『激ロック』スペシャルコーナー【2月レコメンドアイテム】
PAPA ROACH / 『F.E.A.R.』
GENRE : LOUDROCK, MIXTURE
ラウドロック、ミクスチャー・ロック・シーンを牽引するPAPA ROACHの8thアルバム!
エレクトリック・サウンドを駆使したTrack.1に代表されるように、前作からの自然な流れをくみつつ、ダブステップやトラップのエッセンスも加えられ、さらにエッジーな音作りとなっている。Jacoby(Vo)のパーソナルなリリックがドラマチックに歌われ、パワフルさと繊細さを併せ持つアンセミックなメロディに引き込まれる。全体的にトーンは暗めだが、ラストに向かって高揚感が高まる展開。往年のファンはもちろん、洋楽ラウドロック初心者の方にもぜひ聴いて欲しい1枚。
KAORU【ライター】推薦
ARCHITECTS / 『Lost Forever // Lost Together』
GENRE : METALCORE
UKメタルコア代表格に上り詰めたARCHITECTS、ヘヴィでダークな世界観はそのままによりストレートなアプローチに力を入れた6thアルバム!
前作を過去最高作と称するファンも多いが、さらっと更新するのが彼らだ。身体を芯から熱くさせるアグレッションと、ドラマチックで叙情的なメロディの交差が目まぐるしい。怒涛のブラスト・ビートで始まり、抑制と爆発を交互に展開させ、サビのメロディが頭に残るTrack.2、重々しいギター・リフとベースがブレイクダウンをさらに獰猛なものにしているTrack.3、複雑な構成を見事に整合させたTrack.7など、ため息が出るほど美しくも生々しい名曲ばかりが揃っている。
KAORU【ライター】推薦
NOTHING MORE / 『Nothing More』
GENRE : LOUDROCK, SCREEMO
PAPA ROACHやESCAPE THE FATEを擁するElevenSeven Musicと破格の契約を結んだ大型新人 NOTHING MOREのデビュー・アルバム!
LOSTPROPHETSやHOOBASTANKのようなダイナミックな王道ロックに、時折打ち込みの音を同期させており、ソリッドかつ生音の温かみも兼ね備えたハイブリッドなサウンド。ヴォーカルはハイトーン且つエモーショナルで表現力豊か。例えばTHE USEDなどの初期スクリーモが好きな人もハマるのではないだろうか。2000年代初頭のラウドロック/エモなど、目新しさよりも、普遍的でクオリティの高いロックが聴きたい人はぜひとも手に取っていただきたい1枚。
KAORU【ライター】推薦
THE INTERRUPTERS / 『The Interrupters』
GENRE : PUNK, ROCK
Hellcat Recordsから久々にパンク・シーンを沸かせる大型新人の登場!Tim Armstrongが、プロデューサー&ゲスト・アーティストとしても参加したTHE INTERRUPTERSのデビュー・アルバム!
まさしく、ザ・Hellcatなサウンドには違いないが、純粋なるRANCIDフォロワーのLEFT ALONEやTIME AGAINとは、ちょっと存在感が違う。どこか懐かしい響きのあるスカコアをベースにしながらも、メロディの立ったストリート・パンクの魅力もあり、昔ながらの王道アメリカン・ロックにも通ずるダイナミックさも併せ持つ、まさに現代に産み落とされた“パンク・ロックの申し子”といえるような存在。どこを切ってもノリがよく、踊れるサウンドに彩られた作品だ。
山本 真由【ライター】推薦
CHTHONIC / 『Timeless Sentence』
GENRE : ACOUSTIC
CHTHONIC、初のセルフ・カバーによるアコースティック・アルバム!
オリエンタルな要素や土着的なサウンドとメタルの融合により世界的な評価を獲得してきた彼らが、メタルを脱ぎ捨てた今作を聴けば、CHTHONICのサウンドの核心がより説得力を伴ってくるだろう。彼らの歌う台湾の心、歴史、悲劇はついにここまでの表現力を得て、メタル・バンドとしては新たなステージへと入ってきたことが伝わってくる。台湾を愛するあまりFreddy(Vo)は政党を立ち上げたほど。音楽的にも社会的にも新たな境地に達した彼らの心の奥底を今作で覗いてみて欲しい。
米沢 彰【ライター】推薦
CASH CASH / 『Take Me Home』
GENRE :EDM, POP PUNK, HOUSE
歌とメロディのフックの強さを最大限に活かしたCASH CASH流EDM!!
