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フェラスと岩崎淑による1971年日本録音のヴァイオリン小品集が初CD化!

フェラス&岩崎淑

左:1971年9月に初発売された『G線上のアリア/珠玉のヴァイオリン小品集』(MG2282:LP廃盤)のジャケット写真
右:日本グラモフォン第1スタジオでのフェラスと岩崎淑

クリスチャン・フェラスは1933年6月17日、ル・トゥケ生まれのフランスの名ヴァイオリニストです。ニース音楽院でシャルル・ビステジに、パリ音楽院でルネ・ベネデッティとジョゼフ・カルヴェに学びました。13歳でパリ音楽院を首席で卒業、1948年、シュヴェニンゲン国際コンクールに優勝、1949年、ロン=ティボー国際コンクールで1位なしの2位を獲得し、国際的に名声を高めました。

1947年、弱冠14歳でフェデリコ・エリザルデのヴァイオリン協奏曲を英デッカに録音し、レコード・デビューしています。1951年には18歳でカール・ベームに認められてベルリン・フィルとベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を放送局に録音(2011年にアウディーテよりCD化)。1954年には20歳で巨匠カール・シューリヒト指揮ウィーン・フィルとブラームスのヴァイオリン協奏曲を英デッカに録音し、世界的に知られるようになりました。

1961年に初来日し、卓越した技巧と美しい音色、歌心をもった演奏により評判を呼びました。1964年にはカラヤン指揮ベルリン・フィルとブラームスのヴァイオリン協奏曲を録音。以後、カラヤンとは1966年にかけてバッハ、ベートーヴェン、チャイコフスキー、シベリウスのヴァイオリン協奏曲を次々に録音し、「カラヤンのヴァイオリニスト」としてのイメージが定着することとなります。

このCDは1971年春、フェラスが10年ぶり、2度目の来日をしたときに、日本グラモフォンの依頼で録音した14曲を中心に構成されています。これらの録音は、フェラス没後30年の2012年に発売された『クリスチャン・フェラスの芸術』(DG輸入盤10枚組、廃盤)に未収録だったもので、一部を除いて世界初CD化となります。

1971年の来日は、4月9日のリサイタル(東京)で始まり、4月21日のコンチェルト(京都)まで、短い滞在期間にもかかわらず、14曲のスタジオ録音も含まれる多彩なものでした。日本グラモフォンへの録音は4月10日と11日、日本グラモフォン第1スタジオで行われ、ディレクターは後に音楽評論家として活躍された佐々木節夫氏が務め、録音技師は大野進氏の名がクレジットされています。来日リサイタルでもデュオを組んだ岩崎淑がピアノを務めました。

フェラスは1968年にジャン=クロード・アンブロシーニと小品集を録音したばかりでしたが、この1971年の14曲は何れも日本でSPレコード時代から親しまれた有名曲ばかりで、オールド・ファンと、一般家庭向けの名曲集と両方兼ねたような内容をもったアルバムとなっています。これら親しみやすく美しいメロディを録音するのに、フェラスの冴えた技巧と艶やかな音色、ロマンティックなフレージングはぴったりで、心安らぐ1枚となっています。この小品集は1971年9月に日本グラモフォンからMG2282という番号のLPレコードで初発売され、1980年9月にはMGW5245の番号で廉価盤化され、LP時代に長く聴き継がれました。

余白にフェラスがデビュー当時に英デッカにモノラル録音した6つの小品が入っているのも、ファンにとっては嬉しいところでしょう。
(タワーレコード)

フェラス

クリスチャン・フェラスの至芸~アンコール小品集

【曲目】
1) ラモー(クライスラー編):タンブーラン
2) チャイコフスキー(クライスラー編):アンダンテ・カンタービレ
3) グラナドス(クライスラー編):アンダルーサ
4) メンデルスゾーン(アクロン編):歌の翼に
5) ドビュッシー(ショワネル編):小舟にて
6) ドルドラ:思い出
7) J.S.バッハ(ヴィルヘルミ編):G線上のアリア
8) ボッケリーニ:メヌエット
9) ラヴェル:ハバネラ形式の小品
10) ドヴォルザーク(クライスラー編):我が母の教え給いし歌
11) ベートーヴェン:6つのメヌエットより第2番WoO.10-2
12) アルベニス(クライスラー編):タンゴ
13) シューベルト:セレナード
14) クライスラー:美しきロスマリン
15) ラヴェル:ツィガーヌ
16) ラヴェル(コハンスキ編):亡き王女のためのパヴァーヌ
17) クライスラー:プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ
18) サラサーテ:アンダルシアのロマンス
19) マスネ(マルシック編):タイスの瞑想曲
20) フォーレ:子守歌

【演奏】
クリスチャン・フェラス(ヴァイオリン)
岩崎淑(ピアノ:1-14)
ピエール・バルビゼ(ピアノ:15,16.19.20)
アーネスト・ラッシュ(ピアノ:17-18)

【録音】
1971年4月10&11日(1-14)=日本グラモフォン、ステレオ
1951年(15,16,19,20) 1948年(17-18)=英デッカ、モノラル



カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2016年04月07日 14:00