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V.ユロフスキお得意のストラヴィンスキー“ペトルーシュカ”が遂にリリース

Vユロフスキ

タイムズ紙で「ストラヴィンスキー(1882-1971)の『ペトルーシュカ』において、これほどまでに精緻で色鮮やかな演奏を他に思い出すことができない」と大絶賛された演奏を含む、ユロフスキとロンドン・フィルハーモニーの演奏。2005年のLPOレーベル創設時からの、初の「オール・ストラヴィンスキー作品集」となるこのアルバムは、ユロフスキにとっても新たな挑戦となっています。ペトルーシュカはもちろんのこと、他の2作品でもユロフスキは信じられないほどの多様性を披露し、ストラヴィンスキー作品の持つ幅広くコミカルな雰囲気を的確に描き出しています。
ドビュッシーの追悼として作曲された「管楽器のための交響曲」は、通常日本ではこのように訳されていますが、ストラヴィンスキー自身は「Symphonies」の意味を「共に鳴り響くもの」として捉えたといい、10分程度の短い曲の中にロシア民謡的な要素も取り込まれた、奏者たちの腕のみせどころが数多くある作品。後に改訂が行われましたが、ここでは初稿版が演奏されています。バレエ音楽「オルフェウス」はタイトルの通りギリシア神話を題材とし、リンカーン・キルスタイン・バレエ協会の委嘱を受けて作曲された作品です。新古典派主義の作風を取り入れたシンプルで美しい響きを持ち、時折ドビュッシーをも思わせる、あまり演奏されることのない珍しい作品です。
全ての録音がロイヤル・フェスティヴァル・ホールのライヴからの収録です。
(ナクソス・ジャパン)

2007年にロンドン・フィルのシェフに就任して以来、ウラディーミル・ユロフスキは比較的その早い時期から、頻繁にストラヴィンスキーを演奏会で取り上げてきました。“火の鳥”を筆頭に、ハ調の交響曲や、このCDにも収録されている管楽器のための交響曲がそれです。しかし、日本の音楽ファンにとっては、コパチンスカヤと共演したヴァイオリン協奏曲こそが、V・ユロフスキのストラヴィンスキーを耳にした嚆矢ではないでしょうか。あのホットとクールの果敢なつばぜり合い!
やはり指揮者である父ミハイル・ユロフスキとともに、18歳でドイツへ移住したウラディーミルは、その音楽性の完成の多くを西欧に負っています。事実、グラインドボーンで様々なオペラを振り、エイジ・オブ・インライトゥンメント管弦楽団のようなオリジナル楽器編成のオケを指揮して成功を収めてきたユロフスキは、極めて現代的かつ先進的な資質に溢れた音楽家といえましょう。
にもかかわらず、オペラハウスやコンサートホールで聴衆を熱狂させる彼の指揮の魅力は、実は音楽を洗練させ過ぎない絶妙なサジ加減にこそあるとも言えるのです。つまり、一聴すると美しく磨かれた音楽が鳴り響いているにもかかわらず、音楽はそこここで狂気をはらみ、ある種の野性味すら残している。これぞクラシック音楽を聴く醍醐味なのではないでしょうか。
クレンペラーやテンシュテットの音楽を愛してやまなかった大英帝国の趣味嗜好は、21世紀になっても、そう簡単には変わらないという良い証左となるのが彼、ウラディーミル・ユロフスキなのです。保守的と言われるイギリスの音楽評論家すら熱狂させた驚嘆の“ペトルーシュカ”をお聴きください。
(タワーレコード)

【収録曲目】
ストラヴィンスキー
1. バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1911年版)
2. 管楽器のための交響曲(1920年版)
3. バレエ音楽「オルフェウス」3場
【演奏】
ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】
2015年3月21日(1)、2014年10月6日(2,3)、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァルホール、ライヴ

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2016年08月15日 23:42