CASH CASHのDJトリオ編成になって以来の初CD化アイテムは8曲入りEP。EDMもブームになりすぎて狂乱的だと否定的な意見を持つ人も少なくない時代、彼らはそのブームの原点にもなる、美しく耳触りのいいメロディとシンガーの歌唱を活かしたビートとサウンドを展開をしている。元バンドマンという感性から生まれるポップ・パンクの要素も大いに影響しているのであろう。ゆえに少し切なさも香る、人間の心の琴線に触れる音になり、繊細なハウス・ミュージックの顔も併せ持つ。
沖 さやこ【ライター】推薦
IF I WERE YOU / 『End Of An Era』
GENRE : POST HARDCORE, SCREEMO
ニューヨークを拠点に活動するIF I WERE YOU、海外では配信のみでリリースされていた1stアルバムが日本リリース!
清らかなハイトーン・ヴォーカルのインパクトが先行するが、ピアノやシンフォニックなストリングスを多様に織り交ぜたサウンドには厚みがあり、アルバム全体を通して美しくドラマチックな世界観が表現されている。曲中の展開は多く、要所で挟まれる四つ打ちや跳ねるリズムは邦楽ファンにも聴きやすいはず。シャウト、メタリックなリフなどヘヴィなパートも器用にまとめられており、それぞれの要素のクオリティは高い。展開にメリハリを効かせればさらに広いリスナー層を掴んでいけそうだ。
小林 詩央里【ライター】推薦
PVRIS / 『White Noise』
GENRE : ROCK, ALTERNATIVE ROCK
Rise/Velocity Records唯一の女性フロントマンを擁する3ピース・オルタナティヴ・ロック・バンド、PVRISのデビュー・アルバム!
2013年と2014年のWarped Tourに出演し、MAYDAYPARADE、TONIGHT ALIVEなどとツアーを回ったことで注目を集めるPVRISのデビュー盤。ジャケットやアーティスト写真から受ける印象の通り、シリアスの中にメランコリックと力強さを感じさせる。キーボードやシンセも柔軟に取り入れ、退廃的になりすぎない美しい世界観も特徴的。等身大の女性の素朴さを感じさせつつも、芯の強い声を聴かすLynn Gunnのヴォーカルと共に、今後に注目だ。
沖 さやこ【ライター】推薦
DEFEAT THE LOW / 『A Nervous Smile』
GENRE : POST HARDCORE, LOUDROCK, SCREEMO
Rise Recordsのオーナー、Craig Ericson(Gt)参加のオレゴン州ポートランド出身の5人組によるDEFEAT THE LOWのデビュー・アルバム!
エモーショナルなヴォーカル、ツイン・ギターの堅実な演奏力を軸にスケール感のあるメロディ・ラインで巻き込んでいく。中盤以降はハードコア調のアグレッシヴな楽曲もあり、激しく叫ぶパートも用意され、ライヴ感漲るサウンドもインパクト絶大。かと思えば、叙情的なイントゥルメンタル・ナンバーも挟まれ、アルバムの流れにいいフックをもたらしている。大陸的なロック・サウンドを搔き鳴らしながら、時に激しく時にメロウにアプローチする器用さを持ち合わせたバラエティに富んだ作品。
荒金 良介【ライター】推薦
FALL OUT BOY / 『American Beauty / American Psycho』
GENRE : ROCK, POP, PUNK
ライヴならシンガロング必至のFOB節はもちろん健在、前作から1年9ヶ月ぶりとなる6作目のアルバム!
ホーンやピアノを巧みに使いながらR&Bやヒップホップのエッセンスをバンド・サウンドに落とし込むという意味では前作の延長上と言えるが、Patrick Stumpも言っているように音数を削ぎ落としたことで、メンバーそれぞれの存在がダイレクトに感じられる。ヴォーカリストとしてのPatrickの圧倒的な存在感は言うまでもないが、Track.5のエキゾチックなフレーズを始め、多彩なプレイを加えているJoe Trohmanのギター・プレイにも耳を傾けたい。
山口 智男【ライター】推薦
THE FAMILY RUIN / 『Dearly Departed』
GENRE : METAL, ALTERNATIVE
ASKING ALEXANDRIAのブレーン、Ben Bruce(Gt)がマネージャーと共に立ち上げたレーベルより、UKはヨーク出身5人組 THE FAMILY RUINのデビュー・アルバム!
