シュナイダーハン&ビストリチュキー、2人の名手がDGに残したレア盤小品集をCD1枚に収録!
ウィーン出身のヴァイオリニスト、ヴォルフガング・シュナイダーハン(1915~2002)はDG専属として1950~60年代に多くの録音を残していますが、1957年にモノラル録音した小品集は当時としても珍しい7インチ45回転盤のBOXとして発売されたものです。おそらく、30cmのLPレコードでは小品が聴き流されてしまうので、片面に1~2曲しか収録できない7インチ盤に収録したのでしょう。結局この形はLP時代を通じて主流になることはなく、その後すぐにステレオ録音時代に入ったこともあり、日本でPOCG-90184として世界初CD化されるまで長く廃盤が続きました。シュナイダーハンの情緒豊かな表現力が多彩な弓の魅力とともに示された名品揃いです。
一方、ハンガリー出身で有名なヴァイオリン教師イェネー・フーバイに学んだティボール・ビストリチュキー(1908~83)の名を知る人は少ないことでしょう。当時のハンガリー領のアラド(現在はルーマニア領)に生まれ、フランツ・リスト音楽院で学び、1946年まで母校の教授を務めたあと、ジュール音楽院の教授(1946~63)を務めながらソリストとして活動。1955年には独インペリアル・レコードへ、1957年には独エレクトローラへ、そして1958年にDGに録音を残しました。
この小品集(写真)は10インチ33回転のステレオLPとして発売されたもので、彼の鮮やかな音色と切れ味鋭い技巧の冴え、味わい深いフレージングを優秀な録音で満喫できる内容となっています。10インチLPの時代もまた短命に終わったことから、この盤もすぐに廃盤となりましたが、演奏と録音が優れていることがレコード・コレクターの間で話題となり、中古盤は非常な高値を呼び、CD化が長く待たれてたものです。
ヴァイオリン好きには聴き逃せない1枚の登場と言えるでしょう。
(タワーレコード)
『ヴォルフガング・シュナイダーハン, ティボール・ビストリチュキー/ヴィルトゥーゾ・ヴァイオリン』
【曲目】
バルトーク:6つのルーマニア民俗舞曲(バルトーク/セーケイ編)
ストラヴィンスキー:ロシアの乙女の歌(歌劇「マヴラ」より)
ストラヴィンスキー(ドゥシュキン&ストラヴィンスキー編):ロシア舞曲(バレエ「ペトルーシュカ」より
サン=サーンス:白鳥
クライスラー:ウィーン奇想曲, 愛の悲しみ, 愛の喜び
レーガー:子守歌
シューバート:蜜蜂
ブラームス(ヨアヒム編):ハンガリー舞曲第5番
エルガー:気まぐれな女
リース:常動曲
ムソルグスキー(ハルトマン編):ゴパーク, ヘブライの歌
ファリャ(クライスラー編):スペイン舞曲
ショパン(サラサーテ編):夜想曲Op.9-2
マルティヌー(ハルトマン編):アラベスク
【演奏】ヴォルフガング・シュナイダーハン(ヴァイオリン) アルベルト・ヒルシュ(ピアノ)
【録音】1957年7月、ザルツブルク、クレスハイム城
【曲目】
チャイコフスキー:感傷的なワルツ
フバイ:ゼフィール
コダーイ:小ワルツ
ゾルト:とんぼ
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲Op.72-2
シャミナード:スペインのセレナード
ラフマニノフ:エレジーOp.3-1
ドビュッシー:小さな黒人
リスト:忘れられワルツ第1番,
【演奏】ティボール・ビストリチュキー(ヴァイオリン) フェリックス・シュレーダー(ピアノ)
【録音】1958年11月, ベルリン
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2015年09月03日 16:30