テナーの巨人=ソニー・ロリンズ、衝撃の最新アルバム
photo by John Abbot
ソニー・ロリンズのライヴ・テイク集『ロード・ショウズ』シリーズ、2年ぶりの第4弾は、1979年7月13日~2012年10月30日までに行われた8公演のライヴ・テイクをセレクト。アル・フォスター、スティーヴン・スコット、ボブ・クランショウ、クリフトン・アンダーソン等が参加。場所はロンドン、ポリ[フィンランド]、マルセイユ、プラハ、トゥールーズ、パリ、ボストンにて収録されている。
トラック 6, 8-10 は2001年9月15日ボストンでのライヴ録音だが、ロリンズはその4日前の9月11日、同時多発テロ渦中のニューヨークにいた。ワールド・トレード・センターから数ブロック北にあるツアーに出るときの拠点として使っている家に滞在しており、ツイン・タワーが崩壊したとき自宅で一晩孤立状態になったのだという。
「ロンドン大空爆を描いた第2次世界大戦の映画の1シーンみたいだった」 とその時の街の様子を振りかえっているが、今は亡き妻ルシールの後押しもあってキャンセルせずステージに立ったロリンズのプレイは、いつもより真摯なエネルギーに満ちている。
『ホールディング・ザ・ステージ』=“オーディエンスや周囲の人から注目を集める”。“上演を続ける”。まさに ソニー・ロリンズの生き方そのものを象徴するタイトルだ。
掲載: 2016年04月05日 20:33