MÖTLEY CRÜEなど80年代のトラッドなメタルとモダン・ヘヴィネスを融合した音楽性は、初期のエレクトロコアからHR/HMに大きく指針を変えたASKING ALEXANDRIAの先をいくサウンドとも言え、Bruceプロデュースという点にも合点がいく。Track.1からフックの強いメロディが冴え、切り込んでくるチョーキングや速弾きを交えたギター・ソロもいいスパイスに。シンプルで重厚なサウンドを貫く、デビュー作らしからぬ完成度を備えた良盤。
小林 詩央里【ライター】推薦
MARILYN MANSON / 『THE PALE EMPEROR』
GENRE : LOUDROCK
アメリカ社会の闇を体現しあらゆる悪徳にまみれた反逆のスターが提示する、新たなアート、その最新形
おそらく、前作で展開していた、初期のサウンドを彷彿させるへヴィネスに歓喜したファンにとっては、またも賛否両論となる作品ではないかと思う。本作の全編を通して感じられるのは、ギターの音作りが明らかに変わったということ。MARILYN MANSONが持つ強烈なイメージを求めている聴き手からすれば、肩透かしを食らいかねないサウンドであることは、否定はできないが、安易に変わってしまったとか落ち着いてしまったとか、表面的な印象で切り捨ててしまうには惜しい魅力が本作にはある。
井上 光一【ライター】推薦
PERIPHERY / 『Juggernaut:Alpha』『Juggernaut:Omega』
GENRE :METAL/PROGRESSIVE/EXPERIMENTAL
激しく、美しく、なにより気高い初のメンバー共作の2枚組のコンセプト・アルバム!
今作は2枚組のコンセプト・アルバムゆえに、いきなり手に取るのを躊躇するリスナーも多いかもしれない。だが、彼らの溢れんばかりの音楽センス、卓越した表現力を一気に味わいたければ、いきなり2枚の作品にどっぷり浸かるのもありだろう。テクニカルな演奏力に裏打ちされたロマン漂う曲調、高ぶる感情からディープな世界へと広がる音絵巻、ガラッと場面が変わる意表を突く展開など、興奮とスリルを張り巡らせ、一編の映画を観ているような世界観が待ち受けている。
荒金 良介【ライター】推薦
THE COLOR MORALE / 『Hold On Pain Ends』
GENRE : POST HARDCORE
昨年4月にベーシストの交代、FEARLESS RECORDSへの移籍という大きな変化を経たTHE COLOR MORALEの4thアルバム!
プロデューサーにNEW FOUND GLORYやALL TIME LOWなどを手掛けるMike Greenを迎えて制作された今作は、ゲスト・ヴォーカルにWECAME AS ROMANSのDavid StephensやCHIODOSのCraig Owensが参加するなど話題性も十分。バラエティに富んだ全12曲は聴き応え抜群で、特にMVにもなっているTrack.3は叙情フレーズと激情パートの対称性を見事に融合する彼らの持ち味が凝縮されている。全曲必聴。
小林 詩央里【ライター】推薦
THE ANTHEM / 『In It To Win It』
GENRE : POP PUNK, EMO
哀愁漂うエモーショナルなメロディ、ストーリー性のある情緒たっぷりの歌心で聴かせるイタリア発のポップ・パンク・バンド、THE ANTHEMのニュー・アルバム!
前作『High Five』が話題となり、国内外に広く認知されることとなった彼ら。そんなヒット作の前作に引き続き、兄貴分VANILLA SKYのBrianがプロデュースした今作は、いい意味で無国籍、そしてタイムレスな、いつどこで聴いても感動できる、どこを切り取っても“歌”が魅力的な作品となった。すべてを包み込むようなDario(Vo/Gt)の優しいヴォーカルが心地良い。着実にキャリアを重ねて実力をつけているバンドらしい、隠れた名作となりそうだ。
山本 真由【ライター】推薦
【激ロック】
ラウドミュージックに特化したフリーマガジン、ポータルサイトの運営、そして国内外のバンドを招聘してのライブイベント、13年間続くROCK DJパーティーの企画、運営を行っている。さらには渋谷宇田川町に位置する「Music Bar ROCKAHOLIC」と同じく宇田川町にあるロックファッション・ショップ&通販サイト「GEKIROCK CLOTHING」の運営など、クロスメディアを超えたクロスカルチャー展開をシーンに仕掛けるラウドミュージック専門のクリエイティブ集団である。
タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM) PUNK/EMO
掲載: 2015年02月18日 19:08