塩川悠子、浦川宜也の師、ヴィルヘルム・シュトロスの1955年モスクワ・ライヴがCD化!
ヴィルヘルム・シュトロス(1907~1966)はケルン音楽院でヨアヒム門下のブラム・エルデリングにヴァイオリンを、名指揮者ヘルマン・アーベントロートに指揮法を師事したドイツのヴァイオリニスト、指揮者、教育者でした。
1932年にピアノのエリー・ナイ、チェロのルートヴィヒ・ヘルシャーとともにエリー・ナイ三重奏団を組織し、1934年には自らの名を冠した弦楽四重奏団を組織。そして室内管弦楽団の指揮など、古楽演奏と室内楽演奏に伝統的なドイツの内面的な解釈を聴かせました。
1943年から1962年まで、ウィーン・フィル木管グループと共演して度々演奏会を開き、モーツァルトやウェーバーのクラリネット五重奏曲(クラリネットはウラッハ)、ベートーヴェンの七重奏曲やシューベルトの八重奏曲の録音を残しています。
教育者としては1954年よりミュンヘン音楽大学の教授を務め、我が国の塩川悠子と浦川宜也を指導したことで知られています。
この1955年録音は、当時の西ドイツ首相コンラート・アデナウアー(1876~1967)の肝いりで「音楽の大使」としてソ連を演奏旅行した際のもので、彼らのレニングラードやモスクワでの演奏会は熱狂的な反響を巻き起こしました。
第2次大戦で大きな痛手を受たドイツ・ヴァイオリン界にあって、ほとんど一人で奮闘していたシュトロスの数少ない録音として、また歴史的なドキュメントとして貴重な価値をもつ一枚と言えるでしょう。(タワーレコード)
『ヴィルヘルム・シュトロス室内管弦楽団』
【曲目】
ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767):
ヴィオラ・ダ・ガンバ、弦楽と通奏低音のための組曲ニ長調 TWV55:D6
ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-1784):
シンフォニア ニ短調 F.65 (BR C7)
ヨハン・クリスティアン・バッハ(1735-1782):
フルート、オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロと通奏低音のための五重奏曲ニ長調 W B75
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788):
チェロ協奏曲イ短調 Wq.170 H.432(*) f
【演奏】
ルドルフ・メッツマッハー(チェロ(*))
ヴィルヘルム・シュトロス室内管弦楽団
【録音】
1955年9月11-12日、ライヴ、モスクワ音楽院小ホール、モスクワ、ロシア、ソヴィエト
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2015年10月13日 18:00