映画の原体験についての傑作『100人の子供たちが列車を待っている』
「映画」をめぐる原体験のピュアな感動を、子供たちの姿を通してとらえた傑作ドキュメンタリー『100人の子供たちが列車を待っている』が待望のDVD化。
チリ・サンティアゴ郊外、ロ・エルミーダの子供たちに、「映画」を手作りで教えていく女性教師。教会で毎週開かれるその教室では、紙や木で簡単な動画装置を作ったり、一人一コマの「フィルム」を作っていったり、遊びを通して「映画」を学んでいく。子供たちが体験によって、発見される「映画」の喜び。
この作品のタイトルにある“列車”とは映画史上伝説となっている“列車”のことである。1895年、リュミエール兄弟によりパリで産声をあげた映画に登場した “列車” -タイトルは『列車の到着』だった。そして、列車を待っている100人の子供たちは、自由を求めて新しく旅立つための“列車”を待っているのであり、彼らは“チリの人々と国”でもあるのだ。
この映画はチリ当局によって、21歳以下の者は観てはならない、とされた。しかし、ラテンアメリカ映画祭をはじめ、世界各地で様々な賞を受賞し、第1回山形国際ドキュメンタリー映画祭では、正式出品作品として会場を訪れた人々に絶賛された。このことが、たとえ当局が検閲しようとも、この作品が観るものの心を限りなく自由にし、人々に深い感銘を与えるパワーを持っていることを証明したのである。
昨年2013年の開催では、あの『アクト・オブ・キリング(殺人という行為』や『物語る私たち』を紹介するなど、映画ファンには見逃せない重要な映画祭となった山形国際ドキュメンタリー映画祭が初期に見出した、ドキュメンタリー映画界のもはや伝説的傑作である。
関連商品では、山形国際ドキュメンタリー映画祭で過去、紹介され、DVDもその後リリースされた作品を紹介。