指揮を任される快挙を成し遂げたのに並行して、かねて親密な関係にあるウィーン国立歌劇場とは、2003年に「トリスタンとイゾルデ」の新演出上演や、2011年には「ニーベルングの指環」の公演などを成功に導いていることからも知られるように、これからの世代を代表するワーグナー指揮者としての実績を着実に積み上げています。
こうした実演での状況を反映して、ティーレマンはワーグナー作品について、すでにかなりの点数のCDアルバムや映像ソフトを発表していますが、このたびORFEOより登場するアルバムは、2004年にティーレマンがベルリン・ドイツ・オペラ管を指揮して、ウィーンのムジークフェラインでおこなったオール・ワーグナー・プログラムのコンサートの模様をライヴ収録したものです。
ティーレマンにとって、1997年よりこの年まで音楽総監督を務めたベルリン・ドイツ・オペラ管との顔合わせは、まさしく手兵との集大成的な意味合いもあったはずですし、じっさい、得意の演目で自信を持って臨んだティーレマンもここでの演奏内容にはたいへん満足していたといいますから、おおいにその出来栄えには期待が高まるところです。そもそも、1991年にティーレマンがベルリン・ドイツ・オペラにデビューを果たした折のプログラムも「ローエングリン」でしたから、よくよくワーグナーとはゆかりがあるのかもしれません。ちなみにORFEOのクリスティアーネ・デランク氏によれば、折しもウィーンに車で向かっていたとき、この演奏の実況中継を聴いて強く心を動かされたのがすべての始まりだったそうで、実現に向けたほぼ10年に及ぶ粘り腰の交渉の末に、ようやくワーグナーのアニヴァーサリーに合わせてリリースにこぎつけました。
なお、ティーレマンはこれより7年前の1997年4月に、フィラデルフィア管を指揮して「マイスタージンガー第1幕前奏曲」「ローエングリン第1幕前奏曲&第3幕前奏曲」「パルジファル第1幕前奏曲&聖金曜日の不思議」「トリスタンとイゾルデ前奏曲と愛の死」をセッション録音していたほか、2002年にはウィーン・フィルを指揮して「リエンツィ」序曲をライヴ録音してもいましたので、そちらとの聴き比べもまた興味深い作業といえるでしょう。
『ワーグナー: 管弦楽曲集/ティーレマン』
【曲目】
<CD1>
「リエンツィ」序曲 (12'25)
「ローエングリン」第1 幕への前奏曲 (9'18)
「タンホイザー」序曲 (14'13)
「神々の黄昏」~ジークフリートのラインへの旅 (13'23)
「神々の黄昏」~ジークフリートの葬送行進曲 (9'06)
<CD2>
「パルジファル」より聖金曜日の不思議 (11'20)
「トリスタンとイゾルデ」第1 幕への前奏曲 (11'13)
「トリスタンとイゾルデ」イゾルデの愛の死 (8'25)
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1 幕への前奏曲 (10'17)
【演奏】
クリスティアン・ティーレマン(指揮) ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
【録音】
2004年11月28日
ウィーン、ムジークフェライン大ホール(ライヴ・デジタル)
ORFによる収録