ポップ・バンド“スカート”の新アルバム『サイダーの庭』/ 『サイダーの庭』をより深く知るための10枚掲載中
前作よりさらに磨きのかかったソング・ライティング、気心の知れたサポート・メンバーとのバンド・アンサンブル、名匠・近藤祥昭氏によるエンジニアリングのもとで編まれた全8曲はいままでスカートが発表したどの作品よりも風通しがいいものに仕上がりました。タイトル曲である突き抜けたポップ・チューン“サイダーの庭”を筆頭に、名ポップ・バラード“すみか”、疾走する"さかさまとガラクタ"、素朴な佇まいの“ラジオのように”など気だてのいい佳曲が並びます。ジャケットは平成23年度第15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞した漫画家、西村ツチカ氏が全編に渡って描き下ろしイラストを提供。アートディレクション/デザインはジオラマブックス主宰、気鋭のデザイナー森敬太氏
■スカート 『サイダーの庭』をより深く知るための10枚
選盤・コメント:澤部渡(スカート)
アルバム『サイダーの庭』をリリースした澤部渡さん(スカート)より、今回のアルバムをより深く知るための10枚をセレクトしていただきました。この10枚を聞けば、『サイダーの庭』が洋邦問わず良質な音楽のエッセンスを抽出した作品であることが分かるはず!?
Tom Waits『ブルー・ヴァレンタイン』
トム・ウェイツの78年発表のアルバム。センチメンタルと泥臭さが同居する傑作。ピアノ弾き語りからストリングスが絡む“Kentucky Avenue”が圧巻です。
The Millennium『ビギン』
アルバムが出来上がった後に心の置き所を確認するような形でよく聴きました。ポップで混沌としてる世界観が好きです。"There Is Nothing More To Say"のムードがとても好きです。
The Zombies『オデッセイ・アンド・オラクル』
アルバムが出来上がってさてじゃあ次はジャケットデザインだ、と、その修羅場になったとき、デザイナーの家で40周年記念コンサートの映像を何度も見ていました。ジャケットほど派手な内容ではないところも好きです。
Tadd Dameron『フォンテーヌブロー』
バップ時代の編曲家、タッド・ダメロンのリーダー作。表題曲"Fontainebleau"で聴かれる編曲はつづれ折る絹のような繊細で優雅な音楽です。
Mel Torme『ライヴ・アット・ザ・メゾネット』
75年に録音されたメル・トーメのカムバックライヴ盤。トーメは推薦したい盤がことごとくCDになっていませんでした。自身のスコアによるビッグバンドの演奏でそのときの流行歌からスタンダードまで歌い上げる好盤です。"Route 66"は最高にヒップ!
Blossom Dearie『ザッツ・ジャスト・ザ・ウェイ・アイ・ウォント・トゥ・ビー』
この作品に対しては憧れしかありません。録音、演奏、アレンジ、ブロッサムの書いた曲、そしてもちろん彼女の声。どれを取ってもひとつの理想です。FreeSoulの1000円シリーズでめでたくリイシュー!なくなってしまう前に是非入手してください。
加藤和彦 『バハマ・ベルリン・パリ~加藤和彦ヨーロッパ3部作』
加藤和彦が遺した80年代初頭のヨーロッパ三部作を当時制作に関わった人たちのインタビューなどで構成されたムックに最新リマスターCD3枚セットにしたという豪華版。私は特に『うたかたのオペラ』というアルバムが好きです。なんてったって"パリはもう誰も愛さない"の音響デザイン!!
Yancy Korossy Trio 『アイデンティフィケーション』
ルーマニアのジャズ・ピアニスト、ヤンシー・キョロシーが69年、亡命中のドイツでMPSに吹き込んだレコード。崩れたアヴァンなアプローチが証明する表題曲"Identification"や柔らかいムードの"I'm on My Way"など名演揃い。
『Chris McGregor's Brotherhood of Breath』
ときわ台にある某レコ屋の店主に薦められて聴いた一枚。民族色の強いフリージャズばかりという訳ではなく、ミニマルでアツい1曲目がとにかくシビれます。
Nils Frahm『Felt』
とても好きなピアニスト、nils frahmの2011年発表のアルバム。ミュートがかかったピアノの弦の響きが儚くて角砂糖のようで素敵です。